『無双』リバウンド王ジャック・クーリー
3クォーター、キングスはインサイドを制圧して自分たちのリズムを掴む。
名古屋Dは2−3ゾーンやペイントエリアでのダブルチームでプレッシャーをかけるも、キングスはそのペイントエリアからダンカンが力強くシュートを決める。
残り8:41には、名古屋Dのトラップディフェンスをパスでかわし、今村が右45度から3ポイントを決めてスコア46-46の同点とする。
さらに残り8:02には、今村の3ポイントが外れたところをクーリーがオフェンスリバウンドをもぎ取り、そのままシュートを押し込みスコア48-46とキングス逆転に成功。
インサイドでリズムを作り出したキングスは、名古屋Dのゾーンやトラップと変化するチェンジングディフェンスにも、素早いボールムーブメントで的を絞らせない。残り5:16には右コーナーから今村が3ポイントを再び射抜き、スコア52-49とする。
ここから、今季リバウンド王に返り咲いたクーリーが『無双』する。クーリーは名古屋Dの選手に囲まれながらも、何度もオフェンスリバウンドを奪い、3クォーターだけで4本のオフェンスリバウンドを獲得。
キングスのチーム全体のセカンドチャンスポイントは、3クォーターだけで12点。キングスは持ち味のリバウンドで、ポゼッションゲームを支配した。
3クォーター終了時のスコアは、67-65でキングス2点リード。
『クラッチプレイヤー』今村佳太
4クォーターは名古屋Dの反撃から始まる。クラークのアーリーオフェンスからの3ポイント、そして2−3ゾーンでキングスにターンオーバーをさせると、ファストブレイクからンドゥールがアリウープで得点。残り8:27で69-72と名古屋Dが再逆転。
だがキングスは、エース今村が再び躍動。
残り7:36にトップから3ポイントを決めると、残り6:11には今村の左ベースラインドライブから、逆の右45度で待つ岸本にキックアウトパス。岸本が冷静に3ポイントを決めて、76-76と再び同点とする。
レギュラーシーズン後半に何度も見せていた今村と岸本のコンビネーションで、名古屋Dの変則ディフェンスを攻略した。
インサイドアウトで完全にシュートリズムを掴んだキングス。残り3:35には、右ローポストのダーラムが名古屋Dのトラップを冷静に見極め、左45度の今村にパスを飛ばし、今村の3ポイントをお膳立てした。
ダーラムはこのパスで6アシスト目を記録。ゲームメイカーとして最大限チームに貢献した。
名古屋Dもこの日28得点を挙げたクラークの得点で追いすがるが、残り35.1秒には、ダーラムのオフェンスリバウンドから、今村がこの日7本目となる3ポイントを決めて、87-82と5点差に突き放す。沖縄アリーナの8千人を超えるファンに勝利を確信させた。
最終スコアは91-85。キングスが大事なCSの初戦を勝利。
キングスのエースに成長した今村は、3ポイント12本中7本成功を含む、チームトップの24得点。さらに鋭いドライブで名古屋Dのディフェンスを切り崩すなど、多彩なプレイでチームの勝利に貢献した。
試合スタッツ:日本生命 B.LEAGUE チャンピオンシップ 2022-23 2023/05/12 琉球 VS 名古屋D | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後の記者会見で、今村は自身のプレイに大きな手応えを感じていると語った。
「試合前の準備からシュートタッチも良く、身体のコンディションも良かった。試合に入ってみないと分からないこともあるが、自分自身がしっかりマインドセットをして試合に臨めたのが、良い結果につながった。しっかり継続していきたい」
今季はシーズン当初から勝負どころでボールを任される『クラッチプレイヤー』として、その重責と向き合い続けてきた今村。
本当に大事な場面で勝負を決める一撃を決めることが出来たのは、長いシーズンを積み重ねてきた結果だ。
キングスが頂点を掴むために必要な勝利は、あと5勝。