フリースローに苦しむキングス
3クォーター最初のプレイ、千葉はローがジャンパーを外すも、佐藤がオフェンスリバウンドを取ってムーニーのセカンドチャンスに繋げる。さらに残り8:48 には原の3ポイント、残り7:51にはローのミドルジャンパーが決まり、スコア46-48と千葉が連続得点で2点差に迫る。
キングスはタイムアウトを取り、その直後のプレイで今村がトップから3ポイントを決めてスコア46-51。
キングスはクーリーがシュートファウルのフリースローを1本外してしまう。だが次のプレイでは右ローポストのダンカンが逆サイドにパスアウト、松脇が3ポイントを決めてスコア46-57と9点差に押し戻す。
しかしキングスは千葉の運動量豊富なディフェンスに苦しみ、シュートファウルを受けてもフリースローを決め切ることが出来ない。3クォーターのキングスは、残り4分以降はフィールドゴール成功無し。フリースローは、8本中4本しか決められなかった。
フリースローの失敗から波に乗り切れないキングスに、千葉は着実に得点を重ねる。3クォーターの最後は、ローがブザービーターで3ポイントを決める。
3クォーター終了時のスコアは、62-63とキングスは1点差まで迫られた。
Clutch Player 今村佳太
4クォーター、キングスは好調の松脇が左45度から3ポイント成功。だが千葉の流れは続く。
千葉はクーリーの平面のミスマッチを狙ってくる。クーリーを外におびき出して積極的にドライブ。シュートは外れてもクーリーが良いポジションでリバウンドに入れず、キングスはディフェンスリバウンドを一度で確保出来ず、自分たちのリズムを引き寄せることが出来ない。
残り4:50 千葉は原がドライブでクーリーを振り切りレイアップを決める。72−72の同点で千葉ブースターの大歓声が響く中オフィシャルタイムアウト。
両チームのディフェンスの強度がさらに上がり、得点が伸びないまま時間が過ぎていく。
残り2:27 ローがオフェンスリバウンドを奪ってゴールにねじ込む。76-75と千葉がついに逆転。千葉ポートアリーナは大熱狂だ。
しかし残り1分を切ったクラッチタイムから、キングスのエース今村佳太が躍動する。
残り47秒、今村はショットクロックぎりぎりで片足で飛び上がり3ポイントをねじ込む。逆転を確信したアウェーのキングスブースターが歓喜するが、これは惜しくもショットクロックバイオレーション。
残り13秒 スコア76-75の場面、ローのドライブにダーラムがシュートファウル。万事休すかと思われたが、ローがフリースローを2本ミス。キングスは首の皮一枚つながった。
そして残り3.9秒、キングスがベースラインからのスローインの場面。逆サイドのベースラインに飛び出してきた今村にパスが渡ると、そのジャンプシュートは高いアーチを描いてゴールネットを揺らした。さらにバスケットカウントワンスローも獲得。
今村のスーパープレイに、キングスベンチもキングスブースターも大熱狂だ。今村はボーナスワンスローも決めて、76-78とキングス2点リード。
千葉の最後の攻撃、原の3ポイントを今村が必死にディフェンス。シュートは外れてローがプットバックするもタイムアップでノーカウント。
激戦のGAME2は、最終スコア76-78。キングスが宿敵千葉にアウェーの地で勝利。西地区優勝に望みをつなぎ、チャンピオンシップに向けても大きな一勝となった。
クラッチタイムに勝負を決めた今村は「(千葉には)負けられない気持ちで臨みました。千葉とはチャンピオンシップで対戦する可能性もあるので、次に繋げたいと思った」と劇的勝利に浸ること無く、目指すべきB1優勝を見据えていた。
試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/04/02 千葉J VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
試合後の記者会見でも、キングス桶谷HCも勝利に浸ることなく反省を口にした。
「千葉のようなモバイル(サイズより機動力)でピック・アンド・ポップのあるチームに対して、自分たちがやりたいディフェンスのエクスキューション(遂行力)が弱かった。自分たちが勝つ確率を上げるための課題が残るゲームだった」
指揮官の言う通りだった。劇的勝利に沸いたものの、試合内容はGAME1より課題が目立った。千葉に許したオフェンスリバウンドは、GAME1の7個からGAME2は13個に増え、セカンドチャンスポイントでの失点は6点から12点に増えた。千葉の方がリバウンドへの執着心が上だったと認めざるを得ない。
そしてフリースローは2日間ともに50%を下回る低確率。連戦となるチャンピオンシップを想定した場合、連日フリースロー確率が低い状態は言い訳が出来ない。
フリースローについて桶谷HCも厳しい口調で語った。
「フリースローはスキルとメンタルの両方、これは選手自身の責任。昨日も今日ももっとフリースローが入れば自分たちの楽な展開になった。CS入るまでしっかりグッドフリースローチームになりたい」
自分たちが目指すべきB1優勝へ、まだまだもがき続けるキングス。チームとして成長すべき4月が始まった。