『戦う姿勢』を忘れない
3クォーター、残り8:02 ダンカンが佐藤を押し込みファウルを獲得。千葉ディフェンスの要である佐藤はこれで3ファウル。キングスは流れを掴むチャンスだったが、ダンカンがフリースローを珍しく1本落としてしまう。
スコア 45-45の同点。勝負の潮目が動き始める。
千葉が攻撃の手を緩めない。小野寺のプレッシャーに慣れてきた冨樫が、荒尾へのアシスト、自らのフローターショットで得点を引っ張る。残り06:13、スコア53-47でキングスがタイムアウト。
流れが徐々に悪くなるキングス。パスミスでのターンオーバーや、クーリーのオフェンスファウルの直後にスミスのバスケットカウントを許すなど、千葉にリズムを与えてしまうバッドプレイが続く。
残り1:48、この日ラッキーボーイ的な存在になっている小川に、またしても3ポイントを決められてしまう。スコア 64-50とここまでで最大14点差をつけられるキングス。
残り53秒、千葉はローが岸本にマッチアップ。しかし岸本はローを振り切り、今村のアシストから3ポイントを決める。
さらに残り26秒、松脇が3ポイントを決める。岸本、松脇いずれもインサイドアウトのパスからの3ポイントだ。キングスのオフェンスはまだ自分たちの形を残している。
3クォーター終了時のスコアは、64-57で千葉7点リード。キングスは劣勢ではあるものの、天皇杯の敗戦とは明らかに違う。『戦う姿勢』を忘れていない。
勝負の4クォーター、キングスはフリッピン、松脇、今村、ダーラム、クーリーでスタート。
キングスはいきなり自分たちの形から良いオフェンスを見せる。
ローポストのダーラムからパスアウト、トップのフリッピンを経由して、左45度の松脇が落ち着いて3ポイントを決める。これでスコア 64-60。
さらに直後、全く同じ形から、今度はフリッピンがトップから直接リングへドライブしてシュートファウルを獲得。フリースローを2本決めて、64-62とキングスは2点差に迫る。
一気に逆転したいキングスだったが、千葉がそれを許さない。ムーニーや冨樫の3ポイントで逆に残り7:28にはスコア 72-62と10点差に広げる。
まだキングスは冷静だ。残り6:38 田代が逆サイドへのパスを飛ばすと、再び松脇が左45度から3ポイントを決める。さらにフリッピンからダーラムへタッチダウンパスで得点。残り6:13 スコア76-70と6点差で離されない。
だがキングスはどうしても千葉を捉えきれない。残り5:47 クーリーがオフェンスファウルで4つ目のファウルとなると、佐藤にオフェンスリバウンドを許すなど、ディフェンスでのフロアバランスが徐々に綻びを見せる。
冨樫とローのPnPからローが3ポイントを決めて79-72と7点差。千葉ジェッツブースターが盛り上がり、千葉ポートアリーナに響く重低音のBGMが肌を揺らす。
千葉を捉えきれないもう一つの要因がフリースロー。4クォーターのキングスのフリースローは10本中5本。完全アウェーの地でフリースローを落とす事がどれだけ勝負に直結するかは、自分たちが一番良く知っているはずだ。
キングスは最後まで冷静にプレイしつつ、勝利への望みをつなぐ。残り46秒、岸本のインサイドアタックからダーラムのロングジャンパー。さらに残り33秒、同じく岸本のパスアウトから今度はダンカンが左コーナーより3ポイント。スコア86-83 と3点差に迫る。
しかし勝負どころのクラッチタイム、残り11秒、千葉は冨樫が松脇の前を前にして3ポイントを決める。勝負を決める一撃を叩き込んできた。
最終スコアは、89-85で千葉がGAME1を勝利。キングスの連勝は13でストップした。
試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/04/01 千葉J VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト