3Q キングスを繋ぎ止める今村のアタック
点差以上に劣勢なキングス。3クォーターは、この日不調のエバンスではなくクーリーをスタートメンバーに入れる。
3クォーターの先制点は富樫。左コーナーでまたもダンカンのスクリーンを使いこの日4本目の3ポイントを決める。
千葉はここから3ポイント攻勢。先程と同じスクリーンプレイから、今度はダンカンが3ポイントを成功。そしてまるでリプレイを見ているかのように、富樫からのパスでダンカンがもう一度3ポイントを沈める。
さらに残り7:54 富樫のペネトレイトから原のコーナー3ポイントが決まる。4本連続3ポイントで 48-29 と千葉がキングスを突き放す。キングスはたまらずタイムアウト。
タイムアウトも実らずキングスは思うようにボールを回せずにターンオーバー。千葉はファストブレイクからムーニーがエンドワン獲得。クーリーが3つ目のファウル。
スコアも 51−29 とこの日最大の22点差。まだ3クォーターだがキングスは瀬戸際まで追い込まれた。
ここからキングスは我慢の時間帯になる。全員がディフェンスで足を動かし、リバウンドに飛びつく。
そして今村の積極性がキングスを繋ぎ止める。
今村は力強いドライブで原から3つ目のファウル、さらにダンカンからも3つ目のファウルを奪う。
残り4:25、今度はダーラムのローポストアタックでエドワーズから3つ目のファウル獲得。
しかし千葉は、スミスを中心とした高確率の3ポイントで点差を詰めさせない。愚直に追うキングスと、軽やかに引き離す千葉。
だが千葉の大野HCはわずかな勝負の潮目を感じ取る。
残り3:25 今村がパスカットからそのままファストブレイクで得点した場面で千葉がタイムアウト。スコアは 61-44と、まだ17点差があるにも関わらず貴重なタイムアウトを使う。
実はこの場面、千葉にとってのアキレス腱となる弱点が露呈し始めていた。
3クォーターの千葉オフェンスは高確率な3ポイントが目立ち、その中心は外国籍ガードであるスミス。
しかしアウトサイドの選手であるスミスは、インサイド帰化選手であるエドワーズと揃ってコートに立たせる必要がある。
この時点でエドワーズはファウル3つ。もし3クォーターで4つ目のファウルを犯せば、それはオフェンスの牽引役であるスミスも長時間コートに立てなくなる事を意味する。しかもダンカンもファウルは3つ。どうする?
17点差のセーフティリードを持つ千葉だが、非常に難しい選択を迫られた3クォーター残り3分。
千葉の大野HCは攻撃的な決断をする。スミス&エドワーズをそのまま継続、ここで試合を決めにかかる。
スミスがこの決断に応える。ローポストからのフェイドアウトシュートで牧からエンドワン獲得。スコア 64-44 と20点差に突き放す。
だがキングスのエースへと成長しつつある今村は諦めない。今村はスミスからボールを奪うと、さらにベースラインドライブでエドワーズから4つ目のファウルを獲得。千葉はエドワーズ、そしてスミスをベンチに下げざるを得なくなった。
今村は3クォーターだけで3つの貴重なファウルを奪う。派手な3ポイントよりも、もっともっと貴重な3つのファウルを、チャンピオンの千葉から奪い取ったのだ。
桶谷HCのゲームプランである執拗なインサイドアタックが、ボディーブローのようにチャンピオンのリズムを蝕んでいく。
3クォーター終了時スコアは 64−50 で千葉が14点リード。勝負の潮目が動き始めた。