『プレイメイカー』アレン・ダーラムの活躍でキングス快勝 琉球ゴールデンキングス vs レバンガ北海道 GAME1

2022年12月24日(土)、琉球ゴールデンキングスvsレバンガ北海道GAME1が沖縄アリーナで開催された。

キングスは前節アウェー三河戦で連勝が7でストップ。三河に対して96失点を許した敗戦後、キングス桶谷HCは「自分たちのディフェンスを再構築する必要がある」と語り、ホームでの再出発を誓っていた。

 

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『プレイメイカー』アレン・ダーラム

キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。

対する北海道のスターティングメンバーは、#0 橋本 竜馬、#12 ブロック・モータム、#11 桜井 良太、#7 中野 司、#5 アレックス・マーフィー。

 

北海道は元キングスの橋本 竜馬を中心に試合開始直後から強度の高いディフェンスを見せ、キングスは24秒バイオレーションを取られてしまう。

 

だがキングスは#7 アレン・ダーラムが1クォーターだけで11得点とオフェンスで活躍、1クォーターを22-15とキングス7点リードで終える。

 

さらに2クォーターもダーラムがキングスオフェンスを引っ張る。ダーラムは自らボールを運び、効果的にパスを散らし、自分のドライブコースが開けば一気にゴールへアタックして得点。

 

桶谷HCは、今季のダーラムには『プレイメイカー』という役割を与えている。「ダーラムがボールを持った時、相手ディフェンスはすごく収縮する。そこからボールをインサイドアウト(中外と散らす)事ですごく守りにくくなる。彼がキラーパスを狙う必要は無いが、パスを左右に振りながらプレイして欲しいと伝えている。今季の彼はその役割をすごくやろうとしてくれている。今季のチームはダーラムと日本人選手の部分でゲームを作られている」

ダーラムはガードの選手ではないし、彼がずっとボールをコントロールする必要は無い。

しかしダーラムがボールを持った瞬間、5人のディフェンダーは無意識にいつもよりボールに引き付けられ、ディフェンスの陣形に歪みが生じる。その歪みが綻びとなりキングスが優位にゲームを展開する。

ダーラムに求める『プレイメイカー』とは、彼の『引力』をチームで活かすことだ。

 

セカンドユニットは『2番手チーム』じゃない

北海道は得点源であるブロック・モータムのシュートタッチが好調、前半終了時のスコアは40-35とキングス5点リードで折り返す。

しかし後半は終始キングスのペース。特にセカンドユニットとして登場する、コー・フリッピン、松脇 圭志、田代 直希がオフェンス、ディフェンスともに活躍。ベンチから出場した彼らは、この日の得点スタッツこそ高くないものの、プレッシャーディフェンスからアップテンポな攻撃の形をつくり続ける。

 

セカンドユニットの活躍もあり、最終スコアは80-66とキングスが快勝。桶谷HCも「セカンドユニットがゲームを勝たせてくれた」と彼らの活躍を褒め称えた。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/12/24 琉球 VS 北海道 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

試合後の記者会見、桶谷HCはセカンドユニットの貢献度について『プラスマイナス』という数字を用いて説明してくれた。

「プラスマイナスで松脇が+20、コーが+17、田代が+15と非常に高かった。彼らの得点が多いわけではないが、良いディフェンスからの速攻でチームに貢献してくれた。プラスマイナスの数字が物語っている」

 

この『プラスマイナス』という数字、Bリーグ公式の試合スタッツには公開されておらず、チーム関係者と報道陣向けの内部スタッツとして共有されている。プラスマイナスについて簡単に解説すると「その選手がコートにいる時間帯の得点差」となる。つまりその選手がコートにいる時間帯に「チームが勝っているかどうか」を端的に表す数字だ。

桶谷HCはこのプラスマイナスという数字の重要性に、bjリーグでキングス2回目の優勝した頃からずっと注目しているという。「このプラスマイナスという数字は嘘をついたことがない」というほど重要視しているらしい。

 

一般的にバスケットボールでは、試合開始時のスターティングメンバーがそのチームの最も良い選手構成と考えられる。なのでセカンドユニットの選手のプラスマイナスが高いという事は、チーム全体の力が落ちる時間帯が無い、層が厚いチームといえる。

 

その強力なセカンドユニットの一員としてゲームを作るキャプテン田代に、先発としてゲームに出場したいという気持ちは無いのか聞いてみた。

すると田代は「今はこのスタートメンバーがベストかなと思います。今村、小野寺もディフェンスでの貢献度も高い」と率直な気持ちを語ってくれた。

 

だが彼はこうも言った。

「ですが今ぼくはセカンドユニットという名前で出ていますけど、『2番手チーム』とは思っていない。セカンドユニットという表現はあまり好きではないですけど、その時間帯に出ているのでそこを優位に進めたい。あとクロージング、試合の最後に絡めたらいいなと思っている。最後の時間帯にコートに立つことの方が重要だと思っています」

 

セカンドユニットは『2番手チーム』じゃない

負けず嫌いのキャプテンらしいコメント。確かにその通りだ。チーム内でしのぎを削る競争が生まれてこそ、よりチームに活力が生まれて、最後にはアリーナに勝利のビッグフラッグがなびくはずだ。

 

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この記事を書いた人

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