沖縄県高校総体 美来工科『自信・冷静・我慢』で優勝掴む

2022年5月28日(土)から5月31日(火)まで、4日間の日程で『令和4年度 沖縄県高等学校総合体育大会』が開催された。

感染症拡大防止策として無観客開催が続いていたが、今大会は登録メンバーのうち3年生の保護者観戦が可能。入部以降、初めての試合観戦に駆けつけた保護者らは、試合の行方を見守りながら選手と一緒になって一喜一憂。コートの勇姿に惜しみないエールを送っていた。

試合結果は、昨年の高校総体では第1シードながら準優勝に終わった男子・美来工科、女子・西原が、悔しさを糧とした追う側の強さを見せ、見事優勝を果たした。

男子決勝リーグの結果は以下の通り。

優勝  美来工科 (3勝)

準優勝 豊見城 (2勝1敗)

3位   コザ (1勝2敗)

4位  宜野湾 (3敗)

 

目次

優勝決定戦 豊見城 対 美来工科

豊 見 城 美来工科
59 TOTAL 69
18 1Q 17
13 2Q 18
11 3Q 16
17 4Q 18

 

互いに無敗で勝ち上がって来た両チームの決勝対決は、昨年と同じ顔合わせとなった。県内ナンバーワンの座をめぐるライバル同士、互いに対策を講じ勝負に挑んだ。試合は予想通り拮抗した展開となったが、美来工科が堅守で逃げ切った。

美来工科は豊見城の1対1と3ポイントシュートを警戒し、試合を通してゾーンディフェンスをメインに堅守をキープした。一方、豊見城も#14松田悠之介がディフェンスのスペースを突いて放つミドルシュートや、リング下では合わせの連携プレーで得点を重ねる。1Q終盤では#6中村仙汰がスティールから得点、さらに3ポイントシュートを決め18-17の豊見城1点リードとした。

続く2Qでも#6中村は序盤に3ポイントシュートで流れを呼び込み、さらに速攻の場面でリバウンドを拾いシュートをねじ込むと一気にリードを7点に広げた。その後も豊見城は相手のゾーンディフェンスに対しパスで揺さぶりをかけ、タイミングを合わせ中へ飛びこみボールをつなぎ、ディフェンスローテーションの隙を狙う攻撃を仕掛ける。

しかし美来工科も2Qラスト2分半から7点差を追い上げにかかる。美来工科#0宮里駿太が緩急をつけたドリブルから2本のジャンパーを決めたほか、#5伊禮翔也の3ポイントシュートなどで得点を重ね11-0のランで逆転。豊見城31-35美来工科で前半を折り返す。

後半、豊見城は#6中村のバスケットカウントや#9名城健生、#14松田のペイントアタックで猛然と追い上げた後リードするも、美来工科は#34宇地原佑仁の3ポイントシュートで再逆転、続いてこの試合で最多の18得点を挙げた#58比嘉一竣の活躍で苦しい点差を抜け出す。足のけいれんで一旦ベンチに下がった#66佐渡山楓だったが、再びコートに戻ると試合終了までの2分間の8得点全てを自ら決め、スコアラーとしての存在感を示し、試合に決着をつけた。

 

宇地原尚彦HC(美来工科) 試合後コメント

自分達は勝ってちやほやされた時期もありましたが、小橋川杯(2月)で豊見城さんに決勝で負けて、周りから見向きもされない悔しさを味わいました。練習内容を一から建て直し、選手と共に今日まで努力を続けてきたので、あとは勝ちたい気持ちの強いチームが勝つ、勝って人生変えるぞ、と選手と共に優勝を目指して試合に挑みました。

(優勝決定戦では)もっと早くマンツーマンディフェンスに切り替えたら良かったかもしれないが、ゾーンが効いていたので続けていました。本当はもう少し走る展開にしたくてマンツーマンディフェンスにしたかったんですが、豊見城さんの1対1が強烈なのと、リバウンドも止めようと欲張りな作戦をして、選手はよく頑張ってくれました。追いつかれたらマンツーマンディフェンスに切り替えて、タイミング的に上手くいきました。

3Qと4Qの出だしは豊見城さんが絶対強いから追いつかれた時も焦りはなくて、タイムアウトでは「ここは我慢だぞ、プレッシャーをかけて走って、リバウンドを愚直に絡もう」という事を、もう1回確認しました。本当はカッティングやピック&ロールからのムーブ、ハンドオフからのムーブを使ってもっと全体的にボールを動かして行きたかったんですが、足が止まっちゃっててお互い1対1ばかりになっちゃって。そこは反省点かなと思うんですけど、インターハイの最後はバテてこんなかんじになると分かっていたので、自分達のできる事をやろうと伝えていました。

今日は勝ちましたが、豊見城さんの方がまだまだ上ですよ。

だから今大会のチームの格言として『自信・冷静・我慢』という言葉を掲げました。自分達のやってきたことに自信を持って、自分に自信を持って戦おう、と選手に伝えていました。

チームとしてもっと成長しないといけないと思うので、これからも精進していきます。

 

#58 比嘉一竣(美来工科) 試合後コメント

豊見城戦は苦しい展開になるのは分かっていたので、宇地原先生の言う通りに我慢しながら、4Q残り5分で点差を離せたのは良かったです。それとリバウンド勝負と言われていたので、リバウンドも一生懸命頑張りました。

オフェンスは普段から#66佐渡山選手が抑えられたら、自分が点を取りに行こうと考えています。そうしたらチームものってくるかなと。豊見城戦では1対1で抜いてもすぐにカバーが来たので、そこから#34宇地原選手にパスを出して良いオフェンスが出来ました。

豊見城には小橋川杯(2月)で負けたのがとても悔しくて、走り込みからたくさん練習してきました。選手権でも絶対に勝ちたいです。

全国大会に向けて、チームとしては3ポイントシュートをもっと増やしたいです。

自分では1対1を強化して豊見城の#14松田選手のように、周りを活かせるパスを出せる選手になりたいです。

全国ベスト8に入りたいので、ここからまた頑張ります。

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この記事を書いた人

沖縄県生まれ北谷町育ち。バスケットボールと共に育ちました。
これからは皆さんとともに、
We enjoy FIBA BASKETBALL WORLD CUP2023!!
バスケのある風景をどこでも追いかけます。

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