2試合連続の90得点越えでキングス連勝 琉球ゴールデンキングス vs 京都ハンナリーズ GAME2 [2024.12.29]

12月29日(日)、2024‐25 B1リーグ 第15節 GAME2 琉球ゴールデンキングスと京都ハンナリーズの試合が沖縄アリーナで行われた。

GAME1を勝利して好調のキングスが、前半のリードを守り切ってこの日のGAME2も90‐80で勝利。年の瀬に訪れた8516人のファンに勝利を届けた。

目次

セカンドユニットが流れを引き寄せる

キングスのスターティングメンバーは、#14 岸本 隆一、#34 小野寺 祥太 #18 脇 真大 #4 ヴィック・ロー #45 ジャック・クーリー の5人。

前日のGAME1で下肢のトラブルによりベンチに下がったローも、スターティングメンバーに名を連ねた。

キングスは、クーリーのスティールから脇のペイントアタックで先制するが、京都が3ポイントとインサイドで得点を伸ばしていく。8か月ぶりの復帰となった#3水野 幹太にも得点が生まれ、試合序盤は京都が先行する。

両チームともに強度の高いディフェンスが光る時間が続くが、脇のレイアップが外れたところにローがボールをそのまま叩き込む豪快なプットバックダンクで会場を沸かせた。

 

キングスはベンチから出てきたセカンドユニットの時間帯で流れを引き寄せる。

GAME1は無得点の #12 ケヴェ・アルマがオフェンスリバウンドから得点。強度の高いディフェンスで京都のシュートを落とさせると、続く攻撃でもオフェンスリバウンドから#10 荒川 颯の3ポイントが決まる。

1クォーターの終了間際にも荒川の2本目の3ポイントが決まり流れを引き寄せる。1クォーターは24-19でキングスリード。

第2クォーターは岸本がオフェンスを組み立てる。バランスよくボールを散らしながらコートの流れを活性化させて、タイムアウト明けにはデザインされたオフェンスで自身のオープンを作り3ポイントを決めた。続くオフェンスでもクーリーへのアシスト。

さらに岸本は、ファウルを貰いながら左手でレイアップを放ちバスケットカウントを狙いに行くが、シュートは惜しくも外れてしまう。体勢が崩れてキングスベンチまで流れていった岸本が伊藤とハグするほっこりシーンも。

 

前半残り2分。桶谷ヘッドコーチは、この日初めての「スリービッグ」を起用する。

ローとアルマ、そして帰化選手のアレックス・カークが同時にコートに立つことで、攻守両面でインサイドの優位性を強めていく。

京都はエースである#77 岡田 侑大がファウルトラブルでベンチにいる間、#51 古川 孝敏が11得点と食らいついていくが、好調のキングスはローが14得点、アルマが12得点、チームのターンオーバー1とリズムの良いバスケットを展開。キングスがリードを広げ、56-41で前半を折り返す。

京都の反撃にディフェンス強度を上げるキングス

キングスは、岸本 、小野寺、脇、ロー、クーリー のスターティングメンバーと同じ5人で後半に入る。

脇が3ポイントを沈め、続くオフェンスでも力強いリムランニングからレイアップを成功。さらにクーリーのミドルショットが決まり、この日最大リードの22点差に。

ここから京都が攻勢に出る。キングスの守護神であるクーリーを外へ釣り出してインサイドにスペースを作り得点をデザイン。

京都オフェンスはクーリーのドロップ(下がりながらのディフェンス)のギャップを突いて、効果的なミドルショットで得点。ファストブレイクでキングスのディフェンスが準備できていない間に得点し、京都がスコアを積み重ねていく。

第3クォーターのラストポゼッションは、京都の#34 澁田 怜音がブザーと同時に3ポイントを決めて、スコアを73‐61まで押し戻して最終クォーターへ。

京都が攻勢を強めた中で始まった第4クォーターは、#47平良 彰吾とカークがチームを引っ張る。

ディフェンスを引き付けた平良が、カークに絶妙なパス。ゴール下でパスを受け取ったカークは京都のC・ジャクソンを交わして豪快なワンハンドダンクを叩き込んだ。

平良は、京都のエース岡田に対して高い位置からプレッシャーをかけて沖縄アリーナを盛り上げた。1対1のシチュエーションでクリーンなディフェンスでシュートを落とさせて、チームのディフェンス強度を引き上げた。

 

シュートが入らない時間帯もありつつ、ディフェンス強度が上がったキングスはローが京都のC・ジャクソンのダンクをブロック。

京都は岡田のインサイドアタックを中心にオフェンスを展開するが、ディフェンス強度が上がったキングスを前に、タフなショットが増えてシュートが落ちる。シュートが落ちてリバウンド争いが激しくなるなかで、キングスは選手全員がリバウンドに絡み、終盤の主導権を渡さない。

前半のリードを守りきったキングスが、最終スコア90‐80で勝利。キングス大忘年会となった第15節の2連戦は、キングスの連勝で幕を閉じた。

 

試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2024/12/29 琉球 VS 京都 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

京都 古川「CSに行くには前半からエナジーが必要」

京都のロイ・ラナHCは、試合後の記者会見で「リバウンドが強い琉球に対してC・ジャクソンはリバウンドでとても大きな貢献をしてくれた。しかし上位チームに勝つためには、チーム全員でもっとリバウンドを取る必要がある。ゲームの中での規律も大切だ。」とコメントしながらも、「しかし今シーズンは序盤戦から上位チームにも勝てることを証明出来ていると思う。やるべき事をやれば、我々はもっと良いチームになれる。」とチームに対して自信をのぞかせている。

この試合チームトップタイの16得点をあげた古川は「CS出場を目指している以上、試合の最初からエナジーを出さないと自分たちで試合を難しくしてしまう。これまで色んなチームでたくさんの経験をさせてもらったので、その経験をみんなに伝えて行くことも自分の役割。」と前半のエナジー不足を反省。

「自分たちは、間違いなくファンに支えられている。それは絶対に忘れちゃいけないし、自分たちを応援してくれる方のためにも良い試合を見せられるように、強く戦い続けます。」と力強くコメントし、2025年の躍進を誓った。

 

桶谷ヘッドコーチ「ロスターが揃ってみんなが全力で戦えている」

試合後の記者会見で桶谷ヘッドコーチは「ロスターが揃った事で、ガードも外国籍選手も、みんなが全力で戦える様になった。オフェンスのリズムが良くなったことで、ディフェンスの良さにも繋がっている。競争意識があるかは分からないですけど、インテンシティ(強度)は間違いなく上がっていますよね。それが出来ていない時に選手が『あっ!』って顔をするようになっている。」と現在のチーム状態の良さを語った。

 

シーズンが始まって3ヶ月の評価を聞かれた桶谷ヘッドコーチは「今シーズンは怪我人が続出する中でみんながマルチな役割をやりながら、よくやってくれた。西地区1位っていうのはプラスに考えていいと思います。ただし(西地区2位の)島根は強豪チームとの対戦がほとんど終わっている状況での2ゲーム差。僕らはこれから上位チームとの対戦が多くなるスケジュールなので、自分たちはもう一個、二個ステップアップしないといけない。」とコメント。今後の強豪チームとの対戦に向けて気を引き締めた。

この試合11得点4アシスト、攻守でチームに貢献した脇は「今日は、チームメイトが作ってくれたチャンスを決めれて良かったです。」とオフェンス面での貢献に安堵しながら、ディフェンスについても

「僕か祥太(小野寺)さんが相手チームのエースにつくことが多いので、コミュニケーションを取りながら、マッチアップを変更したりしています。僕が当たり負けせずに、相手の嫌がることを試合を通してやっていけばチームが有利になると思うので、相手のエースを抑えられるように、しっかりやっていきたい。」とコメント。

 

「自分のやるべき事をしっかりやれば、強いチームにも通用すると感じている。チームのためにしっかりやるべき事をやるっていう気持ちは成長できていると思います。ただやっぱりノーマークの所を決めるって言うのは自分の課題だと思います。そこを決め切れないとチームがきつくなってしまう。開けられても決めるっていうメンタルを早く鍛えたいです。」と自信と手応えを、今後の課題について語った。

キングスはシーズン開幕当初から怪我人が続出しながらも、2024年の最終戦を終えた時点で19勝7敗の西地区首位をキープしている。怪我人が帰ってきて、ようやくロスターが揃ったキングス。完全体となったキングスがこれからどんな戦い方をみせてくれるのか。2025年のキングスに期待せずにいられない。

2025年キングスの初陣は1月4日。 茨城ロボッツ戦が沖縄アリーナにて開催される。

(文:新里樹真、写真:照屋勇人)

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