キングス、EASL4連勝でファイナル4進出! 琉球ゴールデンキングス vs ニュー・タイペイ・キングス [2024.12.25]

12月25日(水) クリスマスの夜にキングスは、元NBA選手のジェレミー・リンや元キングス所属のジェイソン・ウォッシュバーンが所属するニュー・タイペイ・キングスと沖縄アリーナで対戦。

EASLグループB 第4戦となる試合は、キングスが82-74でニュー・タイペイ・キングスに勝利。EASLの予選ラウンドを4連勝で、初のファイナル4進出を決めた。

目次

元NBA ジェレミー・リンに立ち向かうキングス

キングスのスターティングメンバーは、#12 ケヴェ・アルマ、#14 岸本隆一、#15 松脇圭志、#18 脇真大、#45 ジャック・クーリー。

クーリーとウォッシュバーンのジャンプボールでティップオフ。キングスはニュータイペイに先制されるが、すぐにアルマがオフェンスリバウンドから得点に繋げていく。

第1クォーターは岸本が魅せる。振り幅の大きなステップバックスリーをヒットさせると、2本目は、鋭いドリブルでディフェンスを困惑させて転倒させる「アンクルブレイク」からのスリーが成功。続けてトップからの3ポイントも成功させてキングスにペースを持ってきた。

 

第1クォーターの終盤には#3 伊藤 達哉が復帰。続けて第2クォーターからは、#47 平良 彰吾も戦線に復帰となり、ツインガードの起用でキングスにスピード感が生まれる。速い攻撃から派生して、ビッグマンと一緒に攻める「ツーメンゲーム」でリズムを掴んでいくが、元NBA選手のジェレミー・リンの高確率なジャンプショットが決まり、ニュー・タイペイがリード。

前半のラストショット。時間が迫る状況で、松脇が冷静に3ポイントを決め切って前半が終了。岸本の3ポイント4本を含む14得点の活躍で前半を46-38でキングス8点リードで折り返す。

岸本のクラッチスリーでキングスが勝利

後半は、スターティングメンバーと同じ 岸本、松脇、 脇真大、 アルマ、クーリーでスタート。

ニュー・タイペイのエースであるジェレミー・リンには脇がディフェンスにつくが、リンの個人技で得点とアシストを許してしまう。岸本と松脇、キャプテンの#34 小野寺 祥太の3ポイントが当たってキングスが9点差のリードを奪うが、そこからオフェンスが停滞してしまい、第4クォーターを跨いで 0‐10 のランを許し、ニュータイペイにリードを奪われる展開に。

 

嫌な流れで入った最終クォーター。伊藤の左手のスクープショットを皮切りにキングスのオフェンスに流れが生まれる。伊藤のゲームコントロールから、脇がドライブでペイントエリアまで進入し、対角の位置から走り込んで来たアルマへ絶妙なパスが通る。アルマのボースハンドダンクが炸裂。

キングスは終盤にクーリー、アルマと帰化選手のアレックス・カークを同時起用する「スリービッグ」でクロージングに入るが、ニュータイペイのスコアラー#55ケニー・マニゴールトがここへきて本領発揮。連続スリーで一気に3点差まで詰めてくる。

それでもキングスは試合終了間際の残り6秒。クラッチタイムに岸本がこの日6本目となる3ポイントを決めて勝利を決定付けた。ファウルゲームで得たフリースローをアルマが冷静に2本決めて82‐74でキングスが勝利。EASL予選ラウンド負けなしの4連勝で、ファイナル4進出が決定した。

試合スタッツ:East Asia Super League, EASL 24-25 Ryukyu Golden Kings vs New Taipei Kings | EASL

 

 

岸本が20得点、アルマがダブルダブルの活躍

キングスは、岸本が20得点3アシスト、アルマが21得点10リバウンドの活躍でチームを勝利に導いた。

岸本は3ポイントが7本中6本成功(85.7%)と大当たり。代名詞のステップバックスリーやココナッツスリー、ラストは試合を決めるクラッチスリーで沖縄アリーナを沸かせた。

 

アルマは攻守両面で活躍。確実にディフェンスリバウンドを取ってニュー・タイペイにペースを渡さない。オフェンスでは、果敢にリングを攻めてスコアを伸ばした。圧巻だったのは第4クォーターのプレー。ペイントエリアに侵入した脇のドライブに合わせて走り込んだアルマは、パスを受けて力強いボースハンドダンクでキングスに勢いをもたらした。

 

高確率で3ポイントを決めた岸本は「EASLで使ってるボールの感触は良かったわけではないが、いいシュートセレクションで打てていた結果かなと思います。リングに弾かれても、そのままシュートが入ったりもしたので。今日、EASLのボールが好きになりました(笑)」と笑顔で語った。

キングス ウイング陣の成長

複数のポジションをこなせる選手が多くなってきた近代バスケットボールは、しばしば3つの役割で区別することがある。

ボールを運んだり、ピック&ロールなどでゲームメイクをする役割の「ハンドラー」。身体の大きさを生かしてスクリーンで味方を助けたり、インサイドで活躍を期待される「ビッグマン」。3ポイントやドライブでの打開、そしてディフェンスまで、マルチな役割を任される「ウイング」。

キングスは、昨シーズンまではこのウイングプレーヤーの層が厚かった。しかしシーズンオフ期間中に今村や田代、ハンドラー兼ウイングの牧が抜けた事で、今シーズンはウイングの層が薄くなっていた。

 

それでも、今シーズンのキングスはBリーグ西地区首位、EASLは4戦全勝と好調をキープしている。

ウイングプレーヤーの松脇とルーキーの脇の活躍が、チームの好調を支えているからだ。この日は松脇が3ポイント3本の9得点。脇が5得点と得点でチームを引っ張る事は少ない。それでもコート上で二人とも良いパフォーマンスを見せている。

 

指揮官の桶谷ヘッドコーチは「ジェレミー・リン選手へのマッチアップは誰がやっても難しい。その中で脇は本当にいいチャレンジをしてくれた。終盤にジェレミー・リン選手とマニゴールト選手が一緒に出てきた時に、松脇か脇のどっちをつけるか。そのバリエーションが持てるのはチームとしてプラスになっている。」と両選手の成長に手ごたえを感じている。

ジェレミー・リンも会見でマッチアップした日本人選手について「18番の選手(脇)はサイズがあって腕も長くて、攻めるのに苦労した。それに15番の選手(松脇)はすごく印象に残っている。彼の良い判断のプレーは光っていた。」と、両選手の印象を語った。

 

オフェンス面でも、松脇はこの日3本の3ポイントを決めたように、今シーズンはアウトサイドで効果的なプレーを見せている。今シーズンの松脇は、3ポイントシュート試投数が1試合平均6.7本と岸本(5.8本/試合)を抜いてチームトップ。チーム内の信頼が見て取れる。

脇も果敢な攻めでチームに遂行力を与えている。トランジション(攻守の切り替え)でボールをフロントコートまでプッシュするシーンは、じっくりオフェンスを組み立てる事が多かった昨シーズンまでのキングスになかった部分。EASLという国際大会でも外国籍選手にもひるまずにアタックするマインドも脇の魅力だ。

松脇のコンディションの復調とルーキー脇の成長が、チームに良い影響を与えているのは間違いない。

ファイナル4はキングスにとって未知の領域だが、フィジカルとマインドで外国籍選手に後れをとらない2人のウィングプレーヤーがEASL優勝のカギを握っているかもしれない。

EASLの予選ラウンド第5戦は2025年1月8日(水)、キングスはニュー・タイペイとアウェー(台湾、新荘体育館)で対戦する。

(文:新里樹真、写真:Hamataro、湧川太陽)

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