琉球ゴールデンキングスのレジェンド、アンソニー・マクヘンリー氏の永久欠番セレモニーが12月10日(日) 琉球ゴールデンキングス vs 信州ブレイブウォリアーズの試合後に沖縄アリーナで行われた。
マクヘンリー氏は、琉球ゴールデンキングスにbjリーグ2008-09シーズンからBリーグ2016-17シーズンまでの9シーズンを選手として在籍して、キングスbjリーグ4度の優勝に大きく貢献。2017-18シーズンからは信州ブレイブウォリアーズに移籍して当時B2だった信州をB1昇格に導き、昨季限りで現役を引退。今季からアシスタントコーチとして再びキングスに戻ってきた。
沖縄アリーナのエントランスには、マクヘンリー氏がキングスで積み重ねた歴史を紹介する大型ボードが設置され、多くの人がその功績と共に写真を撮っていた。
試合終了後、マクヘンリー氏の背番号「5」が昨季のB1チャンピオンバナーの隣に掲げられ、沖縄アリーナのクロックは全て「5」となり、キングスの歴史にとって大事なセレモニーが始まった。
この日の主役である偉大なる背番号「5」は、懐かしいBGMと共にセレモニー会場に登場。沖縄アリーナは拍手に包まれた。
まず、キングスを創設期から支え続けマクヘンリー氏をスカウトしたキングスの安永淳一GMが、背番号「5」のユニフォームを手渡した。
そして、懐かしい面々からビデオメッセージが届けられた。
三菱電機コアラーズAC 友利健哉(2007-09)
長崎ヴェルカ 狩俣昌也(2013-14)
香川ファイブアローズ アンドリュー・ランダル(2013-14)
香川ファイブアローズ イバン・ラベネル(2015-16)
ディリオン・スニード(2010-11)
島根スサノオマジック 津山尚大(2014-17)
三遠ネオフェニックス 山内盛久(2011-17)
群馬クレインサンダース 並里成(2011-15)
福井ブローウィンズHC 伊佐勉(2008-17に指揮)
続いてキングスの永久欠番でもある金城茂之氏、ジェフ・ニュートン氏がマクヘンリー氏との思い出を語った。金城氏はbjリーグ時代の苦労、マクヘンリー氏がもたらしたキングスの勝利へのカルチャー、チーム創設2年目での初優勝、信州での活躍に触れ、「この凄い2チーム(琉球と信州)の基盤を作ったのがマック」と感謝を語った。ニュートン氏は「マックは本当のリーダーだった。彼があのチャンピオンバナーをもたらしてくれた」とアリーナに掲げられた数多くのバナーを指差して賞賛した。
そして、いまもキングスで共に戦っている岸本隆一選手、桶谷大ヘッドコーチもマクヘンリー氏との懐かしい思い出を語った。岸本は「ルーキ時代ポイントガードとしてまだまだの僕を、マックはいつも支えてくれた。僕のこれからのキャリアはマックのようになりたい。偉大な人だと感じています」とルーキー時代から生え抜きのベテランとなった今日まで自身に多くの影響を与えてくれた事に感謝した。
桶谷ヘッドコーチはマクヘンリー氏をスカウトした時のエピソードを語った。「ジェフ(ニュートン)が『アトランタに”sleeper(隠れた才能)”がいる。ぜひ会って欲しい』と言うので、アトランタまで木村さん(キングス元社長)、(安永)ジュンさん、僕で会いに行きました。あの時のマックは眼鏡をかけてぽっちゃりしていて『大丈夫かな』と思ったけど(笑)、僕らがアトランタに行かなければ本当にキングスは成り立っていなかったし、この沖縄アリーナも建っていなかったと思います。マックはこれからコーチキャリアを送り、ぜひキングスのヘッドコーチになって欲しい」と最大限の賛辞を送った。
懐かしい面々のスピーチが終わると、コート中央でスポットライトを浴びたマクヘンリー氏は、日本での素晴らしいキャリアを共に歩んでくれた多くの人々の名前をあげて、感謝の気持ちを自身の言葉で語った。キングスの木村元社長、安永GM。信州の片貝雅彦元社長。陰で支えてくれた両球団のスタッフ達。共に戦った歴代のヘッドコーチであるキングスの桶谷氏、遠山 向人氏、伊佐氏、信州の小野寺 龍太郎氏、勝久マイケル氏。数多くのチームメイト達。そして、日本での輝かしいキャリアのきっかけをくれた親友ジェフ・ニュートン。
マックは言った。「僕はスタッツは気にしていなかった。いつもチームメイトの輝く姿が見たかった。一番大事なことは一緒に勝利することです」
マックは支え続けてくれた愛する家族への感謝を伝え、最後に日本のファンへ日本語で感謝を示しスピーチを締めくくった。
マクヘンリー氏が初めて琉球ゴールデンキングスの一員として戦った宜野湾市立体育館での2008年10月11日から、もう15年という長い年月が経ち、アンソニー・マクヘンリーという選手を見た事が無いキングスファンも増えたかもしれない。
しかし、たとえマックの現役時代を知らなくても、この日沖縄アリーナにいた多くの人々は「琉球ゴールデンキングスのカルチャーは偉大なる背番号『5』が築き上げた」と実感したに違いない。