4Q スリービッグに勝負を賭ける
キングスは4Qスタートもスリービッグを継続。小寺、ダーラム、エバンス、岸本、フリッピン。
宇都宮はフォトゥ、フィラー、比江島、渡邉、テーブス。キングスのスリービッグに対して、竹内を下げた布陣でスタート。
4Q残り8:39、エバンスは比江島とのミスマッチを攻め、比江島から3回目のファウルを奪う。フリースローが2本決まり、スコアは56−45。キングスはスリービッグの活躍で11点差まで迫ってきた。
安齋HCは、ここで比江島を下げて遠藤を入れる。
静かなる勝負どころ、キングスはエバンスで愚直にインサイドアタックを重ねる。遠藤にも3回目のファウルをさせる。
4Q残り8:07、安齋HCは遠藤もベンチに下げる。竹内、フィラー、スコットのビッグラインナップに戻して、宇都宮の悪い流れを押し戻そうとする。
ここでキングスは、フリッピンがトップの深い位置から3Pを決める。
56-48とついに8点差。3Q終盤17点差から我慢をしながら、1ケタ差まで戻してきた。
小寺とダーラムでゴール下を死守すると、今村がショットクロックギリギリで3P成功。竹内の上から価値ある一発。
4Q残り6:44、56−51と、キングスはついに宇都宮を射程圏内に捕らえた。
宇都宮もベテランが意地を見せる。竹内がオフェンスリバウンドを奪い、そして自ら左コーナーで3Pを決める。4Q残り5:43、59-51。
ブレックスアリーナの後押しを受けて、宇都宮が息を吹き返すか。
4Q残り5:20、宇都宮が固くゴール下を守る。ショットクロックが無い。小寺だ!バンクショットで3P成功!!!
今シーズン初の3P成功がここでくるか!!!
4Q残り4:54、59-54でオフィシャルタイムアウト。スゴいゲームになってきた。
宇都宮の厳しいディフェンスで、またもやショットクロックが無い状態から、フリッピンが竹内の上からフェイドアウェイジャンパーを決める。4Q残り4:12、61-55。
宇都宮もリバウンドで粘る。スコットがダーラムからオフェンスリバウンドを奪い取り、そのままゴールにねじ込む。
4Q残り2:54、63-56と7点差でキングスがタイムアウト。
キングス桶谷HCはまだスリービッグを継続、小寺、ダーラム、エバンス、今村とフリッピン。
エバンス、ゲイリーのローポストアタックが、固く閉じていた宇都宮のインサイドをこじ開ける。
4Q残り2:03、63−60とついに1ポゼッション差。宇都宮の安齋HCはタイムアウトを取る。
キングス桶谷HCはこのタイムアウト、時間ギリギリまで指示を出す。ここからはベンチワークが勝負を分ける。
痺れる時間帯、小寺がディフェンスで大きな仕事をする。
小寺がスコットのドリブルを後ろからスティール。宇都宮はたまらずファウルで止める。
チームファウルから得たフリースローを、ダーラムが2本しっかり決めて、4Q残り1:48、63-62。宇都宮のリードはたった1点。
追いつかれた宇都宮、エース比江島の個人技がチームを救う。ダーラムと小寺を比江島ステップで抜き去り、右手でレイアップを決める。これぞエース比江島。残り1:25、65-62。3点差。
1ポゼッション差の攻防に、ブレックスアリーナのクラップが大きく響く。
残り0:59、65−62、フリッピンのエンドインバウンズに、比江島が飛びつきボールを奪う。残り1分を切ってキングスは手痛いミス。
直後、宇都宮は比江島とスコットのコンビプレイで、スコットがシュートファウルを獲得。これを決めたら勝負は大きく宇都宮に傾く、大事なフリースローだ。
しかしスコット、このフリースローを2本落としてしまう。4Q残り0:43、65−62。まだ勝負は分からない。
今村のペイントアタックから、エバンスがオフェンスリバウンドを取りゴールへ押し込む。4Q残り0:32、65−64。またもや1点差。
ポゼッションを減らしたい宇都宮は、比江島がドリブルでコントロール。
ヒリヒリする時間帯に集中力を高めるのは、コー・フリッピン。比江島のドリブルの一瞬の隙を突きスティール。そのままルーズボールにダイブ。
レフリーが何度もビデオチェックして辛くも宇都宮ボール。残り0:18、65−64。
キングスは気迫のディフェンスで宇都宮のシュートを外させる。
ディフェンスリバウンドを死守するキングス。そのままフリッピンが一気にゴール下までドライブ。
全速力でゴール下に戻るスコット、フリッピンのシュートに値千金のブロックショット。
残り2.3秒、65−64。まだキングスボール。ミスが続く宇都宮。気持ちを持続出来るか。
ここで桶谷HCは、最後のタイムアウトを取る。宇都宮もチームファウルが5つを超えている状況。
桶谷HC、最後の勝負もスリービッグとフリッピン、今村に賭ける。
安齋HC、比江島を下げて、竹内、フォトゥ、スコット、遠藤、鵤で守り切ろうとする。
残り2.3秒が長く感じるベンチワーク。
ゲーム再開。ベースラインに走り込む今村、フリッピンのインバウンズパスを受けてベースラインジャンパー。
ここでまたしてもスコットの機動力が立ちはだかる。今村へ完璧なブロックショット。ブレックスアリーナがこの日一番の熱気を帯びる。
残り0.9秒、65-64。残り1秒を切る場面、コート上の選手達の目は集中したまま。
プレイが再開。フリッピンがふわりと浮かせたインバウンズパス。
ダーラムは空中でキャッチ、スコットの上からそのままタップショット。コンマ数秒、スローモーションのようにボールがネットに吸い込まれていく。
残り0.2秒、ついに65−66とキングスが逆転。
最後の遠藤のシュートが外れて、キングスが劇的な逆転勝利。
静まり返る完全アウェイのアリーナと、耐え続けて掴んだ勝利に、喜びを爆発させるキングスベンチ。
誰がコートに立ってもキングスのバスケを表現する、今季を象徴するような、大きな大きなアウェイでの勝利だった。
試合後 記者会見
琉球ゴールデンキングス 桶谷HC
宇都宮のディフェンスに対して、前半かなりストレスを与えられていて、自分達がいつも出来るタイミングのプレーが出来ず、一人一人が違う方向を向きながらオフェンスを組み立ててしまった。それが結果的に、2Qは5点しか取れず、自分達で自分達の首を絞めてしまった前半だった。
後半の入りは、ボールムーブしながら、しっかりアドバンテージのある部分から攻めようという意識で、今村のところで起点を作りながらプレー出来ていたので、点差がちょっと開いてはいたんですが、それは良かったかなと思っています。
そして最大17点くらい開いたところからスリービッグに代えて、そこからディフェンスからの速攻、ハーフコートバスケというより、ディフェンスから走り、スペースのある部分を見つけて、しっかりトランジションでアタック出来た。
スリービッグにすると、自分達のスペースはなかなか無いんだけど、でもフォースせずに、ボールムーブメントをちゃんとしながら起点を作り、そこからしっかりペイントアタック出来たり、インサイドアウトのボールが出て、フリッピンや今村のところでシュート打てたかなと思う。
ゲーム通して良いバスケットが出来たわけではないんですけれど、それでもしっかりハーフタイム中に、自分達がやるべきことを明確化して、そこで我慢しながら最後を乗り切れたかなと思います。
最後は、本当にラッキーだと思う。ほぼ宇都宮が勝っていたゲームだと思います。
ただ、それでもちゃんとその運を引き寄せられたのは、選手達が最後までチームメイトを信じて、我慢し続けたところかなという風に思っています。
−−クーリー選手にはプレイタイムの制限はあったのか?
クーリーは今回は制限なしでプレーさせるはずだったんですけれど、スリービッグが上手くいっていたので、今日はスリービックを最後まで引っ張りました。それでクーリーの出番が無かったかなと思っています。
でも、やはり前半も後半も、クーリーを使ったプレイは機能していたので、クーリーがコートにいる時にはもっと使っていかないといけないと思います。
−−今村選手は比江島選手とのタフなディフェンスマッチアップをしつつ、チームの流れが来るまで繋いでくれるオフェンスを決めていた。今日の活躍をどう評価するか?
スリービッグになる前、今村がゲーム繋いでくれて、何とか首の皮一枚繋がっていた。彼がこのゲームを何とかアライブさせるというか、チームを生き残らせてくれたなと思っています。
田代がいなくて、今村と牧が、田代の抜けた分を代役としてやってくれるとは思ってはいた。とはいえ、今村佳太の良い部分が今日は存分に出ていたので、今村佳太は、今村佳太の役割を、このチームでやらせていきたいと思っています。
−−アウェイ連戦前に桶谷HCは「我慢が必要な場面は必ず訪れる。これは強くなる為の『テスト』だ」と仰っていたが、今日の厳しい時間帯でひたすら耐えた選手達に、今日は何点をつけてあげたいですか?
点数ですか(笑)。勝ったから100点とは言いたいんですけど、やっぱりこんな展開になるだろうという予想はあったので、その中でもしっかり全員が、気持ちを切らさなかった。
乗っているプレイヤーも、ベンチで冷静に見てるプレイヤー達が、プレーしている選手達にいい声掛けをしていた。そこがチームにとってすごく大きかったと思うし、それは100点かなと思っています。