第64回全沖縄高校バスケットボール選手権大会の決勝戦が10月23日(土)、宜野座村総合体育館で行われた。
男子決勝は4年連続ウインターカップ出場を目指す豊見城と、昨季の新人戦・小橋川杯で優勝をおさめ、再び王者の座を狙う美来工科の対戦となった。
翼を広げた TEAM PHOENIX
6月に行われたインターハイ県予選決勝では試合巧者の豊見城に敗れ優勝を逃した美来工科であったが、今大会はここまでの試合ですべて3桁のスコアを残し、勝ち上がってきた。
予想通りの接戦となった男子決勝。
結果は、個々の得点力の高さから成る攻撃力で、豊見城を揺さぶり続けた美来工科の勝利。
美来工科は旧称・中部工業時代から数え16年ぶり9度目の優勝を果たし、古豪復活を遂げた。
豊 見 城 | 美 来 工 科 | |
73 | TOTAL | 76 |
16 | 1Q | 15 |
20 | 2Q | 19 |
15 | 3Q | 25 |
22 | 4Q | 17 |
1Q、豊見城の190㎝のセンター、#10津田剛大のポストプレイと#14松田悠之介らフォワード陣の連携プレーを止めたい美来工科は、2-3のゾーンディフェンスで序盤から堅い守り。#10津田にポストでボールが入るとダブルチームで止めに行く。豊見城は内外を使ったパスワークで攻める。美来工科はわずかな点差を追いながら、#11大久保駿矢、#1島袋王鳳が積極的にドライブを仕掛け豊見城の守りを突破する。点差は開かず豊見城16-15美来工科で1Q終了。
2Q開始後、#20喜友名技、#5伊禮翔也の連続3ポイントシュートで逆転した美来工科。豊見城は最大9点のリードを許すが、リバウンドからの速攻で流れを作り、残り2分43秒、#6中村仙汰のダブルクラッチで得点、#11平良一真も体を当てながらリング下を沈め、逆転に成功。勢いに乗るとさらに#6中村の3ポイントシュートで連続加点。豊見城36-34美来工科で2Qを終え、勝負は後半へ。
3Q、豊見城#8松川明世の3ポイントシュート、#14松田のスティールからのレイアップで出だしの勢いは豊見城にあったが、美来工科はキャプテン#1島袋がコートの選手に常に声をかけ続け、落ち着かせていた。#1島袋は続く守備でも粘り、豊見城のボール運びを阻止、8秒バイオレーションを得るとチームを勢いづける。一方、豊見城は#10津田にファウルが重なり交代。流れに乗った美来工科は、#58比嘉一竣がドライブで切り込みフィニッシュまで鮮やかな躍動をみせ、#11大久保、#41玉城宏崇もリング下で加点し、コートの選手全員で内外からリングを射抜いた。
4Q、豊見城51-59美来工科で8点ビハインドの豊見城はこの試合3度目の逆転を狙う。守備やリバウンドを諦めずボールを追いかけ、#11平良が倒れながらも、シュートをねじ込み1点差まで迫る。だが残り時間4分、美来工科1点のリードの場面で、ガラ空きのリング下に飛びんだ#58比嘉がバックハンドでシュートを決め、続いて#5伊禮のコーナースリー、#6上間玖龍がこの試合4本目のスリーポイントを決め、豊見城の追撃を退ける。
試合終了までラスト1分を切ると、トップでボールを操る美来工科#1島袋は自ら1対1の勝負を仕掛ける。緩急のあるドリブルとターンで相手を抜き去り得点すると、雄叫びをあげた。
リードが何度も入れかわる激戦は、美来工科がスピードと合計9本の3ポイントシュートを含む攻撃力で逃げ切り、豊見城73-76美来工科で試合終了となった。