10月27日(日)、琉球ゴールデンキングス vs 広島ドラゴンフライズGAME2が沖縄アリーナで行われ、88-68でキングスが勝利した。前日のGAME1を100-82で勝利していたキングスは、昨季ファイナルで苦杯をなめた広島相手にホームで連勝を飾った。
1Q キングスがスタメン小野寺などの活躍でリード
キングスのスターティングメンバーは、#12 ケヴェ・アルマ、#14 岸本 隆一、#18 脇 真大、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。
広島のスターティングメンバーは、#8 ケリー・ブラックシアー・ジュニア、#12 中村 拓人、#13 ドウェイン・エバンス、#30 山崎 稜、#34 三谷 桂司朗。
キングスは松脇圭志が体調不良で欠場。広島はニック・メイヨが前日のGAME1で負傷して欠場。その影響でどちらもGAME1からスタメンを変更してきた。
キングスは体調不良のため松脇圭志が欠場して、小野寺祥太が今季初スタメン。 広島はニック・メイヨがGAME1に負傷して欠場となり、外国籍2枚での戦いとなる厳しい状況。
先制点は広島、山崎稜の3ポイントとゴール下でのシュートで0-5とリードする。 キングスも岸本のレイアップ、脇真大がカッティングから岸本のパスを受けてゴール下で得点。
さらに岸本のフローターが決まり、キングスはペイントエリアを攻めて6-5と逆転に成功。
広島も山崎がこの日2本目となる3ポイントで逆転するも、脇もコーナー3ポイントですぐさま返しキングスが 9-8とリードする。
この日のキングスはガード陣が積極的にリングへアタック。 左コーナーでパスを受けた小野寺のドライビングレイアップや、脇が山崎をドリブルで攻めて2つ目のファウルを誘ってコートから追い出す。脇はフリースローを2本きっちりと決め、キングスが優勢に試合を進めた。
残り3分32秒、キングスは#47 平良 彰吾と#10 荒川 颯を同時投入。平良のシュートは外れるも、リバウンドを#53 アレックス・カークが拾い得点。アルマは難しい体勢からのシュートと3ポイントを沈め、 1クォーター終了時のスコアは、23-14とキングスがリード。
2Q ローが連続得点でチームを引っ張る
キングスは平良、荒川の2ガードに、アルマ、カーク、そして#4 ヴィック・ローの「スリービッグ」を起用する。しかし、 ガード陣が続けざまにパスをインターセプトされ、スリービッグの利点を活かすことができない。
立て直しを図りたいキングスは、岸本と小野寺のベテラン陣をコートに戻す。するとローがペイントエリアで連続得点。さらに岸本が巧みな個人技からエバンスのディフェンスをかわしてレイアップで得点。小野寺も3ポイントとドライブなど多彩なオフェンスでキングスがリードを保つ。
広島はキングスの硬いディフェンスに苦しみながらも、ブラックシアーのリバウンドからのシュートや山崎の3ポイントなどで食らいつき、2クォーター終了時のスコアは40-32とキングス8点リード。
3Q キングスの若きエース 脇が牙をむく
後半スタート、広島はダブルスクリーンを利用しゴール下へダイブした三谷がシュートを決めて先手を取る。キングスは3ファウルのアルマに代わり、後半スタート起用のローのシュートがエバンスのブロックショットに阻まれ、その後の接触でローも3つ目のファウルを吹かれてしまう。キングスはクーリーとカークの「ツービッグ」でファウルトラブルの局面を乗り切らなければならなくなった。
広島は、中村が2本続けて巧みなステップからのレイアップを決める。さらにエバンスが3ポイントを決め、残り7分30秒にスコア44-43と1点差まで詰め寄る。しかし、広島にアクシデントが起こる。前半からほとんど交代することなくコートに立ち続けたエバンスが限界を迎え、太ももの裏側を手で抑えながらベンチに下がってしまった。
大黒柱エバンスを欠いた広島に対して、キングスの若きエース、脇が牙をむく。脇は中村のファウルを誘いながらジャンプシュートをねじ込む。さらに脇はドライブする岸本に合わせてペイントエリアへ走り込み、キャリアハイ更新となるこの試合14点目のレイアップを決めた。
厳しい状況に追い込まれた広島だが、ディフェンスでは粘り強く耐え忍んだ。 キングスはオフェンスではボールムーブが滞り、ターンオーバーや難しいシュートで得点が伸びない。逆にファウルを犯し、広島にボーナススローを与えてしまう。広島はそのフリースローをきっちりと決めることでなんとか食らいついた。3クォーター終了時のスコアは60-54、キングスは6点リード。
4Q 平良と荒川の2ガードが勝利をつかむ
キングスは、ロー、アルマ、カークの「スリービッグ」に、平良と荒川の2ガードで4クォーターをスタート。
若き日本人コンビがディフェンスからビッグモメンタムを呼び込む。広島の#33 アイラ・ブラウンのコーナー3ポイントが決まり60-57と3点差に詰め寄られるが、キングスはアルマがすぐにスリーポイントを決め返す。
平良はGAME1同様、執拗なボールマンプレッシャーでマッチアップする中村、#10 上澤 俊喜の広島ガード陣のドライブコースを塞ぎ自由を与えない。広島が落としたシュートに荒川が飛び込み、ブラックシアーのルーズボールファウルを誘う。
沖縄アリーナ全体の期待を背負った平良は、コーナーでパスを受けて素早く3ポイントを放ち、ショットクロックブザーと同時に決まる。残り6分47秒で、66-57とキングス9点リードに広がった。
勢いを増したキングスは、カークのバスケットカウント、荒川のドライブからカークへのアリウープなどで一気に広島を引き離す。
スリービッグの一角、ヴィック・ローはディフェンスリバウンドをことごとく回収、そのままフロントコートまでボールを運んでオフェンスをクリエイト。ローは17得点、10リバウンド、5アシストとオールラウンドな活躍を見せた。得点キャリアハイを更新していた脇は、最終的に17得点まで伸ばした。最終スコアは88-68、キングスが20点差をつけて勝利した。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2024/10/27 琉球 VS 広島 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
脇「僕にくれたパスに責任を持ってシュートを決める」
試合後の記者会見で、キングスの桶谷大ヘッドコーチは「広島がGAME1からリバウンドを修正してきて、試合スタートのディフェンスがソフトになってしまった。自分たちがやりたいようなバスケットが出来ない時間帯もあったが、ディフェンスを我慢強くやり続けて最後に自分たちの流れを作ることが出来た」と語った。
「今現在キングスはチーム得点ランキングでも上位だが、誰かが高得点を取るのではなく、平均得点10点台の選手が5人くらいで、分散して得点が取れている。チームで勝利をつかむことを理解していきている」と少しずつチームが成長してきていることを語った。
この試合で得点キャリアハイを更新した脇は、自信を感じさせる表情で試合を振り返った。「自分自身のキャリアハイについて何かを感じたりはしないが、(岸本)隆一さんやビッグマン達が良いパスを僕にくれたので、そのボールは責任を持って得点を決め切らないといけないという気持ちでプレーした。それが自分のキャリアハイにつながったと思います」
10月23日に西地区ライバルの島根スサノオマジックに37点差で敗れたことを振り返り、脇は「(島根には)僕らの試合に対する集中力が足りず敗れてしまった。全員が責任を持って、しっかり自分のプレイを遂行しようと話し合ってホームの広島戦に臨んだ。長いシーズンでは大差で敗れるような試合もあるので、それを次に勝利するための材料にするためにも、やるべきことをやろうと話していました」と語った。
チーム最年少の22歳の脇だが、コート上では物怖じしないプレーとミスをしても下を向かない前向きさでチームを盛り上げている。
「本当に先輩たちから可愛がってもらっていてプレーし易い環境で感謝しかないです。僕も隆一さんや(小野寺)祥太さんから学ばないといけないと思っているので、リスペクトを込めつつ学ばせてもらっています」
キングスの次戦はEASL マカオ・ブラックベアー戦となり、現地10月30日にマカオで対戦する。さらに11月2日、3日にはアウェーで大阪エヴェッサと対戦する。
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