- PHOTO:照屋勇人(OUTNUMBER編集室)
第63回全沖縄高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ沖縄県予選)男子決勝 豊見城VS興南
挑戦者の気持ちで決勝戦へ乗り込んだ豊見城が3連覇 沖縄を制し全国へ
10月18日(日)全沖縄高校バスケットボール選手権大会男子決勝が行われた。ウインターカップ出場への切符を賭けた注目の決勝戦は、7月の総体に続き、昨年と同じ豊見城VS興南のカードとなった。総体覇者の豊見城であるが、190㎝台選手を揃え、破壊力抜群の攻撃力を誇る興南に勝つことは容易なことではない。決戦前のコートは両チームの鬼気迫る空気にあふれていた。試合は両チームともに粘り強く戦い、最終クオーターを迎えても膠着したままの展開となった。最後に流れを掴み、チームワークで本領を発揮し抜け出した豊見城が62対48で興南を破り、全国への切符を手に入れた。
豊見城 | 興南 | |
62 | TOTAL | 48 |
14 | 1Q | 14 |
15 | 2Q | 15 |
16 | 3Q | 15 |
17 | 4Q | 4 |
1Q 豊見城14-14興南
ティップオフで弾かれたボールは両チームコントロールのないまま取り合いになり、ジャンプボールで再開という珍しい場面に、両チームのこの試合へかける執念が現れていた。最初にボールを保持した豊見城は、#14松田がドリブルアタックをするがフィニッシュを阻まれる。興南は先制のチャンスだが、24秒クロックの間際に苦しいシュートを打たされチャンスをものにできない。豊見城はガード#7渡久地のドライブから#10津田へのバウンズパスが通り2点を先取。興南は#4名城の3ポイントで取り返す。豊見城は#4知念の3ポイントや#7渡久地を起点にオフェンスを展開、興南は#8平良のドライブや#5宮城のスリーポイントなどで応戦し、互いに譲らず14-14の同点で1Qを終える。
2Q 豊見城15-15興南
豊見城は#4知念がジャンプシュートを決めれば、興南は#7大城のスリーポイントで返す。互いに速攻を警戒し、ハーフコートマンツーマンでの守りあいの様相の中、豊見城はセカンドチャンスから#4知念がスリーポイント、ファストブレークから#14松田のレイアップで連続得点を決める。対する興南も#4名城の3ポイント、#7大城がレイアップを決め同点にする。互いに攻め手を欠き、膠着した展開のまま29-29の同点で前半終了。
3Q 豊見城16-15興南
高さのある興南に対し豊見城はコートを広く使い、ペネトレイトと合わせのコンビネーションでゴールを狙う。興南は#12許田のアウトサイドシュートや#5宮城、#9奥浜のペイントアタックで攻める。どちらも流れを渡すまいと1点を争う攻防が続くなか、豊見城はハーフの3-2ゾーンディフェンスを交えながら、オフェンスでは興南の粘り強いディフェンスに手を焼きながらもエース#7渡久地がタフショットを決め先手を取る。また渡久地のシュートが外れたところを#14松田がタップシュートでねじ込み3点差とするも、すぐさま興南#9奥浜がリバウンドからゴール下を決め返し、45-44と豊見城が1点リードして最終クオーターへ。
4Q 豊見城17-4興南
4Q開始直後、豊見城は2ー3ゾーンディフェンスの隙をついた興南は#12許田がコーナーから逆転の3ポイントが決まり2点リードする。豊見城はシュートが決まらず苦しい時間帯を迎えるが、この時を待っていたかのように#14松田がチームに活力を与える。効果的な働きをしていた興南#12許田に対してドライブを仕掛け4つ目のファールを誘うと、自ら攻撃の起点となりマークマンを引きつけては、ペイント内の#9上地にパスを通し、逆サイドのゴール下で#10津田が合わせると、美しいコンビネーションを演出する。マンツーマンディフェンスに戻した豊見城はプレッシャーを強める。さらに松田はベースラインをアタックし、巧みなステップからヘルプディフェンスを引きつけると華麗なノールックパスを通し#9上地がゴール下を決める。直後のディフェンスでは、興南#9奥浜のドリブルを#4知念がスナップ、こぼれたボールを拾った#14松田は勢いよくドリブルで駆け上がると興南はたまらずファールで止める。フリースローを2本確実に決めると、キャプテン知念がコーナーからの3ポイントで続き7点差に。さらに右45度から松田がジャンプシュートを決めると9点差に。興南はタイムアウトで流れを断ち切ろうとするも、一度火のついた豊見城の勢いは誰にも止めることはできない。興南を一気に突き放した豊見城が62-48で勝利し、3年連続3回目のウインターカップ出場を決めた。