キングスが開幕2連勝スタート 琉球ゴールデンキングス vs 宇都宮ブレックス GAME2

(文、写真:湧川太陽、写真:tomo)

10月2日(日)、沖縄アリーナで行われた琉球ゴールデンキングスvs宇都宮ブレックスGAME2。前日のGAME1は81−52でキングスが快勝。昨季ファイナルの悔しい敗戦の借りを返した。

しかし昨季王者の宇都宮がこのまま終わるとは思えない。宇都宮のエース比江島慎もGAME1後の記者会見では「熱量の高い沖縄アリーナの独特な雰囲気のなか戸惑いもあった。明日はこの雰囲気を楽しめるくらいになりたい。」と雪辱を誓っていた。

互いの手の内を見せ合い、本当の実力が試されるGAME2。

 

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厳しい守備で試合の主導権を奪うキングス

キングスのスタメンは、#4 コー・フリッピン、#7 アレン・ダーラム、#24 田代直希、#30 今村佳太、#45 ジャック・クーリー 。

宇都宮のスタメンは、#6比江島慎、#9遠藤祐亮、#18鵤誠司、#40ジョシュ・スコット、#42アイザック・フォトゥ。互いにGAME1と同じスタメンだ。

 

この日もキングスが先手を取る。今村のペリメーターショットで先制点を奪うと、強度の高いディフェンスで宇都宮のターンオーバーを誘発する。

宇都宮は比江島にボールを集めるも、今村、田代の厳しいプレッシャーを受けて簡単にシュートを打たせてもらえない。1クォーター残り4:53、宇都宮は早くも4つ目のターンオーバーを犯し、そこからジョシュ・ダンカンがファストブレイクに走りダンクを決める。スコア 11−2 とキングスが9点リードした場面で、宇都宮の佐々HCはタイムアウトを取る。

 

キングスは攻撃の手を緩めない。GAME1勝利の立役者となったフリッピンが宇都宮の鵤をドライブで抜き去りレイアップを決め、ディフェンスでも松脇がオフェンスファウルを奪って、沖縄アリーナの観客を沸かせる。

 

1クォーターのスコアは22−6でキングスが16点リード。宇都宮オフェンスをインテンシティ高く守り切ったキングスが試合の主導権を握る。

2クォーターもキングスは攻撃のリズムをキープし続け、前半終了時のスコアは 41−20 でキングスが21点リード。しかし宇都宮も冷静さを取り戻しつつあった。その証拠に、宇都宮は1クォーターだけで9つもターンオーバーを犯したが、2クォーターのターンオーバーは0。昨季王者は全く試合を諦めていない。

 

我慢を積み重ねて、迫り来る王者

3クォーター、宇都宮はオールコートの2−2−1ゾーンディフェンスを敷く。圧力高くボールを奪いにくるディフェンスではなく、じわりじわりと相手を罠に追い込むようなゾーンディフェンス。

宇都宮の我慢強いディフェンスに、キングスのボール運びに迷いが生じ、少しずつプレイの歯車が狂い始める。キングスは3クォーターの中盤でチームファウルが5個を超え、3クォーター終了時点で個人ファウルの数はダンカンが4個、今村、岸本が3個。

3クォーター終了時のスコアは63−46、点差こそ前半終了時の21点差が17点差になっただけだが、前半とは明らかに何かが違う。何かが起こりそうな予感を沖縄アリーナの観客も感じ始めていた。

 

我慢し続けた宇都宮が、4クォーター冒頭、ついに大きな試合の流れを掴む。

キングスのディフェンススイッチのミスから、元キングスでもある宇都宮の喜多川がコーナーでフリーになり3ポイントを決める。さらに遠藤、マブンガも連続して3ポイントを沈める。4クォーター残り8:36で、スコア63−55と8点差。我慢に我慢を重ねた昨季王者がついに牙を見せ始めた。

完全に宇都宮のリズムの中、キングスはターンオーバーが続くが、必死のディフェンスで踏みとどまる。キングスも宇都宮も集中力が高まる最終盤。互いにルーズボールに追いかける姿に、沖縄アリーナの観客からも拍手が起こる。

 

残り2:10、キングスのエース今村が決定的な仕事をする。わずか一瞬開けたドライブレーンを見逃さず、一直線に加速すると、フォトゥとスコットを振り切りゴールに捩じ込んだ。79−64と再び15点差に突き放す。

 

エースの流れを変える一撃で再び集中力を取り戻したキングスが、そのまま試合を逃げ切った。最終スコアは85−70でキングスが15点差で勝利した。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2022/10/02 琉球 VS 宇都宮 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

宇都宮は開幕2連敗となってしまったが、決して昨季王者の力が衰えたわけではない。

4クォーターの連続3ポイントで試合の流れを掴んだ宇都宮だったが、その直後にキングスより先にタイムアウトを取っていた。通常タイムアウトは試合の流れを変える為に使われるもので、流れを掴んだ側が自分からタイムアウトで試合を止める事は滅多にない。

試合後の記者会見で佐々HCにその事を質問すると、「確かにあのような状況でタイムアウトを取る事は僕もやった事が無かったが、今は試合の流れより(チームの)連動性を大事にしたかった。クォーターを挟みつつオフェンスを一つ一つ確認しながらプレイしていたので、タイムアウトを取って『やれているぞ』と選手たちに伝えて自信を持たせたかった」と説明してくれた。

昨季王者の宇都宮といえど、ヘッドコーチが安齋氏から佐々氏に代わり、新たなチーム造りの最中なのだ。

 

2018-19シーズン途中までキングスをヘッドコーチとして率いた佐々氏には、キングスのキャプテンである田代直希も率直な言葉で感謝を口にした。「ディフェンスが出来ない選手だった僕にディフェンスを叩き込んでくれたのが佐々さん。僕のバスケットボールに対する価値観の大半は、佐々さんの哲学に影響を受けているし、一緒にバスケットボールを出来た事に感謝している。」

 

佐々宜央が率いる宇都宮ブレックス。今季もし再戦があるとすればプレーオフの舞台だ。2連勝したとはいえ、キングスが優勝する為に超えるべき大きな壁となる存在には変わらない。

 

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この記事を書いた人

地元で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023に貢献するべく奮闘中!
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