キングス、韓国KBLの昌原LG Sakersに快勝 琉球ゴールデンキングス vs 昌原LG Sakers プレシーズンGAME1 [2024.09.22]

9月22日(日)、琉球ゴールデンキングスは韓国KBLの昌原(チャンウォン)LG SakersとプレシーズンゲームGAME1を戦い、キングスが勝利した。

キングスは直前の福井ブローウィンズとのプレシーズンゲームで2連勝。セカンドユニット含めチームの完成度も徐々に上がってきた。

昌原LG Sakersには昨季途中までキングスに在籍した#33 カール・タマヨが今季加入。久しぶりに沖縄アリーナに現れたタマヨは、以前のチームメイト達と笑顔で言葉を交わしていた。

リーグ戦開幕が数週間後に迫ってきたキングス。韓国KBLチームを相手にさらにチームの完成度を上げていきたいところだ。

 

目次

1Q スタートを変更したキングス

キングスはスターティングメンバーを変更。#3 伊藤達哉、#12 ケヴェ・アルマ、#15 松脇圭志、#34 小野寺祥太、#45 ジャック・クーリー。

1クォーター、先制点はLGだが、キングスは伊藤がヘジテーションドライブから右コーナーの小野寺にキックアウト。小野寺がしっかり3ポイントを決める。

LGもタマヨが小野寺のドライブを防ぎターンオーバーを奪う。さらにタマヨはゴール下でもアルマへのパスを防ぐ。残り5:48でスコア7-6と、互いにスコアが伸びない展開。

残り5分、キングスはアルマに代えてカーク。クーリーとカークを同時にコートに出すツービッグ布陣。伊藤がその高さのアドバンテージを活かし、クーリーにロブパスを入れて得点を演出。さらに残り3:44、キングスは4人選手を入れ替え、植松、荒川、岸本、脇、カークの布陣。

残り2:50にはトップの位置で岸本が落ち着いて3ポイント。残り1:25には岸本のパスから荒川がトップで3ポイントを決める。さらに脇がドライブで得点。1クォーター終了時のスコアは、21-18でキングス3点リード。

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2Q 速い展開でアリーナを沸かせる新生キングス

キングスは2クォーターのスタートを、#8 植松 義也、#10 荒川 颯、#14 岸本 隆一、#18 脇 真大、#45 ジャック・クーリー。

キングスはクーリー、アルマがペイントエリアで得点。さらに強度の高いディフェンスからアルマがボールを奪うと荒川と脇が速攻で走る。残り7分で28-24とキングスが4点リードとなりタイムアウト。

キングスは伊藤、アルマ、松脇、小野寺、クーリーのラインナップ。残り5;25、小野寺がマークマンを背中に背負いながらレイアップで得点。フロントコートから小野寺がしつこいボールプレッシャーを見せれば、松脇が必死のクローズアウト。シュートが外れて伊藤が素早く前を走るアルマへタッチダウンパス。アルマは空中でファウルを受けつつゴールを捩じ込んだ。速い展開は続き、カークのブロックからファストブレイクを繰り出し、左45度に走りこんできた松脇が3ポイントを決める。

新生キングスらしい激しいディフェンスからの速い攻撃に沖縄アリーナが沸く。39-26とキングス13点リード。

LGはタマヨがカークを振り切りリバースレイアップで得点。さらにタマヨはベースラインで岸本と1on1を挑むもシュートには至らず。松脇のこの日2本目の3ポイントもあり、2クォーターの終了時のスコアは、44-32でキングス12点リード。

 

 

3Q ディフェンスで流れを引き戻す

キングス3クォーターのスタートは、伊藤、アルマ、松脇、脇、クーリー。

キングスはアルマが左45度から3ポイントを撃ち抜くが、タマヨもディフェンスで奮起してキングスから24秒バイオーレーションを奪う。前半とは違いLGの各ポジションでプレッシャーが強くなり、キングスは簡単にボールを回せなくなりミスが続く。残り6:20、47-34でキングスがタイムアウト。

ここでもキングスはディフェンスから流れを引き戻す。伊藤のしつこいボールプレッシャーにアリーナの声援も後押し。伊藤に代わり入った岸本も速い展開を継続。ディフェンスリバウンドを拾うと一気にボールプッシュ。パスを受けた脇は、3ポイントラインからペイントへドライブしてバスケットカウントワンスロー。残り3:47で56-40とキングス16点リード。

残り1:20、ショットクロックが少なくなる中で岸本が1on1から必殺技のステップバック3ポイントを突き刺す。さらにも植松義也も力強い左ドライブから得点を奪う。ラストは荒川が左45度からステップバック3ポイントを決めてブザービーター。3クォーター終了時のスコアは、66-49とキングス17点リード。

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4Q 確率良い3ポイントでキングス快勝

キングス4クォーターのスタートは、植松、荒川、岸本、小野寺、カーク。

互いに強度の高いディフェンスを見せる4クォーター序盤。キングスはセンターのハンドオフパスを起点する”ゲット・アクション”から小野寺がトップで3ポイントを決める。

キングスは右サイドでLGがトラップを仕掛けてきたところを、素早いパスワークでボールを動かし、左コーナーの小野寺が再び3ポイントを決める。

完全にゲームの主導権を握ったキングスは、松脇が左ドリブルからプルアップで3ポイントを決める。松脇はさらにベースラインからもジャンパーを決めて、この試合は4本中3本の3ポイントを決めてチーム日本人トップの13得点を挙げた。

最終スコアは、87-67でキングスが20点差で勝利した。キングスはクーリーがチームトップの14得点さらに登録選手全員が得点を記録した。3ポイントもチーム全体で24本中11本成功して、速い展開から確率良くシュートを決めることができた。

この日11得点の小野寺は、試合後のオンコートマイクで「キャプテンの小野寺です」とはにかんだ笑顔で新チームへの期待を持たせた。

琉球ゴールデンキングス vs 昌原LG Sakers プレシーズンGAME1 琉球ゴールデンキングス スタッツ(速報版)

琉球ゴールデンキングス vs 昌原LG Sakers プレシーズンGAME1 昌原LG Sakers スタッツ(速報版)

「キャプテン小野寺は投票で決めた」

試合後の記者会見で桶谷大ヘッドコーチは「バスケット自体は、プレシーズン最初の頃に比べたらどんどん進化している」とチームの成長を語った。「ターンオーバーとリバウンドの部分はまだ改善が必要」と語ったものの、シーズン開幕への手ごたえを感じさせた。

この日のスターティングメンバーを変更した意図は「今後チームに何かがあった時を考慮して試してみた」と話し、プレシーズン欠場が続いているヴィック・ローに関しても「もし今日出せそうなら出したかった。ただ今の段階でリスクを取る必要もないので、明日も様子を見ながら判断したい」と語った。

この試合チーム全体で45.8%と好調だった3ポイントについては「今季は松脇、小野寺、荒川ともシュートの調子が良い。とくにプルアップ(ドリブルからの流れで放たれるジャンプショット)で3ポイントを打てるようになっている。これがあれば、スクリーンプレーで攻める時に相手ディフェンスに「3ポイントもある」と迷わせることが出来る」と夏の間に選手それぞれが成長してきた事に満足そうな表情をうかべた。

今季のキャプテンに小野寺を選んだことについて聞かれた桶谷ヘッドコーチは「選手の投票で多数決で決めたんですよ。ただ僕は(小野寺)祥太がやるべきだと思ってました。彼は色々な部分で気配り気遣いが出来る人間で、どこかで問題が起こらないように見てくれている。自分方位ではなくチームのためを考えている人間なんで、祥太がキャプテンになって良かったと思っているし、選手たちが祥太に入れたのもそこだと思います」

松脇は「3ポイントも良い調子で決めることが出来たし、ディフェンス面もチームで良さが出た」と順調な手ごたえを感じさせた。

桶谷大ヘッドコーチからもシュート面で期待していると言われたという松脇は「(キャッチ&シュートだけではなく)今季はプルアップでもシュートを打っていく。今はプレシーズンでもあるのでどんどんチャレンジしたい」とチームの得点源になりそうだ。

小野寺は、「試合スタートからディフェンスのインテンシティ(強度)高くプレー出来ていて、課題だったルーズボールへの意識も改善することが出来た」と上向きなチームの状況を語った。

今季からキャプテンとなった小野寺は「僕はもともと皆に自分から声を掛ける性格で、今まで通りコミュニケーションは取れていますね。コミュニケーションを取るのは好きな方なので、それはしっかりこうま継続していこうと思います」今まで通りの笑顔で語った。

今季のプレシーズンでは伊藤とともにベンチから登場する機会の多かったことについては、「伊藤選手はボールプレッシャーがすごく上手いので、僕と一緒になって高い位置から相手オフェンスにプレッシャーをかける事を継続していきたい」と相手チームに嫌がられるディフェンスコンビになりそうな予感だ。

良い面だけではなくチームが悪い流れになった時もキャプテンとしての意識をのぞかせた。「試合の40 分間では、良い時間帯と悪い時間帯の波が出てきます。良い時間帯はチームでプレー出来ているけど、悪い時間帯にコミュニケーション取れなくなったりする。わずかな時間でもハドルを組みコミュニケーション取ることを大事にしていきたい」

小野寺は今季オフェンス面での役割が増えることも予想される。「昨季の僕の役割は、トランジションで前を走る事やスポットでの3ポイントだったけれども、今季はボールハンドラーとしての役割が皆それぞれに求められる。そこでいかにペイントアタックをしてディフェンスのギャップ(隙間)を作り出せるかが大事になってくる」と話し、3ポイントだけでなくドライブで得点を演出する小野寺が見れそうだ。

 

今でも愛されるカール・タマヨ

対戦相手として再び沖縄アリーナに戻ってきたカール・タマヨ。得点こそ4得点だったが、キングス在籍時より積極的にゴールへアタックしてきた。

桶谷ヘッドコーチは「4点も取られちゃった(笑)」と笑いつつ、かつてのチームメイトの成長を称賛した。

「カークやクーリーがいる中でわずかな隙を見てドライブでリムアタックしたり技が増えているなと感じました」

「僕はカール(タマヨ)大好きで、彼が韓国KBLで活躍することを本当に期待しているし、活躍してくれたら自分のことのように嬉しいです」

「たぶんうちの選手たちも皆同じ気持ちだと思うんです。去年までのチームメイトで退団した選手って、少し変な感情を抱いたりすることもあると思うんですが、僕らはカールに対してそんな気持ち全く無くて、とても気持ちの良い対戦だったなと感じました」

元チームメイトだけでなく沖縄アリーナのファンからも大声援を受けたタマヨ。新天地での活躍を期待したい。

 

キングスは9月23日に同じく昌原LG Sakersとプレシーズンゲームを対戦。プレシーズンゲームを終えると、10月5日のレギュラーシーズン開幕にを迎える。

(文:湧川太陽、写真:照屋勇人、Hamataro)

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