CSセミファイナルGame2 琉球ゴールデンキングスvs島根スサノオマジック記者会見

(文:金谷康平多和田ちえみ 写真:湧川太陽)

5月22日(日)、沖縄アリーナで行われたBリーグチャンピオンシップ(CS)セミファイナルGame2 琉球ゴールデンキングスvs島根スサノオマジックは、72 – 70でホームの琉球ゴールデンキングスが勝利、ファイナル進出を決めた。

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ここでは、試合後に行われた記者会見から、琉球ゴールデンキングス 桶谷 大HC、島根スサノオマジック ポール・ヘナレHC、琉球ゴールデンキングス #14 岸本 隆一選手、#13 ドウェイン・エバンス選手、島根スサノオマジック #3 安藤 誓哉選手のコメントを紹介する。

 

目次

琉球ゴールデンキングス 桶谷 大HC

 

——試合の総括

流れが行ったり来たりの試合展開でした。リードされた中でもなんとか踏ん張って、自分たちのやるべき事をやり切って、冷静に一つ一つのポゼッションを繋いで最後しっかり勝負できたのかなと思います。

島根さんもこの試合に懸けるパワーがすごかったですし、昨日以上のプレッシャーを40分間掛けてきたのは敵としてすごいチームだったなと思います。

へナレHCも選手を上手く使う采配も長けていて、すごくいいチームと試合をしていた感じがあります。

今日はお互いに死力を尽くして、試合が終わった最後に(安藤)誓哉が僕の所に来て「桶さんこれ、ファイナルですよ」と言ったその時、泣きそうになって。まだ決勝終わってないけど、そういう風な戦いしたなって思いました。

最後の結果は本当に『団結の力』ですね。ブースターさんに勝たせてもらいました。満員の沖縄アリーナで試合が出来て、本当に感動しました。ここで終わりじゃなくて自分たちの目標はもう1個あるので、勝ち急いだりせずに一つずつ踏みしめながら前に進んでいきたいと思います。

 

——キングスにとって初の準決勝突破、これまで乗り越えた壁にどんな意義がありますか?

それこそが沖縄の力、総合力じゃないかなという風に思いました。沖縄のファンの人たち、メディアさん含めて皆さんの「キングスに勝ってほしい」という気持ちが最後のプットバックに繋がったと思うので、総合力で勝ち取ったファイナルの切符だと思います。

 

——最後の残り11秒のシーンで岸本選手にボールが渡ったのはどういった作戦でしたか?

最後は隆一に託すのと、自分たちのファウルが混んでたので無理にオフェンスリバウンドに行ってファウルをしてしまわない事、AD(アレン・ダーラム)のボールピックという事を確認しました。そこで隆一が正しい判断をしたのが、ボールピックをしようとした時にトラビス選手がかなりタイトな所で多分、トラップを仕掛けようと守っていて、それを避けて隆一が自分(の判断)で行く方向を変えてシュートをちゃんと打った。トラップに引っかかるとシュートも打てなく終わる可能性もあったんですけど。そのリバウンドを、ドゥエインがファウルをしないでちゃんと取ってプットバックに繋がった。

 

——ファイナルの相手は宇都宮ブレックス、ヘッドコーチの安齋HCはよく知っている仲ですがどういった戦いをするか、今感じていることを教えて下さい。

CSに入ってからはほぼ毎日電話している仲で、「最後ファイナルで会えたら最高だね」と話していたら今回現実になった。

宇都宮さんはCSにも強いですし、かなりタイトなディフェンスをしてくる。自分たちがレギュラーシーズンで2回勝ったのはまったく関係なしで、40分間自分たちのやるべき事をやる。

CSはかなりストレスがかかるし、さらに宇都宮さんのディフェンスは一番相手にストレスのかかるディフェンスなので、そこで2つ勝つには何があっても仲間を信じて、自分たちのやるべき事をやり通す力があるか、という事だと思うので選手をそこにフォーカスさせてあげたい。

 

——安藤選手に最初と最後の大事な場面でシュートをやられましたが、それをどうお考えですか?

これが安藤誓哉ですね。僕自身、やっぱり彼はすごいと思います。

 

——12月に宇都宮ブレックスと対戦した時、桶谷さんは「スタッツリーダーになろうとする選手がいっぱいいるけれども自己犠牲を払いながら戦える選手をキングスは求めている」と仰っていた。安齋HCもそう話しているがお互い刺激を受けているのか?またキングスの選手にその精神をどれ位育めましたか?

安齋HCとずっとバスケットボールの話をしていて、ディベートしながらお互いのエッセンスはやっぱり入っていて、似てくるのかなと思いますね。やってるバスケットのコンセプトはすごく似てるのはあって、ファイナルはお互いの消し合いになるのかな。

選手達はみんな我慢もしてくれてチームが勝つための仕事をしてくれたかと思います。

 

——改めてファンの皆さんにメッセージを。

ファイナルに連れて行ってもらったのもキングスのブースターさんの団結の力だと思いますし、今日勝てたのもファンの皆さんの後押しのおかげだと思っているので、東京体育館にもキングスのブースターさんにいっぱい来てもらって沖縄を応援してもらいたい。

 

——新入団記者会見の時に「目指すべきは優勝です」とはっきりと言葉にされていた。bjリーグでキングスを初優勝に導いて、相当な決意を持って来られたと思うが、その時と比べて御自身の気持ちはいかがでしょうか?

bj時代よりも落ち着いてコーチングできるようになったな、という所ですね。15、6年ヘッドコーチしてきていろんな思いをしてきて、キングスでbj時代に優勝させてもらった経験もあるけど、それ以上にいろんな戦いをしてきた事が今、活きてるなと思う。

なのでどういうゲームになっても自分のやるべき事はある程度決まっていて、それを冷静にやる事、それが失敗しようが成功しようが正しい事をずっとやり続ける。選手達にも同じようにそれを求め続ける事を今シーズンはずっと出来ているし、今日もそれが結果に繋がったので、そういった部分でも僕自身がかなり成長したのかな、という風に思います。

選手が替わったらチームが変わりますが、キングスは本当に選手の皆がお互いのことを信じてるんですよね。僕が口添えした訳ではなく、自分たちがこれをやり続けたら絶対に勝てる、とかゴールに近づける、というのを信じて遂行する力があるというのはすごいなと思っています。

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この記事を書いた人

1983年11月5日生。東京都豊島区出身。那覇市在住。母が那覇市出身で2015年に沖縄移住。沖縄バスケットボール情報誌OUTNUMBERゼネラルマネージャー。
中学2年生のウインターカップ(1997年)で、当時圧倒的な強さを誇っていた能代工業を追い詰める北谷高校の勇敢な戦いぶりに衝撃を受け、以来沖縄のバスケットボールを追いかけるようになる。野球やサッカーに並ぶように、バスケットボールのジャーナリズムを発展させていくことを目指し、2018年10月にOUTNUMBERを創刊した。
2020年にはOUTNUMBER WEB、OUTNUMBER YOUTUBEを運用開始した。

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