沖縄アリーナで待ってます 〜第30節 キングスvs三遠ネオフェニックス

この試合は、2010年からキングスがホームコートとしてきた沖縄市体育館で行う最後のホームゲーム。

コロナ禍により直前の3/27、28の千葉ジェッツ戦が中止。並里がコロナ陽性判定により出場不可、小野寺も腰椎椎間板ヘルニアの手術によりシーズンアウト。

三遠もステヴァン・イェロヴァツがケガ、川嶋勇人が体調不良と主力2人を欠く状況での試合だった。

試合は 110−71 でキングスの勝利。

外国籍ビッグマンを欠く三遠がペイントエリアを固める変則的なゾーンディフェンスを敷いてきたが、キングスは3P攻勢で今季最多110得点で圧勝した。

 

 

試合後のヒーローインタビューで、キャプテン田代はbjリーグ時代からのフラッグを指差しながら、今までのホームへの感謝と新しいアリーナへの意気込みを力強く語った。

「この体育館にも、僕たちのプレイがずっと生き続けていくのかなと思います。」

「新しいアリーナに移っても、僕たちがやる事は変わらないんですけど、これからも僕たちのプレイやみなさんの歓声が生き続けてくれるよう、沖縄アリーナで頑張っていきましょう。」

「沖縄アリーナで待ってます!」

 

 

試合後の記者会見では、Bリーグ1年目からキングスに在籍する2選手、岸本と田代が沖縄体育館の思い出と沖縄アリーナへの思いを語ってくれた。

岸本選手 試合後インタビュー

― 今日の快勝について

シーズン通して、プレイの過程の部分を大事にしてきたので、どういう状況においても選手それぞれが自信持ってプレイできている要因なのかなと思うし、結果となって連勝も出来ている。

今日の試合では、三遠も普段通りではないラインナップで、ある程度ヤマを張ったディフェンスをしていました。

でも今日の結果で、僕らは誰かを抑えて勝てるチームではないっていうのを証明できたし、それが僕たちに一番の強みだということも表現できたかなと思います。

 

― 沖縄アリーナへの期待は?

このチームでプレイしてる期間が長い分、他の選手よりも特別な気持ちはあると思います。

本来であれば、キングスが創設した頃からの選手たちも新アリーナという場所でプレイしたかったと思います。

ただ、そういう日の当たらない、負けが続いた中でも応援してくれる方がいたりプレイし続けた選手がいてこそ、新アリーナで僕達がプレイ出来ると思う。

僕も含め沖縄市体育館で戦ってきたメンバーも、出来る事ならやっぱり新アリーナでやりたかっただろうなぁと思いながら。本当いい意味で複雑な気持ちです。

本当に思い出がいっぱいある体育館なので、そういう気持ちだったり思い出を大事にして沖縄アリーナに向かって行けたらいいなと思います。

ここでは作り上げられなかった興奮とか感動とか、人の心に刺さるような事が新アリーナでは待っていると思うので、僕らはより良いパフォーマンスをして皆の期待に応えていけたらと思います。

 

― 沖縄市体育館の思い出をひとつ挙げるとしたら?

本当にいっぱいあるんですけど、個人的な思い出ならプロデビューで初めてプレイしたのは覚えてます。

あとはBリーグ初年度、この1戦に負けたらプレーオフを逃すという試合を最終節に大阪と戦ったんですけど、それに勝って2連勝してプレーオフに行ったゲームがあったんですが、それは強烈に覚えてますね。

勝ち負けもそうですけど、プレイしていて、シュートが入った時の感動とか興奮とか、そういうものを生み出した瞬間、というのはすごく印象深いなぁと思います。

逆に生み出せなかった、プレーオフを逃した試合とかそういうのも結構覚えています。遠山さん(現AC、2012-13のHC)がいた年も覚えてますし、実際その年が僕にとってプロデビューでもあったのでよく覚えています。

本当にたくさんあります。名前を出したい選手も沢山いるし、やっぱり一つというのは本当に難しいですね。

 

― プロ初得点も沖縄市体育館?

はい沖縄市体育館でした。フリースローでした。

 

― 当時一緒に戦ったメンバーも思い出深い?

そうですね。それが一番あるかもしれない。

どんな試合だったかというより、誰とプレイしていたのか、そっちの方が僕には思い出深いです。

ジェフ、マック、(山内)盛久とかもそうですけど、名前を出したらきりがないですが、そういった選手達と沖縄アリーナでやってみたかったなというのは個人的には思います。

ただ、彼らの想いというか、あのコートに立ちたかった選手たちを代表して自分がプレイしてるっていう自覚もあるので、その想いをしっかり背負って沖縄アリーナでプレイするつもりです。

まあ、今から沖縄アリーナに来る選手もいるので、その時は思いっきり舞い上がってもらって空回りして欲しいなと思いますね(笑)

 

― 今日のシュート成功率100%(3P 3/3)には想いがこもっていた?

そうですね、自分自身も思いました。いろんな人の想いがボールに乗っかってくれたんだなと思います。

結構そういう瞬間が多くて、名古屋Dとやったプレーオフで第3戦までいった時、僕のありえないシュートが入ったりして試合に勝ったということもあった。

間違いなく皆さんの応援が、シュートの軌道を変えると思ってます。

新アリーナでも、そんな見えない力、みたいなものに僕らは思いっきり期待しちゃってるので、ぜひとも一緒になって戦って欲しいなと思います。

逆に言うと、その見えない力で相手のシュートもたくさん外させてきたと思う。

僕はそんなスピリチュアルな部分って全然信じないタイプなんですけど、この体育館ではそういうことが起きてたなーって、いま振り返ってもすごく感じています。

 

田代選手 試合後インタビュー

 

ー 沖縄市体育館の思い出は?

初めて来たのが大学4年生のとき、ジェフニュートンの永久欠番セレモニーがある試合でした。

雰囲気がすごい良くて、こんな会場でバスケットやりたいな、すごいなと惚れ込んだ場所で、まずそこが一番最初の思い出でした。

試合としては、やっぱり僕が1年目の時に大阪と最終節でCSをかけて戦う試合で、絶対2連勝しなきゃいけないっていうところで2連勝したこと。

あと2年前くらいの橋本竜馬さんとかがいた時の、あのCSの第3戦までいったことが思い出に残っています。あの時僕は出ていなかったんですけど、ベンチにいてもあれはすごかったですね。

とっても力になりますし、やっぱりファンの声の大きさだったり熱量って沖縄のファンが一番だなって、この体育館は何度も思わせてくれた場所です。

 

ー 沖縄アリーナの印象は?

僕たちが待ち望んでいたものでもありますし、次のステージに行くっていう意味でもアリーナっていうのはすごく特別。

沖縄市体育館は、いろんな人たちが来ていろんな思い出だったり記憶っていうものがあって、僕達がここでプレイしてたことも皆さんの頭の中にも焼き付ていると思うし、多分この体育館にもその記憶がこびり付いてると思うんですよね。

まだ沖縄アリーナは出来たばっかりで、そういう歴史のない建物だから、そういったものをファンの皆さんと一緒に、沖縄の人たちと一緒に、もっと言えばBリーグのファンの方々と一緒に、そういう歴史を積み上げていって、ここは琉球ゴールデンキングスのホームで試合をやっているんだと、徐々にこう根付かせていけたらいいなと思います。

やってきたことは大きく変わらないんですけど、皆と一緒に歴史を作っていきたいなと思っています。

 

ー 試合後スピーチについて

この体育館で歴史を残してきた人たちがいてチームがあるという事は、やっぱり受け継いでいかなきゃいけないと思う。

そういった人たちの努力の上に、今僕たちがプレイできてるってのは絶対忘れちゃいけないという事を感じていたので、そういった意味でも優勝のバナーを見ていると感慨深いなと感じています。

 

ー 話す内容は事前に準備していた?

ぜんぜん何も考えていなくて、今日試合会場にきて、沖縄市体育館は今日で最後なんだって言われて気がついたくらい。

いつものように試合に来てて気がつかなかったけど、もうちょっと考えとけばよかったなあと反省はあります。自分でも途中で何を言っているのか分からなくなっちゃった(笑)

 

ー 沖縄アリーナについて

今までとの環境の差がすごくて、沖縄アリーナは一人の人間が作れるものじゃない、たくさんの人たちが集まって考えながら作ったアリーナ。

沖縄市の協力もすごくありますし、それらがあってこそ僕たちがこのアリーナを使わせてもらえる、プレイができるという事は忘れちゃいけない。

アリーナを使っていて色々な人に感謝しなきゃいけないんだな、と改めて感じました。

 

ー キャプテンとして

自分はそもそもキャプテンっていうキャラじゃなかったので。色々試行錯誤もありましたし、色々トライしてはエラーをしてって繰り返しで。

本当にみんなのおかげで、なんかキャプテンってこういう事なのかな、リーダーシップってこういう事ということなのかな、というのが最近ちょっとずつ掴めてきている。

自分自身にとってのやりがいはすごくありますし、本当にみんなに成長させてもらっているなと感じています。

まだまだキャプテンとして何か影響力があったりという人材ではないですけど、自分なりに全力で取り組んではいます。

 

ありがとう、沖縄市体育館

試合後、キングスのホームゲームとしての役割を終えた沖縄市体育館は、いつも通りの体育館に戻っていった。

センターサークルにいつも居る琉球ゴールデンキングスのロゴも、すでにそこには無かった。

 

ありがとう、沖縄市体育館。

沖縄アリーナで待ってます。

 

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この記事を書いた人

地元で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023に貢献するべく奮闘中!
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