【試合結果】キングス、秋田に終盤に追いつかれ逆転負け B1リーグ第27節【2024.03.23】

3月23日(土)、沖縄アリーナで琉球ゴールデンキングス vs 秋田ノーザンハピネッツ GAME1が行われ、78-81でキングスが敗れた。

前節の大阪エヴェッサ戦を勝利したキングス。レギュラーシーズン連勝中だが、天皇杯決勝の敗戦を乗り越えるためにも慢心は許されない。対する秋田も、チャンピオンシップ進出に望みをつなぐために絶対に負けられない戦いだった。

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キングスのスターティングメンバーは、#4 ヴィック・ロー、#7 アレン・ダーラム、#14 岸本 隆一、#34 小野寺 祥太、#53 アレックス・カーク。

秋田のスターティングメンバーは、#0 スティーブ・ザック、#6 赤穂 雷太、#11 熊谷 航、#15 タナー・ライスナー、#51 古川 孝敏。

 

1クォーター、キングスは岸本、さらに#30 今村 佳太が2本ずつ3ポイントを決めて25-15とリードする。2クォーターもキングスは#10 荒川 颯がスピード感溢れるプレーで6得点を記録。前半終えて42-34とキングス8点リードで折り返す。

 

3クォーター、秋田の反撃が始まる。古川がインサイドにドライブしてキングスディンフェンスが収縮したところに熊谷がトップから3ポイントを決める。その後も秋田は、キングスの弱点となりつつあるカークの守備を突きながら粘り強く攻め、3クォーター残り5:58には50-49と1点差に迫る。その後キングスは#45 ジャック・クーリーがオフェンスリバウンドからの得点などで点差を押し戻し、3クォーター終了時のスコアは64-58とキングス6点リード。

 

4クォーター、秋田はキングスの弱点であるスピードのミスマッチを徹底的に突いてくる。#5 田口 成浩がカールカットからカークを振り切りレイアップを決め、#17 中山 拓哉と#32 ハビエル・カーターとのスクリーンプレーで、ローがスクリーンへの対応でアンダーを選択すると、中山はそれを見逃さずにステップバック3ポイントを決めて残り7:07で67-68と秋田が逆転に成功。その後一進一退の攻防が続くも、秋田はこの日の主役となる熊谷が、残り5分を切った勝負所で7得点を奪う活躍。キングスは残り15秒で78-81と3点となり、同点を狙ったプレーをデザインするも、岸本に入れるパスを中山にカットされてしまいシュートチャンスを逃す。最終スコアは78-81で秋田が対キングス戦4シーズンぶりの勝利をあげた。

試合スタッツ:Bリーグ 2023-24 B1リーグ戦 2024/03/23 琉球 VS 秋田 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

試合後の記者会見でキングスの桶谷大ヘッドコーチは「今の良くない状況の中、チーム全体がゲーム全体の流れで一喜一憂してしまっている。クォーターひとつずつを大事にして、クォーターごとにしっかり1点でも勝つ事が大事。そのためにはディフェンスを怠ってはいけない。そうなると今日のように最後にビッグクォーターを作られてしまう」と1つひとつの得点に対する執着心を反省した。

 

この日の秋田は素晴らしいチャレンジャーマインドでアウェーでの勝利を掴み取った。秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは、一昨季のCSクォーターファイナルで2連敗して以来の沖縄アリーナでのアウェー戦に勝利したことは、チームにとっても大きな事だと語った。

「試合終了後にチームにも言ったんですが、一昨季のCSでは本当に歯が立たなかったのが、今まさにCS進出を争っている状況でこの厳しいアウェーで勝利出来た事はチームにとって大きな価値がある一勝になった。キングスとしっかり競い合えたのは楽しかったし、遠方まで駆けつけてくれたブースターの皆さんの笑顔が弾けていたのは本当に嬉しかった」

 

キングスはBリーグのチャンピオンであり、チャンピオンのホームに乗り込んでくる相手は、強い意志を持ってアップセットを狙ってくる。迎え撃つキングスはチャンピオンとしてのプライドを持って、相手をドミネイト(圧倒する)するくらいの強い意志が欲しい。

桶谷ヘッドコーチは語った。「僕たちは自信を持ってプレーしなくてはいけない。正直、天皇杯決勝が終わって気持ち的な部分がめちゃくちゃ疲れていた。その後の大阪戦も絶対に勝たなくちゃ、いい試合を見せなきゃという準備があって、僕らもそんなアプローチをして、選手たちもそれを理解してくれたと思う。とはいえ精神的な疲れもある。自分たちへの自信をもう一度積み上げる。ダメダメと言うだけではなく、もう一度気持ちの余裕を持ちながら、しっかりと自分たちの出来る事をやりつつチーム力を上げていきたい」

 

この日、10アシストとBリーグキャリアハイを記録したダーラムは、記録達成にもかかわらず自身のシュートが10本中3本成功の8得点に終わった点を反省した。「自分自身のシュートを決める事が出来なかったので、記録達成は運が良かっただけに過ぎない。僕にとってベストなゲームパフォーマンスではなかったし、今はチームの勝利に貢献出来るプレーを続けるしかない。それが僕のプレースタイルだ」

チーム最年長のベテランでもあるダーラムは、チームがもう一度自分たちのバスケットボールに対して自信を取り戻すべきだと語った。

「もちろん他のチームは僕らを打ち倒そうと策を巡らせてくる。その策に対して僕らも敬意を持って対応しなければいけないが、僕らは僕ら自身に目を向けるべきだ。僕らのゲームであるリバウンドを奪わなければいけない。ターンオーバーは僕ら自身に責任がある。互いの手助けが少ないのも僕ら自身に責任がある。僕らにとって今大事なのは、”琉球ゴールデンキングスのバスケットボール”に立ち戻ることだ。それが出来るまでは、他のチーム云々は関係ないんだ」

 

チャンピオンとしての自信と、驕る事なき謙虚さ。相反するようでいて「自分たちのバスケットボールで見ている人たちに感動を与える」という点では実は同じなのかもしれない。レギュラーシーズンは残り16試合。レギュラーシーズンの白星の数が最終目標ではないならば、まだ時間は残されている。

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