2月14日(水)、第99回天皇杯準決勝が沖縄アリーナで開催され、琉球ゴールデンキングスが川崎ブレイブサンダースに98-70で勝利して、2年連続決勝進出を決めた。
昨季B1優勝したキングスは、天皇杯はスーパーシードで準決勝からの登場。昨季の天皇杯決勝では千葉ジェッツに敗れ準優勝に終わった。直前のリーグ戦の記者会見で岸本 隆一は「アタックファースト、受け身にならず自分たちから仕掛けていく」と語っていた。
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1クォーター、キングスは岸本の左45度から3ポイントで先制点を奪う。ヴィック・ロー、アレン・ダーラム、アレックス・カークの「スリービッグ」でスタートしたキングスだが、この日の攻撃はローだけではなく、アレン・ダーラムや今村佳太も交互にハンドラーを務めて、川崎にディフェンスの的を絞らせない。1クォーター途中で川崎はニック・ファジーカスを投入したが、キングスは激しいディフェンスでターンオーバーを奪い、川崎のゾーンディフェンスから再び岸本が3ポイントを決める。ジャック・クーリー、渡邉 飛勇の「ツインタワー」でも川崎のゾーンを攻め立てるキングスは、1クォーター最後には渡邉のアリウープも決まり、24-15で9点リードで1クォーター終了。
2クォーターになっても途中出場の植松 義也や荒川 颯がキングスのディフェンスエナジーをさらに盛り上げる。2クォーター残り5分2秒、ヴィック・ローが右45度から3ポイントを決めて34-17とキングス17点リード。キングスは厳しいディフェンスで川崎に自由を与えず、オフェンスではチーム全員でのボールムーブでノーマークを作り出す。2クォーター終了時のスコアは、45-27でキングス18点リード。
3クォーター、川崎は開始からファジーカスをコートに立たせつつマンツーマンディフェンスに変更する。しかしキングスは川崎ディフェンスの変化にすぐさま対応。ドリブルでペイントエリアにアタックして、そこからのパスでカークのバスケットカウント、今村の連続3ポイントで得点を重ねる。3クォーター終了時のスコアは76-51でキングスが25点リード。
4クォーター前半に川崎も意地を見せ、キングスの不必要なターンオーバーから連続得点を奪う。しかしキングスは牧の連続得点や、植松がバックコートバイオレーションを奪う厳しいディフェンスで再び試合のリズムを取り戻す。キングスはプレー強度を落とさず川崎を苦しめ続け、最終スコアは98-70で28点差でキングスが快勝した。
試合スタッツ:BOXSCORE | 第99回天皇杯・第90回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会
川崎の佐藤ヘッドコーチは「今日はリバウンド勝負だと思っていたがその部分で負けてしまい、オープンショットが決められなかったのが痛かった」を悔しい表情を見せた。「この天皇杯に賭けていたが、バイウィークにしっかり立て直してリーグ戦に臨みたい」と語った。
キングスの桶谷大ヘッドコーチは「会心の出来だった」と勝利を噛み締めた。そして、昨季は目の前で逃してしまった天皇杯というタイトルに賭ける思いを語った。
「チャンスのある時にしかタイトルは獲れないですし、 1つのタイトルを取れば自分たちの人生が変わる。それは自分たちが一番よく知ってる。だからこそやはりこの (天皇杯という)タイトルを必勝で獲りにいきたい。天皇杯はBリーグのチャンピオンシップとまた違った、本当に歴史ある大会だからこそ、そのタイトルをキングスが獲った、沖縄が獲ったぞ。そんな報告できるように頑張りたいなと思います」
この試合で3ポイント3本含む11得点と活躍した牧は、自身のシュートの好調さについても「正直、僕自身は自分のスコアにはこだわっていないので、今日はたまたま僕のところにボールが回ってきて決められただけだと思っています。逆にボールハンドラーの役割の部分で、得点につながる流れやチームとしてのボールムーブを作れる選手になりたいと思っているので、そこはまだまだ課題がいっぱいあると思っています」と反省を口にした。
牧は埼玉県出身で、高校こそ福岡県の福岡大学附属大濠高校だが、中学校までは埼玉県さいたま市で過ごしており、天皇杯決勝の舞台であるさいたまスーパーアリーナは、まさに牧の地元だ。
「地元でバスケットボールをするのは中学生以来なので、いざそうなってみると感慨深いです。でも入れ込み過ぎず、いつも通り自分のやるべき事をやるだけだと思っています。チームとして回ってきたボールを思い切って決めていくだけです」と笑顔を交えつつ語った。
天皇杯決勝は3月16日(土)、さいたまスーパーアリーナで行われる。キングスが優勝すれば球団としても、沖縄のチームとしても天皇杯初優勝となる。牧の笑顔を再び見る事が出来るか。1か月後の決戦が楽しみだ。