キングスとビー・コルセアーズ bj出身チームが沖縄アリーナで天皇杯決勝を争う

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指揮官として沖縄に乗り込む元キングス選手

クラブ初の天皇杯ベスト4に勝ち進んでいる横浜ビー・コルセアーズ。bjリーグ2011-12シーズンに新規参入、翌2012-13シーズンに創設2年目でbjリーグ優勝を達成した彼らも、様々な苦難を乗り越えてここまで成長してきたクラブだ。

 

そして横浜BCのヘッドコーチ 青木 勇人は、琉球ゴールデンキングスがbjリーグ初優勝した2008-09シーズンに選手として在籍した優勝メンバーのひとりだ。

当時すでにバスケットボール選手としてベテランの域にあった青木は、若いチームの中で重要な役割を果たしていた。そして当時のキングスのヘッドコーチは桶谷 大。

青木は、元キングスの選手としては初めて沖縄の地で指揮を執る記念すべきヘッドコーチとなり、そしてbj初優勝ヘッドコーチだった桶谷の対戦相手として沖縄に乗り込んでくる。

bj2008-09シーズン、桶谷HC(中央)の指示に耳を傾ける青木勇人(左端) 写真提供:琉球ゴールデンキングス

 

1月8日(日)の横浜ビー・コルセアーズ vs 琉球ゴールデンキングスGAME2の試合後記者会見で、青木はキングスとの対戦への想いをこのように語ってくれた。

「沖縄、琉球のホームで試合をやれるという事が個人的なモチベーションでした。色々な思いをしてきた場所だと思いますし、今や沖縄アリーナも出来て日本でもトップクラスに盛り上がっている場所だと思います」

 

 

青木が選手として在籍したbjリーグ初期は、キングスを取り巻く環境は今とは大きく異なっていた。そして横浜ビー・コルセアーズも同じような境遇を歩んできたはずだ。

 

青木は、当時の苦労や経験を、彼らしく優しく力強い口調で教えてくれた。

「琉球も横浜も、かなり苦労してこの場所まで成長してきている。クラブとしてずっと応援して下さる方々とこうやって成長してきて、横浜が今この中地区で上を目指せるところまで持ってきた事には感慨深いものがあります」

「僕は琉球が出来て2年目の時に入団したんですが、練習会場も全然違う場所で、本当にみんな苦労していたんですよね。そんな中で少しずつ色々な方の努力があって成長していって、沖縄アリーナが出来て、注目されるチームになっている」

 

「こうやって横浜のチームとしてアウェイに乗り込んで(沖縄で)試合が出来るというのは、本当にバスケットを続けていて良かったなと思いますし、今この横浜で頑張っている皆と一緒に乗り込むというのはすごくやりがいを感じますし、バスケットボール人としての冥利に尽きます」

「その中で、過去に応援して下さった方を応援席で見るのは本当に楽しみにしています。良いバスケットボールを展開して、さらにバスケットボールを盛り上げていければと思っています」

 

 

Bリーグがスタートして7季目。今さらbjリーグとNBLを比べるのは野暮かもしれない。

だが国内最高峰の栄冠だった『オールジャパン』の決勝の舞台を、bjリーグ出身チーム同士が争う。その舞台に挑戦することすら叶わなかった時代から努力してきた多くの人々がいて、沖縄のこの1試合に多くの想いを重ねている。

オールドファンは、心の片隅にほんの少しの古い記憶を持ちつつ、今の熱戦を楽しむはずだ。

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この記事を書いた人

沖縄バスケットボール情報誌アウトナンバー編集部 │ #琉球ゴールデンキングス 試合レポートなら #OUTNUMBER │ 沖縄県U18、U15、ミニバス情報も発信中です

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