近年、運動部活動の変遷とともに全国各地で地域のクラブチームが続々と創設されている。
それぞれの特色ある指導スタイルで各チームが凌ぎを削る中、2022年4月、沖縄に新たな男子クラブチームが誕生した。
チーム名は『Standard』。
創設者である平良監司郎さんは3年前に女子クラブチーム「Swish」を立ち上げ、昨年は沖縄県代表でジュニアウインターカップ全国大会に初出場、3回戦進出という成績を残し旋風を巻き起こした。
新たに男子クラブチーム『Standard』を立ち上げた平良監司郎さんに、チーム創設にまつわるお話や平良さんにご自身についてのお話を伺った。
2022年4月、始動
『Standard』の本格始動は2022年4月1日。
沖縄県南部を活動拠点にしており、選手はおもに那覇南部地区出身のメンバーで構成されている。4月時点は16名でスタート(3年生1人、2年生3人、1年生12人)しているが、中体連後に加入予定の選手も控えている。
スタッフ陣はHC平良監司郎さん、AC宮里勇矢さん、AC金城明樹さん、マネージャー屋良朝也さんの4人でチームを運営する。
「チームを立ち上げるという告知にSNSなどは一切使わず、人伝てだけで広めていたんですがいつの間にか予想以上の選手が希望してくれていて、僕自身すごく驚きました。それで2021年12月にトライアウトを実施しました。人数的に一度では収まらなくて、二度目の開催を予定していました。しかし二度目はコロナ感染拡大の影響で実施できず、非常に残念でしたが中止となりました」
選手側が活動先の選択肢としてより良い環境を追い求め、クラブチームへの期待が高まっている時勢が垣間見える。
チーム創設のきっかけ
平良さんは女子クラブチームSwishのヘッドコーチも務める。昨年は創設2年目で沖縄県女子代表の座を勝ちとりジュニアウインターカップ全国大会出場を決めた。
そんな平良さんがSwishに加えさらに男子チームを創設するきっかけとなったのは教え子たちと、息子の言葉だった。
「末っ子で四男の子が、小学校を卒業するタイミングで進路に悩んでいました。と同時に小学校やオールスター(那覇南地区)で指導していた元教え子達からも同じように、もっと集中してバスケットボールに打ち込みたい、という悩みがあると聞いて。それなら自分が新しくチームを作って指導してみようか、と考えたのがきっかけです。教え子達からの相談もそうですが、我が子も、またお父さんと一緒にバスケットがしたい、と言ってくれたのでそれはとても嬉しかった。僕はバスケットボールに関しては家でも厳しい指導者なので。その言葉でチームを作ろうと決めましたね」
チーム名の由来
チーム名である『Standard』は平良さんが名付けた。
「『Standard』という言葉の意味には「標準」、「基準」という意味があるんです。自分は練習の時から常に意味を考えながら行っていて、それを選手にも問います。どこにスタンダードを置くのか?周りに合わせるのではなく自分達の基準を持ちましょう、という事を意識しています。選手各々のスタンダードを上げ、チームのスタンダードも上げていく。そうやって自分達のスタンダードを自分達で高い所に設定し、自分達のスタンダードを作ろう、そして日常生活でも当たり前の事を当たり前にできる選手を育てよう、という意味で名付けました」