日本代表としてアジアの強豪中国と戦い、キングスでも活躍を見せる#14 岸本隆一。
12月4日(土)のホーム富山戦後の記者会見にて、日本代表の活動で得たものや、現在のチーム状況への自身の向き合い方を語ってくれた。
参考記事:岸本隆一が日本代表としてプレー、14分10得点2スティール | OUTNUMBER WEB
──水曜の天皇杯も含めて、代表から戻ってきて、よりプレイに磨きがかかっていますが、代表で得たものは?
代表での試合は本当に不甲斐ないものでした。
自分のことを応援してくださる方々にとっては、僕の代表デビューになったので、もしかしたら喜んでくれたと思います。
ただ、僕自身としては、いつも以上の危機感と、それと同じぐらいの大きな希望を得てチームに戻ってきたつもりなので、それがここ2試合は良い影響でプレイ出来ているかなと思っています。
──プレイからも余裕や、今まで以上に視野の広がりを感じますが、ご自身でも感じる部分もありますか?
代表の試合を経験させてもらったことで、見ている目線というか、自分の至らなさや、目指したい場所、以前よりもっと良くなりたいという欲求がより強くなってきたと思います。
代表から戻ってきてからは、ハングリー精神のような面を、より強く自分自身でも感じているので、少しでもそれがプレイに反映されるようにプレイしてます。
──日本代表の仲間や、対戦した中国の選手など、刺激になる選手はいましたか?
やっぱり同じポジションの選手は学ぶことも多くて、すごく刺激になりました。
あとは以前一緒にプレーしたチームメイトとも、代表という形でまた同じチームになって、僕自身感じるものもありました。
みんなから刺激を受けて、その中でどう自分を表現するのか、本当に試行錯誤した代表合宿だったと思っています。
──再来年、ワールドカップ本戦が沖縄アリーナで開催されますが、そこに向けての気持ちは?
今はチャンスがあるという状況なので、掴み取って、勝ち取っていきたと思います。
でも、選んでもらうというのは、自分でコントロールできる部分ではないので、表現が合っているか分かりませんが、ハマりにいく、当てにいくというより、今まで自分が積み重ねてきたものや、試合において自分はどういうことを示してきたのか、それをもっともっと表現できればいいと思います。
昨シーズンから今シーズンにかけて、控えから出て試合の流れを見て出場するということが多いので、それを代表でも自分なりに表現できたらいいかなと思ってます。
まあ、意識はしますけれど、当てにいかず、自分自身に自信を持ちながら、今ある状況にベストを尽くすだけかなと思います。
──代表の試合を経験して、岸本選手が今感じている「目指したい場所」とは具体的には?
プレイの部分で言えば、もっともっとペイントにアタックする部分は伸ばしていかなきゃいけないと自分自身は思っています。
その時の状況も色々ですが、代表戦で中国のビックマンが足が動いたので、ペイントまで行ったとしても上で合わされたり、なかなかアドバンテージが取れないなという感覚がありました。
いかに自分がペイントの中に侵入することで、アドバンテージを取れるかという点を、今は考えながらやっています。
一対一だとまだまだ自分の中で良い感覚はないんですけど、アーリーオフェンスの中で早めにボールプッシュしてペイントまで入っていく事は、意識を変えればすぐ出来る事なので、今はそれに取り組んでいます。
あとは、メンタル的な部分で言えば、今まで控えで出場することも多く、試合の流れを見て、チームの雰囲気が悪かったらうまく整えて、逆に良かったら必要以上のことはしない。そんな感覚でいたんですけれど、どういう流れで出ても、まずは自分を表現しなきゃいけないという部分は、代表を経験してより感じた部分です。
そのハングリー精神というものは、引き続き持ち続けていけたらなと思っています。
──代表戦にて、特にディフェンスでターンオーバーを誘発させるようなプレイは、キングスでもよく見られるプレイでした。ご自身ではディフェンス面での活躍をどう評価していますか?
手応えはもちろん感じています。ただ、ファウルが鳴る場面も少なからずあるので、いかにファウルを吹かれずにハードにディフェンスを続けられるか、もう少し僕自身改善していかなければと思います。
ただ、ディフェンスに関してはもっともっと良くなると思いますし、よりサイズの有る相手に対して、どう守っていくか。自分なりに考えてアプローチしていきたいと思います。
──以前連勝中の記者会見で、岸本選手は「いつ何が起きるか分からない」と話していて、その後に怪我人が多く出てしまう状況になってしまいました。これから中盤戦に向かうチームで意識することはありますか?
前回言った事と似たような話になるんですが、予期しないことだったり、トラブルに備えるということが、今は一番必要だと思います。
どうしてもいい流れ、連勝が続いたり、良い内容のゲームが続いたりすると、手放しに上手くいくような気がしてプレイしてしまいがちですが、それでは違う状況になった時に対応出来ず、試合をひっくり返せなかったり、チームとして負けに繋がってしまうと思います。
今は、逆にトラブルに備えて、そういう問題が起きた時に、いち早く対処できるようにとは思っています。
実際、バイウィーク明けで久しぶりのゲームとなると、なかなか普段通りにいかない部分もありますので、水曜日の天皇杯もすごく緊張感を持って望んだつもりです。
これからもトラブルは起きると思うので、それに備えて必要以上に落ち込まず、傷口を浅く済ませられる準備をしていけたらなと思います。
──今後アウェイ戦が多くて、宇都宮戦や渋谷戦があり、肉体的にはきつい12月だと思いますが、今までの経験からどう乗り切るかというのはありますか?
案外アウェイゲームだと、始めから応援が無い状況を知った上で入るので、簡単なゲームではないという心構えで皆が試合に臨めます。その点はシーズン戦っていく上ではいい部分です。
ここから、チームがよりよく成長していくためには、すごく必要な状況なのかなと思ってます。ホームだと、どうしても苦しいときに応援してくれる方だったり、ホームの雰囲気を借りて僕たちはゲームをしています。
アウェイではそれが無い分、自分たち自身にもっと目を向けられる機会になったらいいかなと思います。