第8節 GAME1 故障者続出のキングス、群馬にあと一歩届かず悔しい敗北

11月13日、琉球ゴールデンキングスは沖縄アリーナで群馬クレインサンダースと対戦した。
前節の三河戦は8人のロスターで劇的な逆転勝利。アウェー連戦でも勝ち星を上げ続け、6連勝でホームへ戻ってきた。
今節は#13 ドウェイン・エバンスが復帰したものの、#9 渡邊 飛勇、#24 田代 直希、#34 小野寺 祥太が負傷、#45ジャック・クーリーがウィルス性肝炎でベンチ入りできず、厳しいチームコンディションが続く中での試合となった。

 

目次

20点差からの追い上げを見せるが、僅かに及ばず。

第1クォーター

第1クォーターは群馬のペースで試合が進む。開始早々3ポイントシュートを連続で決める群馬。対するキングスも#3 並里 成、#30 今村 佳太がお返しとばかりに3ポイントシュートを決める。

#4トレイ・ジョーンズが自らアタックするだけでなく、ボールをコントロールしオフェンスをクリエイト。#40 ジャスティン・キーナンを中心とし内外バランスよく得点を決めていく。

一方のキングスは、#7 アレン・ダーラム、#13 ドウェイン・エバンスのミスマッチを徹底的に攻めゴールにねじ込む。

早々に追いつきたいキングスだったが、クォーター終了間際にたて続けに得点を許してしまい、22-35で1クォーターを終えた。

#40 ジャスティン・キーナンはこのクォーターだけで12得点を上げ、群馬の攻撃に勢いをもたらした。

 

第2クォーター

キングスは群馬のトランジションの早い展開に対応できず、苦しい時間帯が続く。

キングスがシュートを決めても、#4トレイ・ジョーンズや#3 マイケル・パーカーへロングパスを通されて、すぐさま返される。

なかなか追いつけない展開が続く中、久しぶりのホームでプレイとなった#4 コー・フリッピンが躍動する。
タイトなディフェンスで相手のターンオーバーを誘い、オフェンスでもゴールへ積極的にアタックを続け得点につなげる。

#4 コー・フリッピンの気迫あふれるプレイを会場のブースターは熱い拍手で讃える。

 

勢いに乗りたいキングスだったが、#13 笠井 康平に連続で3ポイントシュートを決められてしまう。精度の高いシュートに会場からどよめきが起こる。

オフィシャルタイムアウト後、キングスはウイング陣のペイントアタックや、#7 アレン・ダーラム、#13 ドウェイン・エバンスのインサイドで点を重ねる。

一方の群馬は得意とするトランジションオフェンスで得点を量産する。一進一退の攻防が続き、点差は縮まらないまま2クォーター終了。

「1,2クォーターは非常にいいオフェンスができた。」と群馬のHCが試合後に語るように、リーグ屈指の攻撃力を見せつけた群馬。

対するキングスは決してオフェンスが悪かったわけではなかったものの、群馬のゲームプランに乗せられてしまい、イニシアティブを取られてしまう展開となった。

第3クォーター

開始直後、#3 マイケル・パーカーがリバウンドシュートを決める。

その後すぐさま#30 今村 佳太がファウルを受けながら3ポイントシュートを決め返し、フリースローも入れて4点プレイとする。
しかし、この後キングスはインサイドでのシュートがリングに嫌われ、得点が伸びない。逆に群馬にインサイドで点を決められ、さらに#13 笠井 康平の3ポイントシュートが入り、20点差。

この試合最大の点差となったところでキングスのタイムアウト。

タイムアウトあけ、キングスは徹底して#7 アレン・ダーラムのパワープレイで群馬に襲い掛かり、フリースロー含めて5得点連続で奪う。

さらにインサイドに引き付けたところでパスアウトし、#3 並里 成の3ポイントシュートを引き出す。

ディフェンスでは、前半苦しめられたトランジションオフェンスを封じるだけでなく、インサイドでも得点を許さない。

約7分間で4点に抑え、徐々にキングスらしさを取り戻す。

追い上げを見せるキングスに呼応するかのように、ブースターの応援にも熱を帯びてくる。シュートが決まり、ナイスディフェンスでボールを奪うたびに、アリーナの手拍子の音が力強くなっていく。

一桁まで点差を縮め、最終クォーターに勝負をかける。

 

第4クォーター

キングスは積極的に攻め、じわりじわりと追い付きはじめる。

群馬のゾーンディフェンスに対し、#14 岸本 隆一、#4 コー・フリッピンの3ポイントシュートを決め、点差を詰めていく。

残り5:34で#14 岸本 隆一が再び3ポイントシュートを決めついに逆転。この試合最大の盛り上がりを見せ、アリーナは熱狂の渦に包まれる。オフィシャルタイムアウトに入る前に再逆転されるものの、ついに群馬の背中を捉える。

オフィシャルタイムアウト後、キングスはオフェンスでは#13 ドウェイン・エバンスのペイントアタック、#14 岸本 隆一がこのクォーター3本目となる3ポイントシュートを決め、勝利への望みをつなぐ。
最後の追い上げで厳しいディフェンスを仕掛けるも、ファウルをコールされる場面が多くなる。

ブースターが拍手や床を足で踏み鳴らし、群馬のフリースローの妨害を試みるも高確率で沈められる。
さらに#4トレイ・ジョーンズ、#40 ジャスティン・キーナンが終盤も安定してゴールを奪い続ける。
その後も最後まであきらめずに追いかけるキングスだったが、シュートが決まらず。

掴みかけた勝機を逃がす、悔しい敗戦となった。

 

試合後の記者会見で#14 岸本 隆一は#24 田代 直希について以下のように語った。

「僕自身は田代選手の力が必要ですし、コートでプレイしてくれることが一番いいんですけど、そうじゃない時でもチームメイトは彼を頼ることはあると思います。
彼にとって今は色々整理つかない部分もあると思うけど、意味のある期間になってほしいというのが僕の願いです。今後の彼の人生を考えると、チームが勝つとか優勝すること以上に大切なことなのかもしれないし、そういう意味で本当に彼の人生にとって糧になってくれたらいいなと思います」

さらに岸本選手は、厳しいチーム状況でコートに立つことについても語ってくれた。

「今日の試合も思ったのが、プレーしたくてもできない選手がいるっていう事は、それぞれの選手が心にとどめておかなきゃいけない部分だと思います。
彼らがプレイしたいっていう気持ちを背負って、1秒も無駄にせずに責任のあるプレー、振る舞いをずっと続けていかなきゃいけないと思います。それが怪我した選手に限らず、応援している方々に対して僕らができることだと思います」

岸本選手も、田代選手と同様にキングスでキャプテンを務めていた。さらに2020年に潰瘍性大腸炎を発症。
多くの試練や困難に苦しみながらも乗り越えてきた岸本選手だからこそ、今苦しい状況にある田代選手や他の欠場中の選手の気持ちに寄り添えるのだろう。

今季は日本代表候補にも選ばれ、目覚ましい活躍を見せている岸本選手。

チームとブースターに真摯に向き合い、プレーし続ける姿にこれからも目が離せない。

 

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この記事を書いた人

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