沖縄県高校総体 男子決勝リーグ 美来工科対豊見城
美来工科、豊見城ともに2勝で迎えた優勝決定戦 豊見城が3連覇を達成
美来工科 | 沖縄市体育館 | 豊見城 |
66 | TOTAL | 89 |
14 | 1Q | 22 |
7 | 2Q | 15 |
19 | 3Q | 21 |
26 | 4Q | 31 |
6月1日(火)、沖縄県高等学校総合体育大会の最終日、男女の決勝リーグが行われた。新人大会、小橋川杯を制した第1シードの美来工科と、昨年の県総体と選手権大会の覇者であり、ウインターカップ2020を経験した中核メンバーが主体の豊見城の顔合わせとなった。試合は豊見城が立ち上がりから優位に進めた。ポイントカードの#14松田とセンターの津田を中心に、バランスよくボールを廻し内外から効率よく得点を重ねた。美来工科は#1島袋王鳳の連続スティールから#66佐渡山楓のレイアップや#41玉城宏崇の1対1で追いかけるも、試合巧者の豊見城を前に流れを作ることが出来ずにじりじりと点差を広げられ、66対89で豊見城が勝利し、3年連続3回目の優勝を決めた。
嘉陽宗紀ヘッドコーチ(豊見城)のコメント
どの学校も一緒ですが、コロナの影響があって、部活動の時間の制限があったり、みんなで練習ができないなど、そういう中でのチーム作りだったので、どのチームも苦労したと思います。我々もそういうところがあって、周りに感謝しながらできることをやろうと。
「コートを大きく広く使ってバスケットをやらないと全国では勝てない」ということを追求しているんですけど、コロナの中でそこまでは練習できない。だったらペイントエリアの守りだけは、走ってしっかりできるようにする、ここだけに絞って練習するけどいいか?って確認したら、生徒も『それでやります』ということでした。方向性をしっかり確認し合って進めたのが良かったと思います。
ただコロナで濃厚接触者になったりして、部活ができなくなったり、ケガ人が多くてベストのメンバーを組めなかったり、苦しい中だったんですけど、そのなかでも、控えの子たちがチームを支えてくれて、最後までやりきれる体力やチーム全体としての底上げになりました。
Q、テンポが速い美来工科に対し、コントロール(テンポを遅らせているように見えた)していた?
そうですね。常に速いではなくて、メリハリをつける。守った後は速く攻めたり、それがうまくいかないときや、速い攻めが出来ないときにはしっかり5人でバスケットをやる。それがバスケットの基本じゃないかということで、そのメリハリをポイントカードの松田悠之介くんに任せて、彼がチームメイトに声を掛けながら、フロアバランスなどいろいろとチームで作れたと思います。
Q、ウインターカップを経験した選手たちが安定感をみせた?
そうですね。ただ新チームになってのチームとしては、完成度が無いし、控えの子たちの力がまだ上がってきていない。新人大会も小橋川杯も点差自体は離れていないように見えるんですけど、私から見たら(美来工科とは)20点くらいの差があるなということで。それを詰めるためには相当頑張らないといけない。でも、それを全部頑張ることを求めてしまうと難しいので、(やることを)限定して。去年ウインターカップを経験した松田君と津田君が中心になってチームを支えてくれたので、そこが大きかったと思います。
松田君も怪我して1か月くらいプレーできない時期もあったので、それで苦しかったんですけど、その間も他の子たちがいろいろとやってくれました。今日の試合で控えで出てくる子たちが、それぞれ活躍してくれたのは、控えの子たちの力が上がったからかなと思います。
Q、#7中村仙汰選手のディフェンス面での貢献、新しい選手の台頭について
小橋川杯で負けたときに#1島袋君(美来工科)を『あなたが1対1で守るんだよ』と言ってずっと(#7中村選手に対して)声かけをしながらやってきたので、そういう意味ではよくやったかな。ただあの子(美来工科#1島袋君)凄いので、1対1ではやっぱり守れなかった。
キャプテンの子が今回コロナの濃厚接触の影響でいないんですよね。ずっとチームを支えて、ずっと中心になってやってくれていたんで、その子が精神的な支柱だった。それがいなくなって不安だったんですけど、でも物事プラス思考でいかなくてはいけないので、そんな意味では、そんな中で他の子たちがリーダー的な役割をやってくれて、キャプテンもずっと家でビデオでスカウティングをしながらみんなにアドバイスを送ったりして、そういう意味ではチーム一緒になって戦えたことが今回の優勝に繋がっているかと思います。
今回は美来工科さんの#41のセンターがキーだった。そこをどう守るのかという選択で、一番大きい子ではない選手がマッチアップしたところから、たぶんリズムが崩れてきたのかなと思います。美来工科の#1と#41のこのラインをどう崩すのかというのがテーマでした。#7中村君と#11平良一真君がディフェンスをしつこく頑張ってくれました。リバウンドのところも。点を取った子が目立つんですけど、目立たないんですけど地味なところを彼らがしっかり頑張ってくれた。それで残りの3人が良いシュートを打てました。
全国へ向けての取り組むことは?
全国へ向けては、美来工科さんがやっているようにオールコートでバスケットが出来ないとダメなので。やっぱり美来工科さんは最後のスリーポイントなんかはスゴイなぁと思いました。あのようなシュートやドライブを、オールコートに拡がってスペースをとるようなバスケットも出来るようにしないといけないと思います。まだまだボールを持ちすぎたり、留学生がいるようなバスケットになっていたり。そこは相手のいい部分を勉強して、それを身に着けて全国に行けたらなと。
コロナの中で、負けたチームもコロナに感染したら辞退になるというなかで、負けたチームもそこを気にしながらやってきてもらっている。僕らが決勝に勝ち残っているのは、大会運営も含めてそういうことに関してみんなが協力してくれているからであって、だから彼らには自分たちだけが優勝したんではないよ、自分たちだけのものではないよということはお話しました。コロナの中で大会を開いてもらい、みんながそのような意識を持ってやってくれることに感謝しています。
松田悠之介選手(豊見城#14)試合後のコメント
ポイントカード(1番)としてプレーすることがしっくりくるんですか?
興南との試合のときもそうだったんですけど、1番としてコントロールをしながら点を取りにいく。チームが困っているときには自分が得点を取りにいく。この試合では、自分も得点のチャンスを狙っていたんですけど、今まで以上にみんながやってくれたので、一番内容は良いかと思います。
全国大会へ向けて取り組んでいくことは?
こういう試合や、これよりも厳しい試合が全国ではあると思うんですけど、先生のもとで先生に作られるバスケットではなく、自分たちの強みは自分たちがするバスケットなので、そこの精度を高めて、もっとディフェンスの強度を上げていければ全国でも戦えると思います。
コート上でのチームメイトとの頻繁な会話により、コート上の問題をその場で解決していく?
そこで解決してしまわないと、同じことで何回もやられてしまったり、先生のタイムアウトが必要になったりするんですけど、そこでいろいろな角度からの意見があると、気づけていなかったところとかをそれぞれが再認識することができるので、みんなでのミーティングってのは大事にしています。勝つチームって絶対だれかがリードしないといけないくて、リーダーシップには自信があったんで、慌てているときとかリードしているときとかは関係なく、チームとして再認識するようにしています。
チームでバスケットを作りつつ、オフェンスリバウンドに飛び込んだり、ペイントエリアで強さを発揮することは松田選手の強みですか?
外からアタックするのも得意なことですが、美来工科は2線目とか他の人がヘルプに来るのが速くて、そこでどう自分の点数をあげるかといえば、リバウンドだと。
今回キャプテンがコロナの影響で試合に出れていなくて、そこから大会期間中毎日アドバイスをもらっていて、相手にとってイヤなことは、自分のリバウンドだと毎日聞かされていたので、それが試合で体現出来て、自分たちのペースになったと思います。