キングス全員バスケで24点差の快勝 琉球ゴールデンキングス vs 富山グラウジーズ GAME1

(文:湧川太陽、写真:照屋勇人)

2023年2月4日(土)、琉球ゴールデンキングスはホーム沖縄アリーナで富山グラウジーズと対戦した。

キングスは前節のアウェイ群馬戦を2連勝。そしてこの日は#9 渡邉飛勇がインジュアリーリストから抹消されて初めての試合だったが、残念ながら渡邉はベンチ外だった。

対する富山は、大黒柱の#34 ジョシュア・スミス、#5ブライス・ジョンソンが相次いで怪我で離脱して苦しい状況。

久しぶりのホーム戦、キングスは勝利をあげることが出来るか。

 

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安定感ある試合運びを見せるキングス

キングスのスターティングメンバーは、#1 ジョシュ・ダンカン、#14 岸本 隆一、#30 今村 佳太、#45 ジャック・クーリー、#88 牧 隼利。

富山のスターティングメンバーは、#0 小野 龍猛、#2 飴谷 由毅、#8 コーディ・デンプス、#16 松井 啓十郎、#23 ノヴァー・ガドソン。

キングスは前節の群馬戦から引き続き牧がスタメン。桶谷HCはスタメン変更について「牧はスペーシングも含めてバランスを取れるし、ハンドラー役の岸本や今村がターンオーバーが出てきた時に牧をハンドラー役にする意図があった。あとは小野寺が悪いわけではないが、ここ数試合の(試合の)出だしが良くなかったので雰囲気を変えたい意図がありました」と語った。

 

1クォーター、キングスはインサイドのクーリー、ダンカンにボールを集めて富山のインサイドを攻撃。富山はダブルチームを仕掛けてインサイドを守ろうとするが中々止められない。

富山はガドソンの連続3ポイントで食い下がるが、インサイドで優位に立つキングスが試合のペースを掴む。

この日はクーリーが積極的に先頭を走る。206cmのクーリーがファストブレイクの先頭を走ると富山はファウルでしか止められなくなる。

キングスはフリッピン、小野寺がコートに入ると、2−1−2気味のオールコートプレスを仕掛けて富山オフェンスを揺さぶる。オフェンスでもキングスはよくボールが回り、1クォーターだけで7人が得点するバランス良い攻撃を見せる。

 

2クォーターに入っても、キングスはいつもより選手交代を増やしてタイムシェアをしつつ様々なことを試してきた。

植松を入れて外国籍1人のオンザコート1や、田代と牧を同時にコートに立たせて両ウイングでゲームを作る布陣も見せる。

特に田代がボールを触ると、いつものキングスとは違うリズムが生まれる。田代は得点こそ無いものの、2クォーターだけで5アシストを記録する。

 

試合後に桶谷HCが「タイムシェアをしつつ、常にハンドラーを2人置いてゲームコントロールしていた」と語ったように、安定感ある試合運びを見せるキングス。

2クォーターを終えて、54-36でキングス18点リード。

 

 

3クォーター冒頭、キングスはなかなかシュートが入らない時間帯が続くが、クーリーがオフェンスリバウンドを連続で奪い、富山に試合の流れを渡さない。

 

富山はゾーンディフェンスを敷いてくるが、キングスはテンポ良くボールを動かし続けてフリーでシュートを放つ場面が多くなる。桶谷HCも「今日はすごくボールが流れていた。(1月の)川崎戦でゾーンに対してボールが止まる場面が結構あった。今日はゾーンに対してもパスがしっかりと回ってどこで点数取るか、どこでアドバンテージを取るかという皆の判断が早かった」とチーム全体のオフェンスを高く評価した。

 

リズム良いオフェンスを続けるキングスは、今村、フリッピンの3ポイントが決まり始めると点差を最大32点差まで広げる。

 

4クォーターは、#8 植松 義也、#11 松本 礼太の若手コンビも積極的なプレイを見せる。植松はディフェンスで身体を張り、松本はコーナーからの3ポイントで会場を盛り上げる。

 

終始危なげない試合運びをしたキングス。この試合ではベンチ入り12人中11人が得点を記録、さらにアシストも12人中11人が記録。チーム全体のアシスト数は33個まで積み上がり今季チームハイだった。キングスは最終スコア105-81で富山に快勝した。

試合スタッツ:Bリーグ 2022-23 B1リーグ戦 2023/02/04 琉球 VS 富山 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

試合を重ねながらチームとして成長し続けることにフォーカスする

試合後、フリッピンに話を聞く事が出来た。この日のフリッピンは12得点(3P 4/6)、5アシストと活躍。しかし最近のフリッピンはプレイタイムも安定せず、自身のリズムに乗れない苦しい日々が続く。

「プレイタイムは自分自身でコントロール出来るものではないので、コートに出た時には自分自身のやるべき事に集中してプレイしている」と語ったフリッピン。

 

この日はシーズンハイの4本の3ポイントを決めたフリッピン。しかしシューターではないフリッピンを守るために、対戦相手が彼を意図的に3ポイントラインでフリーにして守る場面が増えている。ノンシューターとして守ってくる相手ディフェンスにどうアジャストするか聞いた。

「自身がフリーになればシュートを打ち続けるだけだし、マークが厳しくなればドライブに切り替えたり今日のようにアジャストしていく」とあくまで強気に語るフリッピン。実に彼らしい回答だ。

 

シーズンも後半戦になり、今後プレーオフで勝つ為には必ずフリッピンの爆発力が必要になってくる。

フリッピンは「試合を重ねながらチームとして成長し続けることにフォーカスする。そうする事がチャンピオンシップに繋がるはずだ」と力強く語った。

 

ひとつひとつの試合でチームとして成長し続ける。そう語るフリッピンの瞳はまっすぐ前を向いていた。

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この記事を書いた人

地元で開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023に貢献するべく奮闘中!
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