12月28日(土)、2024‐25 B1リーグ 第15節のGAME1 琉球ゴールデンキングスと京都ハンナリーズの試合が沖縄アリーナで行われた。
2024年最終節のGAME1は、久しぶりにロスターが揃ったキングスが93‐71で京都を破り、年の瀬に訪れた8143人のファンに勝利を届けた。
荒川とローがチームを牽引
キングスのスターティングメンバーは、#4 ヴィック・ロー、#14 岸本 隆一、#18 脇 真大、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリーの5人。
桶谷ヘッドコーチは、前節までスターティングメンバーだった松脇 圭志に代えて、小野寺を起用。京都のエース岡田 侑大に対してキングスのベストディフェンダーをぶつける形で試合に入る。
キングスの先制点は脇。岸本のドライブに合わせて、ペイントエリアに飛び込む得意のブラインドカットから得点。続けて脇がパスの中継役になって、クーリーへアシスト。人とボールが良く動いて、得点を伸ばしていく。
京都は岡田を中心に攻めるが、その岡田が1つ目のファウルで交代。早々にベンチへ下がる事に。交代で入った澁田 怜音がドライブで得点。元キングスの#51 古川 孝敏 も得意のミドルシュートで得点し、京都に試合の流れが傾きかけるが、琉球はタイムアウト後に ケヴェ・アルマとロー、そして帰化選手のアレックス・カークを同時起用する「スリービッグ」で連続得点を生み、流れを渡さない。
#10 荒川 颯 と #15 松脇 圭志の3ポイントで、キングスが1クォータの間に逆転。ラストポゼッションは、荒川が1対1のシチュエーションから、京都のジョーダン・ヒースを抜き去り、ブザーと同時に、レイアップのスコアに成功。21-18で第2クォーターに続く。
#3 伊藤 達哉、荒川 、松脇、#12 ケヴェ・アルマ、カーク の5人で第2クォーターに入ったキングス。京都の連続のオフェンスリバウンドで連続ディフェンスを強いられるが、粘り強くディフェンスで京都のオフェンスを守り切る。
ボールを大きく動かして、見事な連係から荒川がコーナースリーを決める。続くオフェンスでも荒川が連続スリー。前半で早くもキャリアハイに並ぶ荒川の11得点がキングスに流れを持ってくる。
2クォーターの後半は、ローが絶好調。3ポイントと鋭いドライブで京都のディフェンスを破壊。2クォーターだけで12得点2アシスト。ローがコートを支配した。
前半のラストポゼッションは、絶好調の2人が締めくくる。荒川のドライブからローへパスが通り、ローが後方にジャンプしながら難しいショットを決め切って 48‐38で前半終了。
キングスが10点のリードを奪って試合を折り返す。
ロスターが揃ったキングスが躍動
キングスはスターティングメンバーと同じ、岸本、 脇、小野寺、ロー、クーリーの5人で後半に入る。第3クォーター、京都が敷いてきた2-3ゾーンディフェンスに対して、キングスはシームレスなボールムーブメントで打開する。
左右に揺さぶり、ペイントエリアからリズムよくボールが動いたところから、脇が変化を付けてペイントエリアまで進入して、ローの得点をアシスト。クーリーのシンプルなショット、岸本のドライブからフローター、ケヴェ・アルマの絶妙なパスからアレックス・カークのダンク、ドライブでディフェンスを収縮させた後フリーの松脇の3ポイントなど、効果的かつ美しいオフェンスで京都のゾーンディフェンスを攻略した。
ローが下肢を気にして、そのままロッカールームへ下がるトラブルがあったが、ペースを掴んだキングスがリードを広げてスコアを75-58とし、最終クォーターへ。
第4クォーターは、京都の岡田に連続得点を許すシーンもあったが、ディフェンスの強度を保ったキングスが試合を優位に進めていく。
終盤には、ユース育成特別枠の#77 佐取 龍之介がコートイン。強度の高いディフェンスから、佐取がこぼれ球を拾ってレイアップに持ち込み、待望のBリーグキャリア初得点が生まれ、会場が大歓声に包まれた。
最後は、速攻から植松が得点し、93‐71で試合終了。キングス大忘年会となる京都戦GAME1はキングスの勝利となった。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2024/12/28 琉球 VS 京都 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
京都 ロイ・ラナHC「今季の我々はどんなチームにも勝つチャンスがある」
京都のロイ・ラナHCは、試合後の記者会見で「私が京都を指揮して3シーズン目。京都は次のステップに入っている。今日は残念ながら負けてしまったが、今シーズンはどんなチームに対しても勝つチャンスがあると思っている。京都でバスケットボールの熱が起こっているのを感じている。年末にも関わらずアウェーまで応援に駆けつけてくれたファンのためにも明日は勝ちたい」とコメント。今シーズンのチームのパフォーマンスに自信を見せながら、GAME2の勝利を誓った。
この試合チームトップの19得点をあげた京都のエース岡田 侑大は「琉球さんは、絶妙なタイミングでフレッシュな選手にマッチアップを変えてくるから、こっちの体力が削られていくような感じ。それに個人的にはクーリー選手とカーク選手のドロップ(下がりながらのディフェンス)の距離感が絶妙で難しかった。アシスト面でも貢献できるように明日はアジャストする。応援してくれるファンのためにも、明日は絶対勝って年を越せる様にしたい」と、明日の巻き返しに闘志を燃やした。
桶谷ヘッドコーチ「兄さん達が全員頑張って佐取の得点機会を作れた」
荒川はこの試合キャリアハイに並ぶ11得点でチームの勝利に貢献。
自身のパフォーマンスに対して「怪我人が多い中で1番(PG)を経験した事でプレーの幅が増えたが、もっと武器を尖らせていきたい。同時に、遂行力を高めてチームに貢献できるように準備していく。ディフェンスに関しては、京都は岡田選手がエースなので、明日もそこで攻めてくると思う。覚悟を持って強度高く試合にのぞみたい。」とコメント。12月に入って3度目の二桁得点となった荒川は、コートに立っている時のスコア+/-が+20と絶好調だ。
桶谷ヘッドコーチは試合後の記者会見で「怪我人が帰ってきてハンドルできる選手が増えてたので、やりやすくなっている。ケヴェ(アルマ)については、今日は0得点だけど、14リバウンド、4アシスト、+/-が+22。本人は得点したかったみたいだけど(笑)めちゃくちゃ良い仕事をしてくれました」とコメント。
ユース育成特別枠の佐取や、チームの雰囲気に対しても「12人の兄さん達が全員、役割を全うしてくれた。それで最後に佐取のキャリア初得点を取らせてあげることが出来たので、それが今日の試合を表しているんじゃないかな」と表情を緩ませながら、チームの評価を語った。
2024年の最終戦、キングス大忘年会となるGAME2は、29日(日)18時05分から沖縄アリーナで行われる。