ウインターカップ 美来工科 勇敢な戦いを見せるも84対87で惜敗

写真提供:日本バスケットボール協会

取材協力:長嶺真輝(琉球新報)

目次

ウインターカップ2021 1回戦 美来工科(沖縄)対 東海大諏訪(長野)

美来工科(沖縄) 東海大諏訪(長野)
84 TOTAL 87
37 1Q 16
10 2Q 23
21 3Q 19
16 4Q 29

12月24日(金)、Softbankウインターカップ2021(令和3年度第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会)の大会2日目に、沖縄県代表の美来工科が1回戦で、長野県代表の東海大付属諏訪と対戦した。インターハイベスト8に入る強豪を相手に、美来工科は勇敢な戦いをみせる。残り1分までリードするも、最後にかわされ惜しくも84対87で敗れたが、同校としては16年ぶり、ヘッドコーチや選手たちにとっても初めての全国大会で取り組んできた成果を発揮した。

1Q 美来工科が驚異的なスタートダッシュを見せる

最初のポゼッションを得た美来工科は、#1島袋王鳳から#66佐渡山楓へのスカイプレーで先制すると、#11大久保駿矢のスティールからレイアップ、#1島袋のフリースローなどで得点を重ね、開始1分で鮮やかな7-0のランを成功させる。その後も美来工科の勢いは止まらず、佐渡山のオフェンスリバウンドからの得点、島袋の華麗なターンからのレイアップ、#6上間玖龍のスリーポイントでリードを広げた。さらにベンチスタートの#58比嘉一竣、#5伊禮翔也も続いて、シュートを次々と成功させた。美来工科はオールコートでの2-2-1とハーフゾーンを交えると、東海大諏訪は攻めあぐねミスを連発し、このクォーターだけで9つのターンオーバーを記録した。驚異的なロケットスタートを見せた美来工科が37対16とリードした。

2Q 落ち着きを取り戻した東海大諏訪が反撃開始

『出来すぎだと思っていました。(追いつかれることは)想定していた』と宇地原ヘッドコーチ(美来工科)が語るように、東海大諏訪がオフェンスリバウンドからリズムを掴むとアウトサイドシュートが決まりだす。美来工科はシュートミスやターンオーバーが重なり、このクオーターは10点と得点が伸びず、47対39と8点差までリードが縮まる。

3Q 意地と意地がぶつかり合いどちらも譲らず

美来工科ボールでのスローインから、インサイドでのパスが廻りゴール下で合わせた#11大久保が後半最初の得点をあげる。さらに#58比嘉の連続得点、#11大久保のスリーポイントなどで15点差までリードを広げる。東海大諏訪も粘りをみせ、68対58と10点差で最終クオーターへ

 

4Q 圧力を増した東海大諏訪が美来工科を捕らえ、クロスゲームに

追いかける東海大諏訪は、高さを活かしながら、コートを広く使ったスリーポイントとオフェンスリバウンドを拾い、じりじりと点差を縮める。美来工科にとっては我慢の展開が続くが、ついに残り3分で77対77の同点とされ、残り2分を切り77対79と逆転される。それでも#58比嘉の巧みな1対1からレイアップをねじ込み同点とし、さらに相手の手からこぼれたボールを拾った#1島袋が持ち込みアシスト、比嘉のこの試合20点目で81対79と再逆転に成功する。

最終的に勝負の分かれ目となった残り1分17秒、タイムアウト明けに痛恨のターンオーバーで0-6ランを許す

タイムアウト明け残り1分17秒、東海大諏訪はハーフからのスローインを受けた#5石口直が持ち込みレイアップ、シュートは落ちるが#3中川知定真がプットバックし、残り1分8秒で81対81と同点とすると、美来工科に一瞬の綻びが生じる。バックコートでの痛恨のミスから、わずか5秒の間に81対83と逆転を許す。さらに東海大諏訪は#8仁藤優貴がフローターを沈め、残り24秒で4点差に点差を広げた。美来工科は#6上間が意地のスリーポイントで追いすがるも、最後は惜しくも84対87で敗れた。

 

美来工科:宇地原尚彦ヘッドコーチのコメント

対戦相手は身長も大きくて全国的にも有名なんですけど、『自分たちがやってきたことをコートで出そうぜ』ということでゲームに臨みました。こどもたちは100%の力を発揮したと思います。自分たちのバスケットボールをして、リバウンドがんばって、ボックスアウトして、そこから速攻を出すんだ。1対1でやっつけるということです。

1Qに37対16と大量リードを奪ったが、最後に追いつかれたことについてはある程度予想していましたか?

予想していました。最初は出来すぎだと思っていましたので、絶対に追いつかれるから我慢して、追いつかれたときに、我慢してここからどこが勝ちたい気持ちが強いのかという話をしました。想定内でした。

勝負のポイントはどの部分でしたか?

相手にスリーポイントを入れられ続けたところが誤算でした。中を止めにいこうとして、外がフリーになってしまったというのはあります。スピードと外のシュートがあればある程度いい勝負はできると思っていました。

 

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この記事を書いた人

1983年11月5日生。東京都豊島区出身。那覇市在住。母が那覇市出身で2015年に沖縄移住。沖縄バスケットボール情報誌OUTNUMBERゼネラルマネージャー。
中学2年生のウインターカップ(1997年)で、当時圧倒的な強さを誇っていた能代工業を追い詰める北谷高校の勇敢な戦いぶりに衝撃を受け、以来沖縄のバスケットボールを追いかけるようになる。野球やサッカーに並ぶように、バスケットボールのジャーナリズムを発展させていくことを目指し、2018年10月にOUTNUMBERを創刊した。
2020年にはOUTNUMBER WEB、OUTNUMBER YOUTUBEを運用開始した。

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