12月14日(日)、佐賀バルーナーズ vs 琉球ゴールデンキングス GAME2がSAGAアリーナ(佐賀県佐賀市)で行われ、77-102でキングスがアウェー連勝した。
GAME1を勝利したキングスだったが、前半は佐賀の粘り強いディフェンスに苦しみ、わずか5点リードで折り返す接戦となったものの、後半に入るとキングスは完全に覚醒。特に勝負を決定づけたのは第3クォーターの猛攻であり、攻守両面でギアを一段上げたキングスは、佐賀を全く寄せ付けなかった。この勝利の最大の立役者は、新加入の#21 デイミアン・ドットソンだ。彼の爆発的な得点力はチームに新たな攻撃オプションをもたらし、勝利への大きな原動力となった。

第1クォーター:キングス、序盤から主導権を握る (佐賀 17-25 キングス)
試合開始直後から、キングスはインサイドの要である#45 ジャック・クーリーへのボール供給と、#18 脇真大が相手のパスミスを奪ってからの鋭い速攻を起点に得点を重ね、序盤から試合の主導権を握った。クーリーのインサイドでの安定感と、若手の脇が見せたアグレッシブなプレーがかみ合い、幸先の良いスタートを切る。クォーター終盤には佐賀が#23 デイビッド・ダジンスキーの活躍などで追い上げを見せたものの、キングスは落ち着いてリードを保ち、最初の10分を佐賀 17-25 キングス というスコアで終えた。
SAGA BALLOONERS vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2025.12.14]
— OUTNUMBER – okinawa basketball Magazine (@OUTNUMBER_EN) December 14, 2025
Ryukyu's Ryuichi Kishimoto drives to score.pic.twitter.com/GJ2ov6ditE
第2クォーター:佐賀の反撃とキングスの応戦 (佐賀 22-19 キングス)
第2クォーターに入ると、佐賀はディフェンス戦術を変更。ゾーンディフェンスを敷き、キングスのオフェンスリズムを巧みに乱した。オフェンスでは#23 ダジンスキーがチームを牽引し、着実に点差を詰める。この苦しい時間帯にキングスを救ったのが、新加入の#21 デイミアン・ドットソンだった。美しい放物線を描く3ポイントシュートを2本連続で沈め、佐賀に傾きかけた流れを力強く引き戻した。一進一退の攻防の末、このクォーターを19-22とされながらも、ハーフタイムを佐賀 39-44 キングスという僅かなリードで終えた。
SAGA BALLOONERS vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2025.12.14]
— OUTNUMBER – okinawa basketball Magazine (@OUTNUMBER_EN) December 14, 2025
Ryukyu's Damyean Dotson makes a three-point shot.pic.twitter.com/c0wUMEqL9E
第3クォーター:試合の決定打となったキングスの猛攻 (佐賀 19-30 キングス)
このクォーターは、まさに試合のターニングポイントだった。後半開始直後、キングスのキャプテン#34 小野寺祥太が立て続けに2本の3ポイントシュートを沈め、チームに火をつけた。このプレーを合図に、キングスのオフェンスが爆発。#14 岸本隆一が巧みなゲームメイクから3ポイントシュートやアシストを量産し、オフェンスを牽引。さらに、ディフェンスの強度も一段と上がり、激しいプレッシャーで佐賀のミスを誘発。攻守が完璧にかみ合ったキングスは、このクォーターだけで19-30と佐賀を圧倒し、点差を大きく広げ佐賀 58-74 キングスとして最終クォーターへ向かった。
SAGA BALLOONERS vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2025.12.14]
— OUTNUMBER – okinawa basketball Magazine (@OUTNUMBER_EN) December 14, 2025
Ryukyu's Jack Cooley scores a dunk with an assist from Vic Law.pic.twitter.com/hdOMaCLX8p
第4クォーター:盤石の試合運びで100点ゲームを達成 (佐賀 19-28 キングス)
第3クォーターで完全に主導権を握ったキングスは、第4クォーターも盤石の試合運びを見せた。#21 ドットソンがさらに3本の3ポイントシュートを成功させ、その勢いは止まらない。#10 荒川颯をはじめとするベンチメンバーもコート上で躍動し、最後までプレー強度を落とすことなくリードを拡大。最終的には今季屈指のオフェンスパフォーマンスで100点の大台を突破し、佐賀 77-102 キングスというスコアで力の差を見せつけて快勝した。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2025/12/14 佐賀 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
SAGA BALLOONERS vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2025.12.14]
— OUTNUMBER – okinawa basketball Magazine (@OUTNUMBER_EN) December 14, 2025
Ryukyu's Hayate Arakawa scores with a drive.pic.twitter.com/mqMUAsVfUc
主要選手のパフォーマンス
琉球ゴールデンキングス
#21 デイミアン・ドットソン: 本日のMVPに輝いたドットソンは、まさに「ゲームチェンジャー」だった。わずか19分強の出場時間で、6本の3ポイントシュートを成功させ、チームトップの20得点を記録。その驚異的なシューティング能力は、佐賀のゾーンディフェンスを機能不全に陥らせ、キングスのオフェンスに爆発的な勢いをもたらした。彼の存在が、チームの勝利を決定づけたと言っても過言ではない。

#45 ジャック・クーリー & #4 ヴィック・ロー: チームの柱である2人は、この日も攻守にわたり安定感抜群のプレーを披露した。#45 クーリーは13得点、10リバウンドのダブルダブルを達成し、ゴール下を支配。一方、#4 ローは13得点、7リバウンド、7アシストとオールラウンドな活躍でチームを支えた。彼らの存在が、キングスのバスケットボールの強固な基盤となっていることを改めて証明した。


#34 小野寺 祥太 & #14 岸本 隆一: 試合の流れを決定づけたのは、この2人のベテランだった。#34 小野寺は、第3クォーター開始直後に値千金の連続3ポイントシュートを決め、チームの猛攻の口火を切った。続く形で#14 岸本も、同じクォーターで勝負を決定づける3ポイントシュートとアシストを記録。重要な局面でチームを牽引する両選手の勝負強さが際立った。

佐賀バルーナーズ
#23 デイビッド・ダジンスキー: チームは敗れたものの、ダジンスキーの奮闘は目覚ましかった。両チーム通じて最多となる22得点に加え、8リバウンドを記録。最後までキングスのインサイドに果敢にアタックし続け、佐賀のオフェンスを牽引した。
勝敗を分けたキーファクター
第3クォーターのキングスの猛攻とギアチェンジ
この試合最大の勝因は、第3クォーターに見せた圧倒的なパフォーマンスにある。ハーフタイムを挟み、キングスはオフェンスとディフェンスの両面でギアを数段上げた。#34 小野寺と#14 岸本による効果的なアウトサイドシュートがオフェンスを活性化させると同時に、ディフェンスではプレッシャーの強度を格段に高めた。これにより、前半はわずか2個だった佐賀のターンオーバーを後半だけで8個誘発。守備から攻撃への素早い切り替えで一気に試合を決定づけた、見事なギアチェンジだった。

新戦力ドットソンの爆発的な得点力
#21 ドットソンの加入は、キングスに計り知れない戦術的アドバンテージをもたらした。彼が記録した20得点という数字以上に重要なのは、その存在がもたらした相乗効果である。相手ディフェンスは彼の驚異的なシューティング能力を警戒せざるを得ず、ディフェンスラインが外に広がることで、インサイドの#45 クーリーに有利な状況が生まれた。また、他のシューターへのマークも甘くなり、チーム全体のオフェンス効率を飛躍的に向上させた。
チームの総合力を示すベンチ層の厚さ
試合を通して高いプレー強度を維持できたキングスの力の源は、そのベンチ層の厚さにある。この試合、キングスのベンチメンバーが記録した得点は合計56点に達したのに対し、佐賀は25点に留まった。この差は試合終盤になるにつれて顕著となり、キングスが最後まで攻撃の手を緩めなかった一方、佐賀は主力の負担が増大し、後半の失速に繋がった一因となった。まさにチームの総合力で掴んだ勝利であった。

ヘッドコーチ・選手会見の要約
琉球ゴールデンキングス
桶谷 大 HC (キングス)
桶谷ヘッドコーチは、「ボールが回っている時間帯は非常に良いオフェンスができた」とチームの連携を評価。一方で、第2クォーターにボールムーブが停滞し、失速した点を反省点として挙げた。後半については、「良いボールムーブメントとインテンシティの高い守備で流れを掴めた」と述べ、ハーフタイムでの修正が功を奏したことを示唆した。
#21 デイミアン・ドットソン
「チームとして楽しみながら、かつ競争心を持ってプレーできたことが勝利に繋がった」と語った。また、「攻守両面で良い連携が見られた」と述べ、個人の活躍だけでなく、チームとしての一体感が勝利の要因であったことを強調した。
#34 小野寺 祥太
第3クォーターの反撃の狼煙を上げた小野寺は、試合を冷静に分析。「前半はボールムーブが少なく、単発な攻撃に終わってしまった」と課題を指摘。それに対し、「後半は良いカッティングとスペーシングで、チームとして良いオフェンスができた」と述べ、チーム全体での意識の修正が後半の猛攻に繋がったことを明かした。
次戦への展望
この圧勝は、キングスにとって大きな意味を持つ。次戦は水曜日に控える東アジアスーパーリーグ(EASL)のホームゲーム、そして週末には富山グラウジーズとのアウェーゲームが続く過密日程だ。この連勝によって得た確かな手応えと勢いは、このタフなスケジュールを乗り切るための重要な弾みとなるだろう。西地区の上位3チームを猛追するキングスにとって、チームのポテンシャルを改めて証明し、大きな自信を掴む価値ある一戦となった。
(写真提供:琉球ゴールデンキングス、構成・文:湧川太陽)

