キングス、オーバータイムで大阪に勝利 [2025.11.12]

11月12日(水)、琉球ゴールデンキングスは大阪エヴェッサとアウェーで対戦して、オーバータイムの末に86-93でキングスが勝利した。

目次

試合総括

琉球ゴールデンキングスが大阪エヴェッサを下したこの一戦は、試合は序盤から一進一退の攻防が続いたが、キングスが第2、第3クォーターでリードを広げ、一時は11点差をつける。しかし、第4クォーターに大阪が猛反撃を見せ、試合終了間際に同点に追いつき、勝負の行方はオーバータイムへ。ここでキングスは地力の差を見せつけ、攻守にわたり大阪を圧倒。アウェーでの厳しい戦いを制し、今季10勝目となる大きな一勝を手にした。また、10月11日アルバルク東京戦で右手骨折し長期離脱していた#18 脇真大が復帰を果たしたことも、チームにとって大きな追い風となった。

第1クォーター:ハイスコアな立ち上がり、大阪3点リード (26 – 23)

立ち上がりから両チームのオフェンスが好調。大阪は#5 マット・ボンズがこのクォーターだけで11得点を挙げる活躍でチームを牽引。対するキングスも7選手が得点するバランスの取れた攻撃で応戦し、激しい点の取り合いを演じた。クォーター終盤まで互いに譲らず、大阪がわずかに3点のリードを奪い、26-23で最初の10分を終えた。

第2クォーター:クーリーと岸本の活躍で、キングスが逆転 (16 – 24)

試合の流れが大きく動いたのは第2クォーターだった。キングスはディフェンスの強度3を高めるとともに、ベンチメンバーを含めた多彩な攻撃を展開し、大阪を16-24と圧倒。特にクォーター終了間際、#14 岸本隆一がブザービーターとなるスリーポイントシュートを沈め、チームに勢いをもたらした。この一撃でキングスは42-47と逆に5点のリードを持って前半を折り返した。

第3クォーター:キングスが内外から得点を重ねる (18 – 24)

後半に入ってもキングスの勢いは止まらなかった。#45 ジャック・クーリーがインサイドで脅威になることで、キングスは効果的なボールムーブメントを見せる。インサイドでクーリーが力強く得点を重ねることで大阪のディフェンスを収縮させ、岸本が2本、#15松脇圭志が1本のスリーポイントを決める。このクォーターも18-24と大阪を上回り、終了時点でリードをこの日最大となる11点(60-71)まで広げ、勝利を大きく引き寄せたかに見えた。

第4クォーター:木下とパークスジュニアが爆発、大阪が猛追し同点 (22 – 11)

追い詰められた大阪が、最終クォーターで驚異的な粘りを見せる。大阪の得点源である#5 マット・ボンズと#1 レイ・パークスジュニアを中心に猛攻を仕掛け、#31 木下誠が2本のスリーポイントを決める。大阪はこのクォーターでキングスを22-11と圧倒し、二桁あった点差をみるみるうちに縮めていく。残り1分6秒、キングス#14 岸本隆一が値千金のスリーポイントシュートを決め77-82とするも、大阪は諦めない。#5 ボンズのレイアップで82-79と迫り、そして残り18秒、#1 パークスジュニアが起死回生の同点スリーポイントシュートを成功させ、スコアは82-82。土壇場で試合を振り出しに戻し、勝負はオーバータイムへと持ち越された。

オーバータイム:佐土原が活躍、キングスが激闘を制す (大阪 4 – 11 キングス)

最終盤の猛追で力を使った大阪に対し、キングスはオーバータイムで強さを見せつけた。ベンチから出場した#8 佐土原遼が立て続けに得点を決め、一気に主導権を握る。対照的に大阪のオフェンスは沈黙し、5分間でわずか4得点に終わった。残り1分16秒には岸本がBリーグ通算1,000本となるスリーポイントを決めて大阪を突き放した。キングスはオーバータイムで4-11と大阪を圧倒。キングスがアウェーでの激闘を勝利した。

試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2025/11/12 大阪 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

主要選手のパフォーマンス

琉球ゴールデンキングス

#14 岸本 隆一:21得点  | 6リバウンド | 6アシスト

ゲームハイに迫る21得点に加え、6リバウンド、6アシストを記録。第4クォーター終盤のクラッチスリーポイント、そしてオーバータイムで勝利を決定づけるフリースローと、勝負所での精神的な強さと得点力は圧巻だった。

#45 ジャック・クーリー:16得点  | 11リバウンド (OR:7) | 2アシスト

インサイドの支配者として君臨。16得点、11リバウンドのダブルダブルを達成。特にオフェンスリバウンドを7本もぎ取り、チームに数多くのセカンドチャンスをもたらした。

#4 ヴィック・ロー:9得点  | 11リバウンド | 5アシスト

ローの9得点は最近の好調ぶりからすると物足りない数字かもしれないが、ゲームハイの11リバウンドと5アシストは、彼がスコア以外でも試合に絶大な影響を与える「グルーガイ」であることを証明した。チームの勝利に不可欠な存在だった。

#8 佐土原 遼:10得点  | 6リバウンド  (OR:5) | 1アシスト

オーバータイムのヒーロー。試合全体で10得点を記録したが、そのうち6得点をオーバータイムの勝負所で集中させた。彼の活躍がなければ、この勝利はなかったかもしれない。セカンドユニットの重要性を証明した。

大阪エヴェッサ

#5 マット・ボンズ:25得点  | 8リバウンド | 3アシスト

B1リーグのトップスコアラーは、安定した活躍を見せた。両チーム最多の25得点、8リバウンドを記録し、キングスディフェンスを最後まで苦しめた。第4クォーターの猛追劇の原動力となった。

#1 レイ・パークスジュニア:20得点 (3P 4/10)  | 4リバウンド

20得点を記録し、ボンズと共にオフェンスをリード。特に第4クォーター残り18秒で沈めた劇的な同点スリーポイントシュートは、会場のボルテージを最高潮に引き上げた。

ボンズとパークスジュニアの得点力とは裏腹に、リバウンドでのフィジカル勝負でキングスに後れを取り、オーバータイムでオフェンスが崩壊したことが、大阪にとって乗り越えられない壁となった。

勝敗を分けたキーファクター

最終スコアは、複雑に絡み合った戦略と実行力の差から生まれた。ここでは、キングスに勝利をつかんだ3つの要因を分析する。

リバウンドの支配とセカンドチャンスポイント

キングスのチームアイデンティティとも言えるリバウンドでの強さが、この試合でも際立っていた。特にオフェンスリバウンドで大阪を圧倒し、そこから得点を重ねることで試合の主導権を握り続けた。

オフェンスリバウンド:大阪 13-21 キングス
セカンドチャンスポイント:大阪 11-25 キングス

このセカンドチャンスポイントにおける14点差は、最終的な点差である7点を大きく上回る。ジャック・クーリーの7本を筆頭に、キングスが執拗にオフェンスリバウンドを追い続けたことは、大阪のディフェンスの勢いを削ぎ、精神的にも大きなダメージを与え続けた。

オーバータイムでの遂行力の差

82-82で迎えたオーバータイム5分間、両チームの勝負強さに明確な差が出た。キングスは落ち着いた試合運びで11得点を挙げたのに対し、大阪はわずか4得点に抑え込まれた。極限のプレッシャーがかかる場面で、冷静に自分たちのバスケットボールを遂行できたかどうかが、最終的な勝敗を分けた最大の要因と言えるだろう。

岸本隆一のクラッチパフォーマンス

 チームが最も苦しい時間帯に、エースがその真価を発揮した。#14 岸本隆一は、第4クォーターで大阪に流れが傾きかけた場面で貴重なスリーポイントシュートを成功させ、オーバータイムでは冷静なフリースローで勝利を確定させた。彼の勝負強さとリーダーシップが、チームを勝利へと導いた。

次戦への展望

この勝利は、琉球ゴールデンキングスにとって単なる1勝以上の価値がある。オーバータイムにもつれ込むアウェーでの激闘を制したことは、チームの底力を証明するものだ。45分間という長い試合時間でも出場時間が35分を超えた選手はおらず、チーム最長の出場時間は#45 クーリーの32分26秒。怪我から復帰した脇を含むロスター12名全員が出場して負担を分散した。

この日の勝利で10勝6敗となったキングスは西地区4位、首位の長崎を4ゲーム差で追いかける。次戦は11月15日(土)、16日(日)に京都とホーム戦を戦う。リーグ戦が一時中断するバイウィークへと入る前の最後の試合であり、連勝で西地区首位を追走したいところだ。

(構成:湧川太陽、写真提供:琉球ゴールデンキングス)

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