10月26日、琉球ゴールデンキングス vs 広島ドラゴンフライズ GAME1が沖縄アリーナで行われ、100-82でキングスが勝利した。
昨季ファイナリストであるキングスと広島は、それぞれ大きな変化があった。キングスは今村 佳太、牧 隼利、田代 直希など主力選手が多く退団。広島も優勝に導いたカイル・ミリングヘッドコーチが退団、昨季までで引退した朝山 正悟が新たなヘッドコーチに就任した。
1Q ペイントエリアを攻めてキングスが先制
キングスのスターティングメンバーは、#12 ケヴェ・アルマ、#14 岸本 隆一、#15 松脇 圭志、#18 脇 真大、#45 ジャック・クーリー。
広島のスターティングメンバーは、#12 中村 拓人、#13 ドウェイン・エバンス、#21 渡部 琉、#24 ニック・メイヨ、#30 山崎 稜。
1クォーター、ジャンプボールを確保したキングスは、クーリーがマッチアップするエバンスへミドルポストから仕掛けると、渡部のファウルを受けながらもシュートを沈め、幸先良くバスケットカウントワンスローで先制点。
広島はメイヨがトップからのプルアップス3ポイントで、すぐに同点とする。前半の広島は意識的にクーリーやカークを外へ引き出し、ミスマッチを突いてきた。
キングスはクーリーがオフェンスリバウンドからのゴール下シュート、岸本がレイアップで連続得点してリードする。広島はメイヨのシュートタッチが良く、2本目のスリーポイントで追いかける。
残り4分30秒、前節の島根戦終盤で気を吐いた#47 平良 彰吾が沖縄アリーナで初出場。#4 ヴィック・ロー、#34 小野寺 祥太、#53 アレックス・カークと共にコートに入った。キングスは速いトランジションから良い流れを作り、ローとカークが続けてペイントエリアでシュートを決めてリードを広げる。広島はベンチスタート#10 上澤 俊喜、そしてエバンスの3ポイントなどで残り55秒で20-20の同点とする。
キングスは滑らかなボールムーブからカークがミドルシュートを沈める。さらに残り0.6秒のエンドからのスローインの場面、カークが体勢を崩しながらもブザービーターをねじ込む。1クォーター終了時のスコアは、24-20とキングスが4点リード。
2Q クーリーとアルマの活躍でキングスがリード
2クォーター、広島は#8 ケリー・ブラックシアー・ジュニアのレイアップで先制。
だがキングスはクーリーがゴール下で存在感を発揮。8連続得点でチームを牽引。クーリーは前半だけで13得点8リバウンドを記録する。さらにアルマがこの試合最初のショートレンジのシュートや2本の3ポイントで、40-32とキングスがリードを広げる。たたみかけるキングスは、ローのバスケットカウント、脇とカークのフリースロー、アルマからローへのアリウープなどで点差を2桁に広げた。
広島はスピードに分があるブラックシアーがペイントを攻めたて、このクオーターだけで11得点と孤軍奮闘。しかし前半終了間際に岸本がブザービーターでスリーポイントを決める。2クォーター終了時のスコアは、51-38とキングスが13点リード。
3Q 平良彰吾が沖縄アリーナを沸かせる
3クォーター、点差を縮めたい広島の前にクーリーが立ちはだかる。クーリーはルーズボールやオフェンスリバウンドを確保しペイント内での連続得点で広島インサイドを圧倒する。
残り7分で広島はこの試合好調のブラックシアーが4つ目のファウルを犯し、交代を余儀なくされる。メイヨが前半で負傷していた広島は苦しいローテーションとなる。メイヨ、ブラックシアーと2人のスコアラーを欠いた広島は、上澤の連続3ポイントで食らいつくが、岸本もすぐさま連続3ポイントを決め返す。
残り2分、キングスは平良がディフェンスで沖縄アリーナを沸かせる。広島オフェンスを司る中村拓人のドライブを完璧に封じてリズムを奪う。良いディフェンスからトランジションバスケットを展開したキングスはさらにリードを広げ、3クォーター終了時のスコアは75-55と20点差となる。
4Q 100点ゲームでキングス快勝
4クォーターも平良の活躍が続く。オフェンスリバウンドを奪い、細かいドリブルからのペイントタッチでディフェンスをひきつけると、それに合わせた#8 植松 義也がレイアップに持ち込む。シュートは外れるがクーリーがプットバック。
さらに平良はドリブルキープする上澤にプレッシャーをかけ、バックコートヴァイオレーションを誘発し三度アリーナを沸かせた。平良は控えガードとして申し分のない働きで、エースの岸本に繋いだ。
広島はエバンスが1on1からの連続得点。残り5分を切ってスコア82-71と広島は11点差まで迫る。嫌なムードが漂い始めたキングスだが、岸本がタフな状況からのディープスリーを沈め危機を回避。
キングスは岸本がうまく時間を消費しつつクーリーのスクリーンを利用してスリーポイントを放つ。シュートは外れるも飛び込んだクーリーがリバウンドを回収してシュートをねじ込んだ。
粘る広島は中村、山崎のスリーポイントなどで残り3分28秒で8点差まで追い上げるも、キングスは脇のゴール下、アルマ、松脇の3ポイントで20点差まで引き離した。残り36.3秒、再びコートに戻った平良は、脇からのパスをコーナーで受け、チーム100点目となるスリーポイントを決め熱戦を締めくくった。最終スコアは100-82でキングスが18点差で勝利した。
ジャック・クーリーはこの試合33得点とBリーグキャリアハイを更新。オフェンスリバウンド11もBリーグキャリハイタイ記録と大活躍だった。
試合スコア:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2024/10/26 琉球 VS 広島 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
前戦のアウェー島根戦を98-61と37点差の大敗したキングス。ホームで快勝したこの試合後の記者会見で、キングス桶谷大ヘッドコーチは「自分たちがどんなバスケットボールを見せるか。相手云々ではなく、自分たちのプレーにフォーカスした」と語った。
「ここ数試合、スタートから相手に簡単に得点を許す試合が続いていた。今日の試合は相手にどう対応するかではなく、自分たちの良くなかった部分をもう一度見つめ直して修正するための準備をしてきた。水曜日の島根戦から今日の試合まで、移動日を考えるとチーム練習は昨日1回しか出来なかった。たった1回の練習でどれだけ選手たちをカムバックさせられるか。それに選手たちが応えてくれた。今日は試合スタートの5分間、チーム全員がやるべき事をどうやって遂行するかを徹底してくれた。やるべき事とさらにもう一歩出来る部分、そのエクストラの部分までこだわって選手が遂行してくれた。それが今日の勝利につながった」
初の沖縄アリーナでのプレーとなった平良は、出場時間6分25秒で印象的なプレーを魅せ続けた。「自分がコートに立った時間帯はディフェンスで流れを作りたいと考えていた。一つひとつプレーに対して歓声が起こり、特にディフェンスでハッスルした時に歓声で盛り上げてくれるのは、実際にプレーして凄く嬉しかったです。これだけディフェンスで盛り上がってくれるアリーナは日本中でここだけです。僕の身体能力やディフェンス、シュート力は武器だと思っているので、沖縄アリーナの観客にもそこを見て欲しいです」と語った。
キングスはこの日の勝利で5勝3敗となり、島根、長崎に続く西地区3位となった。キングスの次戦は、翌日10月27日に沖縄アリーナで広島ドラゴンフライズとのGAME2を戦う。