第3節 GAME2 厳しい展開から追い上げるもキングス惜敗

目次

琉球ゴールデンキングス 桶谷HC、#24 田代、#14 岸本 インタビュー

桶谷 大 HC

総括

今日は思ったよりオフェンスで点が伸びず、ディフェンスで我慢していたとはいえ、厳しい試合をさせてしまったと感じました。
タイムアウトで流れを切りながら、良いディフェンスを選択させていたんですけど、簡単に点を取れなくて、なかなか流れに乗れなかったと思います。
ただこういうゲームでも勝っていける力をつけなくてはいけないですし、本当に川崎さんのような強豪チームに連勝することが僕たちにとって重要な要素になってくると思うので、今回また一つの課題としてこれからのシーズン戦っていきたいと思います。

前回の三河の連戦もそうだったが、シュートが入る試合と入らない試合、相手が対応してきているとは思うんですが、オフェンスに波が出てくるのはどういうことが原因だと思っていますか?

相手が修正してきているところはあると思いますが、ボールプレッシャーが激しくなって、ターンオーバーをして、流れが切られたり、自分たちの状況判断が良くなくて、良いシュートを打てていなかったというのはあると思います。
こういうシチュエーションでの個々の状況判断を良くしていくというのが今シーズンのキングスの課題だと思っています。
GAME1みたいな試合だったら、みんな良い状況判断できると思うんですけど、今日みたいに重たい空気や逆境になったときに正しい選択をできるかというのが僕たちの課題だと感じています。
そういった意味では、今日みたいなゲームができたことをプラスに働くようにしたいと思っています。シーズン始まったばかりなので、この負け方から学んで成長するというのはすごく大事だと思います。

重たい展開のときにガード陣や小寺選手みたいなバランスをとる選手、コントロールする選手が出てくると思うんですけど、桶谷さんとしては「この選手にこういう働きをしてほしい」というのはありますか?

プレイメイクをするのが、#3 並里 成と#14 岸本 隆一と#2 小寺ハミルトンゲイリーの三人で、それぞれいいところはあります。
#3 並里はペイントにタッチできるし、#14 岸本は3Pでディフェンスを一人、二人と引き付けられるところ、#2 小寺はいろんなパスができ、ハンドルもうまい。
みんなそれぞれ良いところはあるんですけど、今日はシュートに持って行くシチュエーションに繋げられることが少なかったと思います。
トランジションも少なく、ファーストブレイクで14点は取れているとはいえ、昨日のGAME1に比べてちょっと重たかったかなって思います。

4クォーターの前半が重くて、後半相手のガード陣に勢いに乗らせてしまったと思うんですけど、そのあたりどう対抗しようと思ったのか教えてもらえますか。

どっちかというと#22 ファジーカスと、#35 ヒースのオフェンスを止めないといけないというゲームプランがありましたが、そんななかで#0 藤井が1on1を結構仕掛けてきた。
あれが決まらなければ、流れは自分たちの方が良い流れになっていたと思います。ここまでやってくるというのは想像していなかったし、うちのガード陣はかなり疲弊させられたと思います。

途中でバイオレーションとかイージーなターンオーバーなどがあって、チームとしては崩れてもおかしくないところで最後盛り返したところはあると思いますが、その点に関してはコーチとしてどう感じていますか?

今日は絶対に楽なゲームにならないとは思っていました。勝てるなら今日のようなゲームになると思っていましたし、その中で自分たちがどれだけ我慢できるのかというところをチャレンジしたかったので、苦しい展開ながらも追い上げる展開になったところはとても評価できると感じています。
3クォーターもファールが重なって選手たちが厳しい状態になって、それでもタイムアウトを1個だけで我慢して、4クォーターに入れたところはチームとしてはすごく大きかったと思っています。

今日のゲームの敗因は、選手やチームが勢いに乗る時間帯をつくれなかったことだと思います。今後の戦略としてチームや選手が波に乗れる時間帯を作れるようになる事が必要になってくると思います。
このチームではまだ6試合目で、新しいメンバーが入ってまだ出来上がってない部分もありますし、ケミストリーとしてもまだまだポテンシャルのあるところなので、悲観するよりも前向いてこの負けたところから何を得るかが大事だと思っています。
目の前の勝ちはのどから手が出るほど欲しいですけど、そこばっかりに目を向けるよりは最終的にチャンピオンシップで勝ち、日本一になるチームが僕たちの目標なので、そこはブレずに一つ一つ戦っていきたいと思います。

#24 田代 直希

総括

前半は比較的トランジションのなかで良い流れがあったかと思います。そこからなかなかトランジション出なくなってハーフコートバスケになったとき、誰がボールを持つべきで、どうやって攻めるか明確になっていなかったことが反省点です。
今日、何ポゼッションかチーム内でどうやって攻めるか話し合う時間帯はありましたけど、全体的に見るとまだまだできてないって感じています。

同じ相手に2回勝つことの難しさを話しているが、今回のゲームを終えてこれからのシーズンどのように戦っていくのか?

今日と昨日で自分たちのバスケスタイルが大きく変わったと感じました。相手がどういう戦術、戦略でくるのかも大事だと思うんですけど、まずは自分たちのバスケができれば戦えると思います。連戦で厳しいですが、2試合トータルで80分、自分たちのバスケをやり抜く力をつければいい結果に繋っていくと信じています。

#14 岸本 隆一

昨日の快勝から一転、今日は重い展開になったが、敗因は何でしょうか?

ターンオーバーだと思います。クロスゲームになったときにターンオーバーがダイレクトに勝敗に直結するので、自分も今日はターンオーバー4つ、それが原因でチームを良い雰囲気でバスケさせられなかったことに責任を感じています。
ただ、悪いなりに自分たちで立て直してすすめられたのは良かった側面だと思っています。

シーズンの傾向としてGAME1で負けたチームがGAME2により激しさを持ってハッスルしてくることは自分たちも頭の中で分かっていました。
なのに相手のアグレッシブなオフェンスとディフェンスに対して、受け身になってしまったと思います。
相手が激しい分、自分たちはファウルをもらったり、激しさを利用して裏をかくような戦い方はあると思います。
まだまだシーズン序盤ですし、チームとしていろいろなアプローチができるように改善していこうと、ゲームをこなしながら思いました。

今日ターンオーバーとかあって、かなり4クォーターの半分くらいまでゲームとしても悪い流れだったが、そこからクロスゲームに持ち込めた、粘れたことについて岸本選手は手ごたえを感じているのか?それとも反省しか残らないのかどう感じていますか?

悔しさというよりも、もったいないというのが自分の感覚ですね。乗り切れない、モヤモヤした展開で勝ちを拾うのは、ゲームでしか詰めない経験というか、ここから勝ちを取りに行くという経験が今後大きいと思います。
そういう意味で今日のゲーム負けてしまったのは、くやしいというよりもったいなかったと僕は思っています。

川崎は、ここ一番でビッグマンでインサイドを強調してくるなか、今日は最後に藤井選手の1on1でどんどん来るって感じになってきて、藤井選手とは学生時代から付き合いが長くて実力はわかっているとは思うんですけど、そこらへんはどう思っていたのですか?予想外でしたか?

予想外ということはなくて、それぐらいやってくる選手だと知っていたし、リスペクトもしているんですが、#0 藤井選手に限らず#7 篠山選手も1分切ったところで、ミドルジャンパー決めてあそこでゲーム決められた感じがありました。
自分としては戦術とか試合の流れとかじゃなくて二人の持つ力に屈したかなってところが正直なところです。

シーズンはまだ10試合も経過していなくて、まだまだ自分たちはチームの約束事だったり、自身のコンディションなどを積み重ねていく段階だと思います。
もちろんやられちゃいけないんだけど、これはこれで次につなげられると思いますので、練習から相手がどういう風にやってくるのか、自分の中でイメージを作って取り組んでいけたらと思います。

この2連戦はハミルトン選手がコートによく出ていたと思うが、もともとパスがうまいのは知っていると思うが、改めて一緒に出たときの彼の存在とかコンビネーションとかどういう手ごたえなり課題を感じていますか?

彼が入ってくると全然違うペースというか、流れになるのは2日間通して感じましたし、彼と出ているときは僕が貪欲にスコアを取りに行かなければと感じました。
ただゲイリーが出てるときは、彼に僕たちを使ってもらうというより、僕たちが彼の長所を活かしてよりアクティブに動けるようやっていきたいと思います。
さっき話したことですけど、いろんなアプローチを増やしていったほうがいいと思うので、その部分も込みで彼との連携も積み重ねていけたらと思います。

4クォーターで最後の攻撃でどういう攻撃をするのかっていう場面で、3P2本はずれてしまったのですけれど、あの3点差のところはどういう形で組み立てようかという認識だったのでしょうか?

やってるときは3Pシュート一発で同点に持って行くことを考えていましたし、昨日からリバウンドで優位に立っているところはあったので、セカンドチャンスもあるかなってところで狙いに行きました。

ただ終わってから考えると、時間と点数を考えると、早めに2点取りにいってもよかったかなって思う部分もありますし、試合の展開で何とも言えない部分もあるんですけど、最初の狙いは3Pで良かったと思います。

強豪の連戦が続く10月なんですが、東京には勝って、三河、川崎戦は1勝1敗で、去年の宇都宮戦以来連敗はしていないと思うんですが、その強さの理由はなんだと思いますか?

選手、コーチがそれぞれみんなが考えをもってやっていますし、それぞれがチームのことを考えてプレーしたり、行動したりしてる結果、連敗につながっていないと思います。
バスケット的なところじゃなくて、それぞれの考え方や思考、ふるまいが、チームが崩れたときに大きく崩れない文化を生んでいると思うので、戦術じゃない部分が大きいんじゃないかと思います。
ただ、シーズンの中で、やむを得ず連敗を経験したときにそこから何かを学んで、強くなっていくことが大事だとおもいます。
連敗しないことは大事ですけど、チャンピオンシップに一番いいかたちで臨めるように取り組んでいきたいと思います。

川崎ブレイブサンダース 佐藤HC、#0 藤井 インタビュー

佐藤 賢次HC

総括

昨日に続きタフなゲームでした。昨日は途中切れてしまう部分もあったんですけど、とにかく今日は我慢して、どんな流れが悪くてもディフェンスで粘りが見せられたんじゃないかと思います。

あいかわらずリバウンドは取られてますけど、しっかりファイトした結果だと思いますし、成長がみえたと思います。本当にタフな相手でした。沖縄まで応援にきてくれた川崎のファンもいらしゃったので、期待にこたえられてよかったです。あと配信で応援していた皆様にもいい試合を見せられてよかったです。引き続き頑張ります。

 今日我慢できたのは、連敗できないという選手たちのメンタルの部分が大きかったのか、それとも戦術がしっかりはまったのか?

両方ともあると思います。メンタル的にも負けられないと思っていましたし、戦術的にも相手が何をやろうとしているのかしっかり理解したうえで、普段やっているプレーとは違うプレーをやってみて、そこから何個かうまくいって、良い流れにつながったと思うので、選手、コーチ、スタッフの頑張りのおかげだと感じています。

宇都宮・琉球どちらも1戦目に負けて、2戦目に競り勝ったことについてどう思いますか?

 1戦目に出た課題を共有して、そこにフォーカスしてやっていくことをチームとして取り組んで、その結果が前節に引き続き2戦目にカムバックできた。その点に関しては成長を感じています。

まだまだどこのチームもそうですけど、チームが完全にできあがっていない状態でこういうゲームを勝ち切れたのは大きいと思います。
ただ、1戦目から準備不足にならないように、選手それぞれがちゃんと心がけないといけない。そこはまだ不足している部分なので、1戦目からの準備をチームとしてフォーカスしていかないとと思います。

新戦力が加わってのラインナップやローテーションはまだ試行錯誤中でしょうか?

ベースの部分となる連携の部分はかなりできていると思います。
今日、(#7 篠山)竜青、(#0 藤井)祐眞、ハセ(#33長谷川 技)、J(#35 ジョーダン・ヒース)、ニック(#22 ファジーカス)が出ているときの阿吽の呼吸みたいなのはすごい強いと思いましたし、そこにどれだけ新しいメンバーを含めて、これから連携を築きあげていけるか。今日のような試合を経験して築きあげていくものもあると思うし、コミュニケーションとりながら強いチームを目指していきたいと思います。

#0 藤井 祐眞

GAME1は100点ゲームで敗戦、今日はカムバックして勝利、その要因は?

昨日のGAME1みたいに簡単にオープンスリー、イージーシュートを作らせなかったところが大きかったと思います。昨日よりトランジションのディフェンスを意識しましたし、オーバーヘルプのところで昨日は寄りすぎたって思いますが、今日はそこをチームとしてしっかり守れていたと思います。

川崎さんはチームとして守備にプライドを持っていたチームとしてやってきていて、そういうところでGAME1の負け方はチームとして危機感はあったのか?それともシーズン始まったばかりなので、そこまで焦る必要はないとか、どういう心境で臨んだのか?

シーズン序盤なので、戦っていくことで課題は見えてきます。課題をひとつひとつ乗り越えてチームは成長していくと思いますし、チームとして必要な過程だと思っています。

今日はいつもより10分くらい長い34分で24得点あげましたが、ご自身のパフォーマンスをどう思いましたか?

3Pが個人としてもチームとしてもなかなか入らなくて、うまくリズムが作れなかったです。けどそんな中でもベンチ戻った時は「いいよ!いいよ!ドンドン打っていけ!」って声をかけてもらいましたし、(#13前田)悟には「25点取ってきて!」と言われていました。
そういう状況でアタックする気持ちを持ってコートに立っていたので、それが結果的にフリースローをもらえたり、得点に繋がったと思います。

勝負所、藤井選手の1on1を徹底的に仕掛けてそれで勝ったとおもうんですけど、そこは藤井選手が自分で決めてやるというか、今日は自分が行く考えで攻めた形だったんですか?

自然とチームが託してくれていたので、僕は決め切る気持ちでやっていました。みんなが信頼してボールを預けてくれたので、僕は本当にやり切ろうとおもってやってました。

キャプテンになったこともありますし、自分がチームのエースだったり、顔としてしっかり決めたいという気持ちの変化はありますか?

あまりそういう事は考えていないです。けど昨日は負けていて、今日は勝ちたかったし、そういう気持ちで戦ったことがプレーに出たと思います。

先週の宇都宮線のように1戦目負けて、2戦目接戦を制して勝ったということに関して、この2節を終えて手ごたえや課題をどう感じているか教えてください。

宇都宮戦も琉球戦もまだ修正点は多いですし、全体的にチームとしてコミュニケーションをとって、課題をひとつひとつ乗り越えて強くなるためにやっていかないとだめだなと思いました。
あとはアウェーでの戦い方の難しさを感じましたし、今年アウェーでのGAME1を二つ落としていますし、次ホームに帰って、またアウェーでの試合があると思うんですけど、2連勝をしっかり意識してやれたらなと思います。

見据えるは、頂点。

両チームの選手やHCが共通して感じていること、それは「チームとしてまだまだ未完成」ということだ。

目先の勝利を求めることは大事だが、それ以上に試合を通してチームとして成長することが重要だと考えているということが伝わってきた。
この試合負けてしまったキングスも、前日のGAME1を落とした川崎ブレイブサンダースも、敗北を糧にチームとしての完成度を上げ、頂点を目指そうとしている意志を感じられた。

1勝1敗の痛み分けとなった今節。次もし両チームが当たることがあるとすれば、それは天皇杯やチャンピオンシップ。
絶対に負けられない戦いで、極限まで鍛え上げたチーム同士が全力でぶつかりあうことになるだろう。

 

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この記事を書いた人

ポジション : ガード フォワード フォトライター

3つのポジションをこなすユーティリティープレイヤー

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