現地9月12日(金)、琉球ゴールデンキングスはオーストラリア・パースでの国際試合の初戦となるサウスイースト・メルボルン・フェニックス(豪NBL)との対戦で、75-90で敗れた。
「沖縄を世界へ」を掲げて豪NBLへ挑むキングス
「沖縄を世界へ」というビジョンを掲げ、昨季開幕前にはイタリア遠征を行ったキングス。今季はNBL(オーストラリア・ナショナルバスケットボールリーグ)の強豪クラブとの2連戦を戦うためにオーストラリア遠征を行った。

オーストリア遠征の初戦となるvsサウスイースト・メルボルン(以下、SEメルボルン)。キングスのスターティングメンバーは、ヴィック・ロー、佐土原遼、岸本隆一、脇真大、ジャック・クーリー。
1クォーター、先制点はSEメルボルンがキックアウトからスリーポイントを決める。対するキングスは岸本のドライブに合わせたクーリーがゴール下で得点する。だがSEメルボルンはスリーポイントを高確率で決めてリードを奪う。追いかけたいキングスだったが、SEメルボルンの強度の高いボールマンプレッシャーに圧され、なかなか自分たちのオフェンスを展開できない。残り5:02、16-7でキングスは9点ビハインドとなり先にタイムアウトを取る。
キングスのコーチ陣は、小針幸也、松脇圭志、アレックス・カーク、ケヴェ・アルマなどメンバー交代を頻繁に行い、豪クラブチームとのフィジカリティの強さを肌で感じさせる。SEメルボルンもそれに応え、試合序盤からオールコートディフェンスを敷いてキングスに簡単にプレーをさせない。1クォーター終了時のスコアは、12-26でキングスは14点ビハインドとなる。

2クォーター、キングスは崎濱秀斗、松脇、ロー、アルマ、カークでスタート。ここで20歳の崎濱が思い切りの良いプレーで魅せる。トップでボールを貰うと縦への速いドライブで相手を崩し、得意のミドルジャンパーを決める。さらに崎濱はフロントコートからプレッシャーをかける相手ディフェンスをドリブルでかわすと、ロー、クーリーとパスを繋ぎ、最後は左コーナーにステイする佐土原がスリーポイントを決めた。
追い上げたいキングスだったが、フィジカリティに勝るSEメルボルンにセカンドチャンスを許したり、厳しい体勢を強いられてのパスミスからの失点などで点差を離されてしまう。荒川颯のスリーポイントも決まるが、キングスはディフェンスで相手をストップすることが出来ず、2クォーター終了時のスコアは、33-51とキングスは18点ビハインドを背負う苦しい展開。

15点差で敗戦も、崎濱の活躍など収穫の多い遠征
3クォーター、キングスは岸本、佐土原、脇、ロー、クーリーでスタート。ファストブレイクからローのスリーポイントで先制する。しかしキングスはディフェンスファウルが増え、SEメルボルンにフリースローを与えてしまう。 キングスはオフェンスでも苦戦。しっかりとクローズアウトをしてくるSEメルボルンに対し、3ポイントの確率も上がってこない。3クォーター終了時のスコアは、49-72とキングスのビハインドは23点まで広がる。
4クォーター、キングスは小針、荒川、松脇、ロー、カークでスタート。残り9分半に松脇のスリーポイントが決まる。 だが終盤になっても強度が落ちないSEメルボルンのディフェンスと速いボールプッシュに苦しみ、キングスはペースを握れない。残り7分半からキングスは崎浜、脇、小野寺祥太を投入。小野寺、崎濱の連続スリーポイントが決まるが、SEメルボルンも得点を返してくる。キングスは崎濱を中心として、テンポの良いボールムーブメントが徐々に戻ってくる。崎濱は自身のシュートも好調で、試合終盤にはこの日2本目のスリーポイントと左ドライブからのバスケットカウントも奪い、チームトップタイの11得点(FG 4/4)を記録した。

最終スコアは75-90。キングスは15点差で敗れたものの、サイズが大きく強度の高いディフェンスをしてくるチーム相手にどう戦うのかという課題が明確になり、普段のBリーグでは得ることが出来ない経験となった。オーストラリア遠征の初戦は、キングスにとって収穫の多いゲームとなった。キングスの次戦は現地9月14日(日)、NBL最多となる10回のリーグ制覇を誇るパース・ワイルドキャッツと対戦する。
試合スタッツ:South East Melbourne Phoenix vs. Ryukyu Golden Kings | National Basketball League
(写真提供:琉球ゴールデンキングス)