キングス、三冠に向けて始動 琉球ゴールデンキングスが公開練習[2025.08.22]

8月22日、琉球ゴールデンキングスはメディア向け公開練習を行なった。岸本隆一や脇真大など昨季からの日本人選手に加え、佐土原遼や小針幸也の新加入選手、そしてこの日から合流したヴィック・ローやケヴェ・アルマなど、多くの選手が新シーズンに向けて汗を流した。

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笑顔のなかにも激しいチーム内競争がある今季のキングス

まだ全体練習が始まって間もないこともあり、選手たちは互いの動きを確認するように笑顔を交わしながらプレー。キングスは今季もBリーグ、天皇杯、そして東アジアスーパーリーグEASLと数多くの試合を戦うことになる。U22枠の平良宗龍、佐取龍之介を含め今季のロスターは16名の選手が名を連ねる。12名の登録メンバーを勝ち取るチーム内競争も激しいものとなる。

桶谷大HC「今の時期はリアルトライアウト」

桶谷大ヘッドコーチも多くの選手が競争する雰囲気を「リアルトライアウトですね」と評する。「チームの雰囲気は和気あいあいとしている反面、それぞれライバルです。今の時期はコーチ陣の信頼を得られるプレーが出来るかどうか。(シーズン開幕前の)今の時期がもっとも選手たちを見れるので、ここで信頼を得ない限りはローテーションに入るのは難しい」「12名しか試合登録できないわけで、雰囲気が良いなかにも競争意識が出てきている。特に外国籍選手が合流してくれたおかげでプレータイムを勝ち取りに行く雰囲気が出てきている」

「昨季の自分たちを超えて」EASLに挑み三冠を獲る

今季もキングスも海外チームとの対戦で幕をあける。プレシーズンゲーム「ISLANG GAMES」で韓国KBLの昌原LG Sakers、そしてオーストラリア遠征で「Perth Wildcats International Series」に参加してパース・ワイルドキャッツとサウスイースト・メルボルン・フェニックスという豪NBLのチームと対戦する。桶谷ヘッドコーチは「キングスとして国内だけではなく海外遠征を含め様々な国のチームと戦うことでチームのケミストリーも上がり、様々な引き出しが増えてくる。学ぶべき部分を吸収してチーム力を上げていきたい」と海外のチームとの対戦をポジティブに捉える。

EASLにも4年連続出場となるキングス。10月8日にはEASL初戦をアウェー台湾でスタート。10月22日はEASLホーム初戦を戦う。今季からEASLは参加国・チームが増え計7地域から12クラブが参加。リーグの規模も競技レベルも大きく向上している。

昨季はEASLファイナル4に進むも準決勝と3位決定戦に敗れてタイトルを逃したキングス。桶谷ヘッドコーチは三冠を見据えてEASLへの意気込みを語った。「昨季は敗れはしたものの(Bリーグ)ファイナルで僕らはとても高いレベルでバスケットボールが出来ていた。あの昨季の僕らを超えることが出来れば、自ずとチャンピオンになれる。リーグも、天皇杯も、そしてEASLも勝てる。それだけのメンバーも揃っている。EASLは4年連続出場した経験もあるので、グループリーグの序盤からしっかり勝ち星を積み重ねていきたい」と自信と決意をにじませた。

ヴィック・ローも同じようにEASLへの意気込みを語った。「リーグ優勝が最終目標だが、EASLも日本のチームの強さを示すためには重要な大会だ。必ず決勝に進出して優勝を達成したい」「EASLを勝ち進むために大事になるのはヘルシーでいること。怪我をせずに適切な準備をすることが大事だ」

昨季EASLファイナル4はコンディション不良でプレーできなかったヴィック。会見中に何度も「昨季はタイトルに届かなかった」と口にしており、今季のタイトルに賭ける強い思いを感じさせた。

脇真大「甲子園での沖尚の活躍が勇気をくれた」

2年目のシーズンを迎える脇真大も、この時期にチームとしての基礎を作り上げることの重要性を語った。「崩れてしまうチームというのは、困難に直面した時に一人ひとりがバラバラになってしまう。最初の時期からチームとして一つになっていかないといけない。その為にも互いに支え合い、伝えるべきことをしっかり伝えられるように今の時期から続けていきたい」

プレシーズンゲーム「ISLANG GAMES」で対戦するアルティーリ千葉には、今夏にウィリアム・ジョーンズカップ日本代表で共にプレーした黒川虎徹も在籍する。黒川は昨季のB2プレーオフで大活躍、プレーオフMVPを受賞した。同学年で大学時代からしのぎを削ってきた世代を代表するポイントガードを、脇も最大限評価する。「(黒川)虎徹とBリーグで対戦するのは今季が初めてなので、絶対に負けられない。A千葉にとっても今季B1で初めて対戦するのが僕らなので『キングスは強い』ということをしっかりと見せて勝利したいです」「(黒川)虎徹は、僕が評価するのはおこがましいほど全てにおいて素晴らしい選手。代表で一緒にプレーして改めてすごいと思いましたし、僕らはとても仲も良いので、だからこそ負けられないです」

キングスを代表する選手に成長した脇。沖縄を背負ってプレーする気持ちも大きくなってきた。「僕も実際に住んでみて、本当に沖縄が好きになりました。明日ちょうど夏の甲子園で沖縄尚学高校が決勝を戦いますけど、沖縄のチームがあの大舞台で活躍している姿は僕らも勇気や希望をもらいました。沖縄尚学にはこのまま優勝して欲しいです」

この取材日の翌日、沖縄尚学高校は見事に決勝戦を勝利。甲子園優勝を決めて、沖縄全体に勇気と感動を与えた。甲子園の優勝を見届けたであろう脇も、同じように沖縄へ勇気と感動を与えてくれるに違いない。

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この記事を書いた人

沖縄バスケットボール情報誌アウトナンバー編集部 │ #琉球ゴールデンキングス 試合レポートなら #OUTNUMBER │ 沖縄県U18、U15、ミニバス情報も発信中です

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