CSセミファイナルGame1 琉球ゴールデンキングスvs島根スサノオマジック記者会見

(文:金谷康平多和田ちえみ 写真:湧川太陽)

5月21日(土)、沖縄アリーナで行われたBリーグチャンピオンシップ(CS)セミファイナルGame1 琉球ゴールデンキングスvs島根スサノオマジックは、94 – 85でホームの琉球ゴールデンキングスが勝利した。

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ここでは、試合後に行われた記者会見から、琉球ゴールデンキングス 桶谷大HC、島根スサノオマジック ポール・ヘナレHC、琉球ゴールデンキングス#30 今村 佳太選手、#7 アレン・ダーラム選手のコメントを紹介する。

 

目次

琉球ゴールデンキングス 桶谷大HC

 

——試合の総括

全体的に安藤選手と金丸選手をゲームを通して抑えたことがかなり大きかった。そこを抑えたくて、1Qはヘルプに行っている選手のところからやられてしまい、チームの中で冷静な選手とパニックになっている選手がいて歯止めが効かなくなってしまった。

いいオフェンスも出来なくて、特に隆一が1Qずっと出てていても、ボールが動かなくてボールをさわってない状態で島根にイニシアチブを取られてしまった。

それでも2Q以降はみんなが我慢しながら我慢しながら、ひとつずつポゼッションを返していけたかなと思います。これもレギュラーシーズンからずっと、自分たちが(状態が)いい時のイメージを共通理解出来ていたように思うので、こういう戦いが出来たのかなと思います。

今日はこうやって3Q、4Qで自分たちはビッグクォーター作れたんですけど、最初にあそこまでやられるとなかなか難しいと思うので、明日は出だしから良いディフェンスをして、オフェンスもチームのコンセプトをしっかりしながらアドバンテージアタック出来るようにしていきたい。

 

——2Q以降、島根のスリーポイントは3/18でした。機動力のあるラインナップで対応したことでの成果でしょうか?

そうですね。ピックアンドポップでジャックのところを狙われていたので、スイッチかレイトコンテストするのかとか悩みながらでした。そこの答えをちゃんと明日出したい。

 

——島根のゾーンディフェンスがゴール下、かなりコンパクトになって攻めあぐねていました。ダーラム選手を中心にペイントエリアを攻略したこと、ボールムーブとバランスよく攻めたことで終盤の逆転につながったのでしょうか?

1Qは自分たちのやりたかったペイントタッチとボールムーブメントが出来なくてリズムが悪かったです。2Qはオフェンスの重たい部分が出ていた。3Qは出だしあまり良くなかったが成が入ってる時、ボールムーブメントがしっかり出来るようになって、隆一や今村のところでインサイドアウトのボールが出てくる事が多くなった。そこが今日のオフェンスの鍵だったのかなと思います。

 

——後半、終盤にかけてはビュフォード選手がずっとシュートを打っている状態でしたが、ある程度やりたい守備を仕向けることが出来たということでしょうか?

安藤くんのところでやられるのが怖かったんです。ビュフォード選手のところはある程度やられるというのはわかっているし、とはいえ安藤くんや金丸くんのところでやられだしたらキリがなくなるので。そこのところで今日はゲームプラン通りみんながプレーできたかなと思います。

安藤くんは先日のアルバルク戦の後に小酒部くんのインタビューを見て、絶対にやってやると言って、次の日にオンファイヤーしていたので。(次戦は)そのあたりも踏まえて僕たちはチームとしてゲームプランをみんなで遂行出来るようにしたいなと思います。

 

——21点差をひっくり返せたこと、この1勝を手にすることができたことはとても大きいと思います。次戦で一気に決めたいと思いますが、次戦への思いを。

ひとつめを取って1勝出来たことはかなり大きいと思います。このひとつを取るためにかなり冷静になって、追い上げての勝ちだったので、自分たちも疲れであったり、リスクは出てしまったというのが間違いなくあります。

次戦はお互いに死力を尽くして戦うことになると思います。ただその中でも常に自分たちはやるべきこと、チームで共通理解を持って冷静に戦うということ、今シーズンやり続けてきたことを出来るかが鍵になると思います。そこの準備をしっかりして戦いたいと思います。

今日の勝ちはブースターのみなさんに勝たせてもらったようなもの、CSで8,000人も入るというのはすごい、鳥肌が立つくらい楽しかったです。

 

——先ほど安藤選手にやられたくなかったと仰っていた話の中で、小酒部選手の映像を見たというのはメディアや一部のファンの間で話題にはなっていると思います。桶谷ヘッドコーチはコート上のことだけでなく、チャンピオンシップではコート外のことや空気感なども分析の対象として戦略を決めているということなんでしょうか?

そうですね。そういうことも踏まえてチームというのは生き物なんです。そういう生き物を活発にさせるのも自分たちだし、停滞させるのも自分たちです。いかに彼らの中でXファクターというか、人だけでなくて、瞬間瞬間がそれになると思うんですけど、それを出させないようにするか、怪しい雰囲気になったときにいかにその空気を止められるかというのが僕が一番試合中に考えていることです。

試合前も試合中もそれを踏まえて采配をしています。分析だったり、試合の情報というのはアシスタントコーチ陣がしっかりやってくれるので、役割分担をしながらやっていきたいと思います。

 

島根スサノオマジック  ポール・ヘナレHC

 

——試合の総括

もちろんここに勝つために来たわけで、今日は相手チームに対して競れる所はいくつもあったが、勝利するにはいろんな要素が足りなかった。非常に残念ではあるが、明日またチャンスはあるのでそれを信じて行くだけかなと思います。

 

——リバウンドに関しては琉球と互角以上でしたが、リバウンドに関してはいかがでしたか?

今回のゲームプランの中で、リバウンドの占める割合はかなり大きいと言ってきたので、今日の数字は出来ていると思うんですけど、やはり勝つためには足りなかった。競る事が出来た要素はあったと思います。

 

——チャンピオンシップのアウェー戦という、普段の力が出しづらいシチュエーションの中でも、ほとんどのスタッツで普段と同じくらいのパフォーマンスができた理由と、唯一、ファストブレイクポイントはいつもの半分だったのですが、その理由を教えて下さい。

ファストブレイクのポイントより、ゲームが変わったのはスリーポイント、特に岸本選手、今村選手、並里選手の3人を中心に(チーム全体で)48%の確率で決められた所だと思う。

 

——本日、白濱選手が17得点、スリーポイント4/6と大活躍していましたが、この活躍は最初から島根のオフェンスパターンに入っていたものでしょうか?それとも白濱選手自身がタフショットを決めたという事でしょうか?

チームを支えるロールプレイヤーの活躍が求められるチャンスが絶対来る、という話をしていたので、彼にその気持ちの準備ができていた証拠だと思う。この活躍に特に驚きはなくて、もしかしたら今日は特別良い集中で、いつも以上の力を出せたのかもしれないが、彼の普段からのプレイスタイルが今日の活躍に結び付いたと思う。ディフェンスもいつも以上のプレーの質があって成績に表れている。今日の彼はオフェンスもディフェンスも非常に素晴らしかった。

 

——安藤選手は4Qに一本しかシュートを打ってなかったが、それはチームの戦略だったのですか?

安藤選手は勿論エクスキューションを高めるためにプレーしていたが十分ではなかったのと、単純にシュートが落ちてしまったという事かなと思います。

 

——ニカ選手の退場も含めたビッグマンのファウルトラブルの要因と、明日の試合へ向けての改善を教えてください。

フィジカルゲームになるのは分かっていた。トラビスとニカがコートにどれだけ長くいるかが重要になってくるので、明日はアジャストメントが必要なのは間違いない。今日はフィジカルゲームだったのでやむを得なかった。

 

——島根は1-3-1や2-3のゾーンといったチェンジングディフェンスで対応していたが、ディフェンス面に関しての手応えと、明日へ向けての修正点を教えてください。

いろいろトライはしたけど、後半だけで57点というのを考えるとディフェンスは機能してなかったのは間違いないと思うので、具体的な部分はしっかり映像を見て、いくつか確認して明日に向けて修正したい。

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この記事を書いた人

1983年11月5日生。東京都豊島区出身。那覇市在住。母が那覇市出身で2015年に沖縄移住。沖縄バスケットボール情報誌OUTNUMBERゼネラルマネージャー。
中学2年生のウインターカップ(1997年)で、当時圧倒的な強さを誇っていた能代工業を追い詰める北谷高校の勇敢な戦いぶりに衝撃を受け、以来沖縄のバスケットボールを追いかけるようになる。野球やサッカーに並ぶように、バスケットボールのジャーナリズムを発展させていくことを目指し、2018年10月にOUTNUMBERを創刊した。
2020年にはOUTNUMBER WEB、OUTNUMBER YOUTUBEを運用開始した。

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