2月15日(日)、アルティーリ千葉 vs 琉球ゴールデンキングスGAME2が千葉ポートアリーナで行われ、55-73でアウェーのキングスが連勝した。
前日のGAME1、#14 岸本隆一による劇的なゲームウィナーで接戦を制したキングス。バイウィーク前最後の試合となるこのGAME2は、キングスはロスター全員が出場。前節からの10日間に渡る長期遠征の最後を、選手の負担をシェアさせつつ勝利を手にすることができた。

第1クォーター:岸本の連続3PとプレスDでキングスが主導権を握る (A千葉 13-19 キングス)
キングスは#17 崎濱秀斗を先発起用したが、序盤は積極性に欠け、中途半端なプレーからターンオーバーを喫するなど停滞を招いた。しかし、残り1分32秒からのオールコートプレスディフェンスへのシフトでリズムを取り戻す。猛烈なプレッシャーでA千葉のミスを誘発すると、代わって投入された #14 岸本隆一が連続3ポイントを沈めて主導権を奪還。19-13とリードを奪い、崎濱の不調を戦術の切り替えで即座にリカバリした。

第2クォーター:A千葉の逆転許すもキングスベンチ陣が流れを引き戻す (A千葉 21-19 キングス)
A千葉が意地を見せる。残り4:55、A千葉のHCチャレンジ成功を契機に流れが変わり、#24 大塚裕土の2本目の3ポイントなどで26-25と逆転に成功。ここでキングスを救ったのは #34 小野寺祥太の献身的な守備と#2 小針幸也の果敢なペイントアタック である。ベンチメンバーがリードを死守し、34-38の4点リードで前半を折り返した。


第3クォーター:キングスが3BIGがインサイド制圧、堅守でリードを広げる (A千葉 11-17 キングス)
試合の分岐点は残り8:37、A千葉のインサイドの要である#33 エヴァンス ルークが3つ目のファウルを犯した場面だ。キングスはこの隙を突き、 #4 ヴィック・ロー、#53 アレックス・カーク、#45 ジャック・クーリーによる「3BIG」そして #18 脇真大の執拗なディフェンス圧力で相手のミスを量産させた。55-45とリードを2桁に乗せ、試合の主導権を完全に掌握した。

第4クォーター:黒川の追撃を岸本が断つ、鉄壁守備でキングスが完勝 (A千葉 10-18 キングス)
A千葉は#3 黒川虎徹の連続得点でキングスを猛追、一時4点差まで詰め寄る。しかし、キングスは#14 岸本隆一が勝負を決定づけるこの日4本目の3ポイントを沈めてA千葉の追撃を断ち、3BIGによる鉄壁のリムプロテクションで4クォーターを10失点に抑える。最終スコアは55-73と、キングスが18点差をつけて連勝を飾った。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2026/02/15 A千葉 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト


主要選手のパフォーマンス
#45 ジャック・クーリー (18得点 / 12リバウンド / 6ブロック ) : ペイントエリアで圧巻の存在感を見せた。6ブロックを記録してペイントエリアを死守。
#53 アレックス・カーク (16得点 / FG成功率 77%) : フィールドゴール9本中7本成功という驚異的効率。3BIGの一角としてスペーシングと得点を両立した。
#14 岸本隆一 (15得点 / 3P 4/8) : 第1クォーターの主導権奪還、第4クォーターの決定的な3ポイントシュート。クラッチ能力で反撃の芽を摘み取った。
#4 ヴィック・ロー (5得点 / 10リバウンド / 4アシスト) : 得点以外の項目で試合を支配。10リバウンドは彼の万能性を際立たせる素晴らしいスタッツ。
#2 小針幸也 (2得点 / プラスマイナス +6) : 3番目のガードとして出場し、流れを繋ぐ重要な役割を完遂。
#8 佐土原遼 / #34 小野寺祥太 : ベンチからディフェンス強度を維持。佐土原は外国籍選手相手にフィジカルで対抗。
勝敗を分けたキーファクター
鉄壁のリムプロテクション
キングスは組織的守備でA千葉の2P成功率を29.7%(11/37)という低確率に封じ込めた。#45 ジャック・クーリーの6ブロックを筆頭に、脇、松脇、小野寺らウイング陣もブロックを記録。ガードからセンターまでが連動してペイントエリアを封鎖し、ドライブを許してもタフショットを強いるキングスのアイデンティティを取り戻した。
3BIGラインナップの戦術的優位
エヴァンス ルークのファウルトラブルという相手の弱点を突いた「3BIG」投入が、決定的な破壊力をもたらした。高さと強さでインサイドを支配し、 ペイント内得点で40対20 とダブルスコアを記録。相手のウイークポイントを的確に突いていった。
セカンドチャンスからの加点
キングスは12本のオフェンスリバウンドから 10点のセカンドチャンスポイント を創出した。守備を完遂した直後にリバウンドを奪われ、再び失点する展開はボディブローのように効き、A千葉の守備的集中力と戦意を著しく削ぐ心理的ダメージを与えた。

ヘッドコーチ・選手会見の要約
琉球ゴールデンキングス 桶谷大HC
Q:本日試合の総括
桶谷HC: 昨日よりも出だしは悪くなかった。相手(A千葉)に怪我人(ポーター、シャヨク)が出たことで自分たちに分があったが、それを踏まえても前半はオフェンスで良いフィニッシュができなかった。 しかし、シュートが入らない時間帯やターンオーバーが続く時間帯でも、ディフェンスで我慢できた点は良かった。昨日と違い、ディフェンスリバウンドをしっかり支配できた。 反省点は、シュートが入らない時間帯にオフェンスリバウンドへあまり行けていなかったこと。疲れなのか、A千葉の早いトランジションを警戒しすぎたのかは分からないが、分厚いオフェンスができなかった。バイウィーク中に課題を克服し、さらに選手層の厚いチームにしていきたい。
Q:インサイドのアドバンテージについて。競り合いの中でクーリー選手が目立ったが、指示通りだったのか?
桶谷HC:GAME1では 相手が「ハードショウ(ボールマンに対して激しく出る守り方)」をしてきた時に、そこからのダイブが遅かったり、していなかったりという課題があった。今日は、ハードショウに対して一度ボールを散らしながら、しっかりとインサイドへダイブすることでアウトナンバー(数的有利)を作ることを徹底した。その結果、昨日よりもそこでのスコアが増えたので良かった。
Q:若手の崎濱秀斗選手が2日続けて苦しんだようだが、その原因と評価は?
桶谷HC: プレータイム約5分でも得失点差(+/-)はプラス1だったので、昨日とは質が違うし、これくらいやれれば合格点だと思う。 また、今日は小針幸也が3番手のガードとして素晴らしかった。4分38秒の出場でプラス6という数字以上に、つなぎの役割を果たしてくれた。後半、岸本を休ませるタイミングがあれば出したかったが、岸本が良い流れ(ラン)を作っていたため出せなかった。総じて小針は今日良かったので、またチャンスを与えられるようにしていきたい。
Q:久しぶりに対戦したアルティーリ千葉の印象は?
桶谷HC: 自分たち以上にアグレッシブなディフェンスを持っている。プレシーズンから見ているが、特に黒川虎徹選手が本当に成長していると感じた。チームとしても「やりたいこと」が明確で、全員が連動して動いているため、非常にやりづらいチームだった。渡邉伶音選手のような若い選手が活躍しており、将来性のある選手たちが躍動していると感じた。
Q:Bリーグと世界のバスケットの質の違い(サイズ差など)についてどう考えるか?
桶谷HC: (イタリアやオーストラリア遠征で感じたこととして)日本のガードは小さいが、スピードで相手を混乱させることができ、そこは通用する。 世界と日本の一番の差は「シュート力」だと考えている。世界ではサイズがある選手でも、モバイル(動ける)な選手でも、みんなシュートが入る。日本も渡邉伶音選手のようなサイズがあってシュートが打てる選手が出てくることは、世界と戦うために非常に大切。 「フィジカルで負ける」というのはある種の噂や思い込みで、実際にはアジリティやクイックネス、規律正しさなど日本が勝る部分は多い。正しいマインドセットを持てば世界とも十分に戦えるし、Bリーグからも世界に出ていける選手が増えると思う。

琉球ゴールデンキングス 小野寺祥太
Q:本日試合の総括
小野寺: 前半に関しては、ボールムーブがない時間帯があったり、セカンドチャンスやリバウンドの部分でチームとしての意識が足りなかったりする部分があった。 しかし、後半はその中でもしっかりとチームでボールを回し、我慢しながら戦うことができた。その結果が、今回の勝利につながったと思っている。
Q: ここからバイウィーク(中断期間)に入るが、チームとしてどう練習していきたいか?またシーズン終盤戦への意気込みは?
小野寺: チームには良い流れと悪い流れがあるものだが、現在はしっかりと良い流れに乗れてきていると思うので、そこは継続してやっていきたい。 課題としては、ディフェンス面でまだ相手に小さな隙を作られてしまう場面があるので、その部分をしっかりと修正したい。オフェンス面については、「ペイントタッチ(制限区域内への侵入)」を意識して、このバイウィークを過ごしていきたい。
Q:3月、4月はホームゲームが多くなるが、そこへ向けての意気込みは?
小野寺:やっとホームで戦えるということで、本当に皆さんの力を借りながら自分たちも戦っていきたい。 シーズン後半戦、CS(チャンピオンシップ)に出場するためにもファンの方々の応援をよろしくお願いします。

琉球ゴールデンキングス 佐土原遼
Q:本日試合の総括
佐土原: チームとして本当に良い流れのバスケットができた。流れが途切れる場面もあったが、それでも我慢して、1試合を通して自分たちのやりたいバスケットを貫けたので、そこはすごく良かった。 ただ、個人的には少し課題が残った試合だったと思う。これからバイウィークに入り代表活動などもあるが、そこを修正して次のレギュラーシーズンに向けてやっていきたい。
Q:攻守ともに非常に調子が良いが、控えから試合に出る際はどのような気持ちで臨んでいるか?
佐土原: 正直なところ、アシスタントコーチからも「ディフェンスから入ろう」と言われており、そこを意識している。また、自分の役割として外国籍選手とマッチアップすることも多いため、そこは「(相手に)やられないように」という強いメンタリティを持って、試合の最初に入るようにしている。
Q:昨日の試合(GAME1)は劇的な展開だったが、どう感じていたか?
佐土原: 3クォーターや4クォーターの初めに10点ほどリードしていたところから追いつかれてしまったのは、自分たちのチームの課題である。 しかし、それでも勝ち切れたことは、チームとしての団結力がついた証拠でもある。「勝ち切る」ことは非常に大事なことなので、「勝って反省するところは反省する」という形で受け止めた。
Q:代表活動への意気込み
佐土原: 今回、(ホームである)沖縄で試合ができることを自分自身すごく楽しみにしている。ファンの皆さんが会場に来て声援を送ってくれることを願っている。日本のために頑張るので、応援よろしくお願いします。

次戦への展望
レギュラーシーズン4連勝という最高の結果で突入するバイウィークは、琉球ゴールデンキングスにとって再充電と進化のための重要期間となる。代表活動により#8 佐土原遼ら主力が不在となるが、これは残るメンバーが個々の課題(特にオフェンスの停滞解消やリアクションの速さ)に向き合い、チームの底上げを図る絶好の機会だ。特に#8 佐土原遼が「自チームのホーム(沖縄・サントリーアリーナ)」で開催される代表戦で飛躍することは、チームにとっても大きな刺激となるだろう。
(写真提供:琉球ゴールデンキングス、構成:湧川太陽)


