2月14日(土)、アルティーリ千葉 vs 琉球ゴールデンキングス GAME1が千葉ポートアリーナで行われ、85-87でキングスが逆転勝利した。
キングスは、前週末は川崎でアウェー戦、水曜日にフィリピンでEASL(東アジアスーパーリーグ)を戦い、そしてこの千葉のアウェー戦と、国境を跨いでの長期遠征日程の最中にあり、主力のコンディション調整と同時に、地力の深さが問われる局面であった。対するA千葉にとっては、直近の連勝という勢いを上位勢に対してどこまで通用させられるか、B1での地力を試す重要な一戦である。
A千葉はインサイドの核である#33 エヴァンス ルークが2月1日以来のロスター復帰。一方のキングスも2月8日(日)の川崎戦を欠場した#21 デイミアン・ドットソンがロスターに戻り、大黒柱の#45 ジャック・クーリーを1月4日(日)の三河戦以来約1ヶ月ぶりにスターターで起用した。
最終スコアは85-87。わずか1ポゼッション差で決したこの一戦は、前半に高いディフェンス強度とオフェンスリバウンドを支配したA千葉に対し、ハーフタイムでの戦術修正によって後半に息を吹き返したキングスという展開。前半のA千葉はオフェンスリバウンドを16-7と圧倒し、セカンドチャンスから得点を量産。しかし、後半に入るとキングスが修正力を発揮。ペイントアタックからのキックアウトでA千葉のディフェンスを揺さぶり、ペイントエリアにスペースを作ると前半沈黙していた#45 ジャック・クーリーが本来のリバウンド力を見せる。終盤、A千葉は驚異的な追い上げを見せたが、最後はクラッチタイムでの遂行力と経験値で勝るキングスが逃げ切る形となった。
第1クォーター:A千葉のインテンシティとキングスの重い立ち上がり (A千葉 17-12 キングス)
立ち上がり、A千葉はディフェンスで高いインテンシティを見せる。キングスのピックアンドロールに対してハードショーでボールマンにプレッシャーを仕掛けて主導権を握る。#11 杉本 慶の3Pなどで7-0のランを見せる。キングスは移動の疲労からか体が重く、ショットクロックバイオレーションを連発する。しかし、途中投入された#14 岸本 隆一が即座に3Pを沈めて停滞を打破。岸本の8得点の活躍でキングスが流れを押し戻すものの、17-12とA千葉リードで終了した。
ALTIRI CHIBA vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2026.02.14]
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Ryukyu's Ryuichi Kishimoto scores a three-pointer.pic.twitter.com/uV98YUzlAi
第2クォーター:A千葉のリバウンド支配とキングスの粘り (A千葉 18-21 キングス)
A千葉の勢いは継続し、オフェンスリバウンドを奪い続ける。#33 エヴァンス ルークや#3 黒川 虎徹の得点で一時は2桁点差をつけた。一方のキングスは、#8 佐土原 遼がペイントエリアへの力強いアタックでエンドワンを奪うなど、このクォーターだけで11得点を挙げる。A千葉のオフェンスリバウンド支配に対し、キングスは個の力で食らいつき、35-33の僅差でハーフタイムへ。


第3クォーター:キングスが戦術修正で反撃開始 (A千葉 21-29 キングス)
後半開始直後、キングスはこの日好調の岸本がいきなり3ポイントを決めて35-36と逆転に成功。後半からキングスは戦術を修正。ピックアンドロールではなくピンダウンスクリーンからのカールカットを多用して、オフボールの状態でA千葉の執拗なマークを振り切りペイントエリアにアタック。ディフェンスで仕掛けられないA千葉は、オフェンスのリズムも失いターンオーバーが増えてくる。さらに#45 ジャック・クーリーがオフェンスリバウンドを奪い返し、インサイドの主導権を奪還した。このクォーターを56-62とキングスが6点リードとして最終クォーターへ。

第4クォーター:黒川虎徹の猛追と岸本隆一のクラッチショット (A千葉 29-25 キングス)
最終クォーター、A千葉の#3 黒川 虎徹がその類稀なオフェンス才能を発揮して、このクォーターだけで13得点を叩き出す活躍を見せる。残り1:55には黒川の3ポイントで80-79とA千葉が逆転。ここから両者一進一退のシーソーゲームとなるが、残り1秒、キングスはエンドラインからのロングスローでフロントコートに一気にボールを運ぶと、パスを受けた岸本が冷静に3ポイントを沈めて85-87と逆転。これが決勝点となり、キングスがアウェーで劇的な勝利を収めた。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2026/02/14 A千葉 VS 琉球 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
ALTIRI CHIBA vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2026.02.14]
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Ryukyu's Ryuichi Kishimoto scores the winning shot.pic.twitter.com/EOqNuAZI38

主要選手のパフォーマンス
琉球ゴールデンキングス
#14 岸本 隆一 19得点を記録した、真の「ゲームチェンジャー」。彼がコートにいる時間帯は、チーム全体のオフェンスにリズムをもたらした。第3Qの逆転劇は、彼の支配力なくしてはあり得なかった。

#8 佐土原 遼 前半の劣勢を支え、最終的に15得点を挙げた。外国籍選手と対峙しても引けを取らない強靭なフィジカルでインサイド・アウトサイドを問わず高い遂行力を見せた。
#45 ジャック・クーリー 前半はリバウンドで苦戦したが、後半に見せた修正能力は圧巻。最終的に13リバウンド(OR7)を記録し、ペイントエリアを再制圧した。彼がゴール下でもたらす強度は、僅差の試合を勝ち切るための不可欠な要素であった。
アルティーリ千葉
#3 黒川 虎徹 負傷明けながら、チーム最多の24得点を記録。特筆すべきは第4Qでの13得点という爆発力だ。クラッチタイムで見せたシュートクリエイションの効率は、B1トップクラスのガード陣とも遜色ないレベルにあることを示した。
ALTIRI CHIBA vs RYUKYU GOLDEN KINGS [2026.02.14]
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ALTIRI CHIBA's Kotetsu Kurokawa scores with a floater.pic.twitter.com/7lB1llIQat
勝敗を分けたキーファクター
リバウンド支配権の逆転
前半、A千葉はオフェンスリバウンドで16-7と圧倒したが、後半はキングスがフロアを効果的に広げることで、#45 ジャック・クーリーを起点にリバウンドを奪い返した。最終的にトータルリバウンドで40-39とキングスが逆転したことは、A千葉が「強み」を継続できなかったことを意味する。
ターンオーバーがもたらした自滅
前半を2つのターンオーバーに抑えていたA千葉だが、3Qの勝負所でターンオーバーを連発。最終的にもポインツオフターンオーバーが10-11とキングスに逆転されてしまった。リバウンドの優位性を維持できなかったことが、オフェンスリズムを失うことにも繋がってしまった。

クラッチタイムの「強者のメンタリティ」
最終盤のシーソーゲームの時間帯でのキングスの落ち着きが勝敗を分けた。クラッチショットを決めたヴィック・ローや岸本隆一は勿論のこと、タイムアウトが残っていない状況で冷静にヘッドコーチチャレンジを使い、最後のスペシャルセットプレーを遂行させたベンチ陣を含めて「強者のメンタリティ」を発揮して勝利を掴み取った。


ヘッドコーチ・選手会見の要約
琉球ゴールデンキングス 桶谷大HC
試合の総括
「ジェットコースターのようなゲームだった。出だしはA千葉の激しいスクランブルディフェンスに苦しみ、主導権を握れない苦しい展開となりました。終盤には、セットプレーを減らして流れの中でのオフェンスに切り替えましたが、ターンオーバーからの失点や、A千葉・黒川虎徹選手の好守に阻まれ、最後まで予断を許さない状況が続きました」
「24秒バイオレーションにかかる場面があったため、セットプレーにこだわらず、『早めのピックプレーで相手を剥がす』ことと『スペーシングの確認』を徹底させました。 後半、特に相手のキーマンとなっていた黒川選手への対応を再確認し、守備の修正を図りました」
「勝利したものの、リバウンドは自分たちの生命線。次戦に向けてリバウンドの確保と、相手の激しいディフェンスに対して冷静にプレーしたい」

琉球ゴールデンキングス 岸本隆一
「(最後の3ポイントシュートは)打った瞬間、いい感触があったので入ったと思いました」
「試合スタート時のリズムが良くなかったので、全員で積極性を出していきながら2クォーターで少し修正しつつ、後半にアジャストできた。A千葉はペースの早いチームで、ビッグマンも走ってくる。自分たちが今日の勝利をより価値のあるものにできるように、明日のGAME2はもっと激しくプレイしていきたい」
次戦への展望
A千葉にとっては、敗れはしたものの西地区の強豪と互角に渡り合える実力を示した収穫の多い一戦となった。特に#3 黒川 虎徹の復帰と爆発力は今後の大きな武器となる。課題は40分間リバウンドの強度を維持する継続性と、プレッシャー下でのターンオーバーをいかに抑えるか。
一方のキングスは、過密日程の中でもハーフタイムで戦術をアジャストする組織力の高さを見せつけた。スタメン復帰した#45 ジャック・クーリーや#21 デイミアン・ドットソンのコンディションも上昇傾向にある。この日の勝利でキングスは西地区4位は変わらないがCS圏内(全体8位)に復帰。バイウィーク前最後の試合となるGAME2で、キングスは勝利してさらに順位を上げておきたい。
(写真提供:琉球ゴールデンキングス、構成:湧川太陽)

