沖縄の指導者 約50名が学ぶ「コーチングの本質」
1月25日(月)、那覇市にて、Bリーグ・千葉ジェッツなどでヘッドコーチを務めたジョン・パトリック氏によるバスケットボール指導者向け講演会が開催された。主催は、那覇市のバスケットボールプロショップ「STEP BY STEP」。県内で小・中・高校生を指導するコーチ約50名が参加し、指導者としての在り方やチームづくりについて学びを深めた。
本講演のテーマは「Coaching as a career(指導者という生き方)」。パトリック氏は、自身が長年の指導経験の中で大切にしてきた10項目の信条を提示し、それぞれについて具体例を交えながら解説した。
掲げられた10項目は以下の通りである。
1. Identity + Leadership
2. Defensive Culture = Pride
3. Communication + Trust
4. Relationship + Ecosystem
5. Physical Standards
6. Mental Toughness + Self Confidence
7. Pace + Playing Styles
8. Skills + Habits
9. Preparation + Scouting
10. Reflection + Improve
戦術論にとどまらず、選手との信頼関係の築き方や、指導者自身の価値観・姿勢の重要性など、「人を育てる」視点が随所に盛り込まれた。

主催したSTEP BY STEPの屋嘉謙吾氏は、開催の経緯について次のように語る。
「ジョン・パトリック氏は、以前千葉ジェッツでヘッドコーチをしていましたが、大学時代に近畿大学へ留学し、その際に角田俊成さん(元 日本代表選手、現 宜野湾高校男子バスケ部監督)と同じチームでプレーしていました。角田さんは現在、沖縄県バスケットボール協会の強化委員長を務めています。沖縄の指導者のレベルアップを図りたいという話をしていた時に、『ジョンが沖縄に来ますよ』と紹介され、ぜひ開催したいと思いました。カテゴリーに関係なく、良い話をみんなに聞いてもらいたかったんです」
また屋嘉氏は、沖縄における指導者育成の課題にも触れた。
「スクールは増えてきていますが、指導者が体系的に学べる場所はまだ少ない。だからこそこうした機会を継続的に作っていきたいと考えています」
講演後にパトリック氏自身も、日本、そして沖縄との深い縁について語った。
「大学を卒業するにはエクストラタイムが必要で、ヨーロッパか日本という選択肢がありました。日本語や日本社会を学ぶため、近畿大学に2年間通いながらバスケットをプレーしました。1991年に角田と一緒にプレーし、1992年には北谷高校でクリニックを行いました。それ以来、30年間で100回近く沖縄に来ています」
沖縄バスケット界と長年関わってきたパトリック氏だからこそ語れる言葉に、参加者たちは熱心に耳を傾けていた。
STEP BY STEPでは今後も、日本のトップコーチを招いた講習会を継続的に開催していく予定である。次回は2月11日(祝)、元女子日本代表ヘッドコーチ・恩塚亨氏を講師に迎えた講演会が予定されている。
指導者が学び、成長することは、そのまま子どもたちの未来につながる。今回の講演会は、沖縄のバスケットボール文化を底上げするための重要な一歩となった。
(取材、文:金谷康平)


