1月25日(土)、琉球ゴールデンキングス vs 宇都宮ブレックス GAME1が沖縄アリーナで行われ、86-105でアウェーの宇都宮が勝利した。
前節終了時点でキングスは西1位、宇都宮は東1位と東西首位対決であり、キングスと宇都宮はともに7連勝中と好調チーム同士の対決だった。さらに宇都宮のケビン・ブラスウェルヘッドコーチが心臓疾患のため17日に緊急入院後の最初の試合でもあった。
1クォーター 先手を奪う宇都宮
キングスのスターティングメンバーは、#3 伊藤 達哉、#4 ヴィック・ロー、#12 ケヴェ・アルマ、#15 松脇 圭志、#53 アレックス・カーク。
宇都宮のスターティングメンバーは、#6 比江島 慎、#9 遠藤 祐亮、#10 竹内 公輔、#25 D.J・ニュービル、#34 グラント・ジェレット。
宇都宮は比江島、ジャレットが連続でスリーポイントが決めてスタートダッシュに成功。キングスはカークのインサイド、ローの1on1で応戦するが、宇都宮はこの日好調のジャレットがオフェンスリバウンドからの2本のダンク、さらにスリーポイントを決めて、10-18と立ち上がりの5分半で宇都宮がリード。
キングスは最初のタイムアウトで悪い流れを断ち切り、ベンチスタートの#45 ジャック・クーリーがオフェンスリバウンドからゴール下を決める。さらに松脇のスリーポイント、クーリー、ローがペイントで得点して2点差まで追い上げ、23-25で1クォーター終了。
2クォーター 停滞するキングスオフェンス
2クォーター、宇都宮は立ち上がりラインクロス、エンドスローインのミスと連続ターンオーバー。25-25の同点となり宇都宮はタイムアウト。タイムアウトあけ、宇都宮は#7 小川 敦也のスリーポイント、キングスは#14 岸本 隆一がトリッキーなドリブルから遠藤を抜き去り、華麗にジャンプシュートを沈める。さらに速攻からローのスリーポイント、#18 脇 真大のコーナースリーポイントなどで33-30とキングスが逆転に成功。
互いにシュートが決まり続けるかと思われたが、2クォーター中盤からキングスの得点が停滞する。一方、宇都宮は絶好調のジャレットが止まらない。2本のスリーポイントを含む8得点を加える。ジャレットは前半だけで20得点を記録。宇都宮がリードを広げ、35-45で2Qを終了した。
3クォーター 宇都宮の流れを止められないキングス
3クォーター、キングスのスタートはロー、岸本、脇、小野寺、クーリーと試合開始とメンバーを変更。
脇のコーナースリーと速攻からのレイアップで、40-45と5点差まで詰め寄るキングス。 宇都宮は、遠藤、比江島のスリーポイントやニュービルの1on1など多彩な攻撃でキングスを翻弄、中と外のバランス良く確率の高いシュートを放った。キングスは カークとクーリーがインサイドで奮闘するも、宇都宮に傾いた流れを止めることができない。終了間際に松脇のディープスリーで一矢報いるも、3クォーター終了時のスコアは59-74と宇都宮がさらにリードを広げた。
4クォーター リバウンドでも圧倒されるキングス
4クォーター、ディフェンスから流れを掴みたいキングスは、伊藤がボールマンにプレッシャーをかけ、#18 鵤 誠司からバックコートバイオレーションを誘う。
#10 荒川 颯は切れ味鋭いクロスオーバーでマッチアップの比江島をかわし、スリーポイントを放つ。シュートは落ちるが、比江島のシュートファールを誘うと、 得たフリースロー3本をきっちりと沈めた。
諦めない姿勢こそ示し続けたキングスだが、この日は宇都宮のパフォーマンスが大きく上回った。比江島とジャレットの2メンを起点に、キングスのディフェンスをいなし、オープンシュートを作り出す。試合を通じて38本中18本(成功率47.4%)のスリーポ イントを成功させた。テンポの良いオフェンスはリバウンドでも大きな差を生み、キングスの29(OR 16/DR 13)に対し、宇都宮は41(OR 17/DR 24)と圧倒。最終スコアは86-105と東西首位の直接対決GAME1は宇都宮に軍配が上がった。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2025/01/25 琉球 VS 宇都宮 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
桶谷HCは試合後の記者会見で「宇都宮の3ポイントを警戒してスイッチを増やしたが、リバウンドが取れなくなり、やらせたくない事を全部逆にやられてしまった。戦術面はこちらの責任」と自分たちがさらに試合巧者として成長するための試練だったと語り「切り替えてGAME2にどう跳ね返していくかが自分たちの課題」とGAME2での逆襲を誓った。
この試合、3ポイント10本中2本と不調だった松脇について問われると、桶谷ヘッドコーチは「オープンのシュートは作れていた。あれが入っていれば別の展開になったかもしれない。」と語り、「シュートを打つのが松脇の仕事。シュートが入っていないから松脇を交代させるかと言われればそうはならない。もし松脇のシュートが落ちて負けるなら、それはヘッドコーチである僕の責任」とチームを支えるシューターへの揺るぎない信頼を語った。
この日15得点 3ポイント3本全て決めた脇は、レギュラーシーズンでは12月15日秋田戦以来のベンチスタートだったが「最近はアグレッシブさが無くなっていたので、ディフェンスからプレッシャーを強めてリズムを掴めたと思う」と自身のプレーにある程度の手応えを感じていたが、「自分たちのエナジー含めてソフトになってしまった」と東西首位対決GAME1を落とした事を悔やんだ。
3ポイント3本成功は脇のキャリアハイ。「どのチームもスカウティングの結果僕がオープンにしてきますが、そういう場面でも打ち切って決め切るメンタルを作ってきました。今後もオープンにされるかもしれませんが、良いシュートを打ち続けられるように頑張っていく」と強気のコメントでGAME2でのリベンジを誓った。
キングスはこの日の敗戦で23勝8敗となり、西地区首位をキープしつつも2位島根とのゲーム差は3.5差と微減。プレーオフも見据えて宇都宮にホーム2連敗は許されない。翌日1月26日のGAME2は再び戦う姿勢を見せて勝利したい。
(文:金谷康平、編集:湧川太陽、写真:Hamataro)