キングス、アウェー台湾で36点差の敗戦 EASL ニュー・タイペイ・キングス vs 琉球ゴールデンキングス [2025.01.08]

1月8日(水)、東アジアスーパーリーグ(EASL) ニュー・タイペイ・キングス vs 琉球ゴールデンキングスがニュー・タイペイのホーム新荘体育館(台湾・新北市)で行われ、ホームのニュー・タイペイが勝利した。

EASLグループB首位を走る琉球はここまでEASLを無敗、すでにグループリーグ突破を決めている。対するニュー・タイペイは1勝2敗でグループ4位。この日のホームゲームはファイナル4進出のためにも絶対に負けられない戦いだった。

 

目次

1Q ニュー・タイペイの手痛い先制パンチを浴びる琉球

琉球のスターティングメンバーは、岸本、脇、ロー、カーク、クーリー。琉球は今季初のスタートからのスリービッグラインナップだ。

先制点はニュータイペイ。元NBAプレーヤーの#7 ジェレミー・リンが最初のシュートを決める。ニュータイペイが連続得点するが琉球もカークの連続得点で4-4の同点に追いつく。

ジェレミー・リンとのマッチアップは沖縄アリーナのホーム戦と同じく脇が務める。ジェレミーは脇をかわしてシュートファウルを獲得。さらにニュータイペイは#25 Austin DAYE、#1 ジョセフ・リンと連続得点。ホームチームのシュートに盛り上がる新荘体育館。

琉球は岸本のドライブ、松脇の右コーナー3ポイントで応戦するが、#25 オースティン・デイ、#31 Sani SAKAKINIが得点して残り2:32で14-8となり琉球がタイムアウト。

タイムアウトあけ、琉球は伊藤、松脇、小野寺、ロー、カークの布陣。小野寺が強気のドライビングレイアップでファウル獲得。

残り1:41、ニュータイペイはジョセフがこの日2本目の3ポイントを決める。さらにジェレミー・リンがドライブで小野寺とクーリーをかわしてレイアップを決め、19-10。リン兄弟がチームを引っ張るニュー・タイペイの形を止められない琉球。

1クォーター最後のローの3ポイントは外れるが、松脇が空中でプットバックでフォロー。1クォーター終了時のスコアは、19-12でニュータイペイが7点リード。

 

2Q 琉球の3ポイント不発で広がる点差

琉球のスタートは、伊藤、松脇、荒川、ロー、カーク。

琉球は伊藤がいきなりのドライブでファウル獲得。フリースロー2本しっかり決めて19-14。

琉球は松脇、ローがシュートを放つも、シュートタッチがしっくりこない様子。リズムを掴めない琉球は24秒バイオレーションを犯してしまう。ここでローに代えてクーリーでツービッグを並べる。インサイドを攻めてクーリーが得点。残り7:37 21-16でニュータイペイがタイムアウト。

タイムアウトあけ、琉球はハードショーでニュータイペイのボールマンにプレッシャーをかける。ニュータイペイのオフェンスリズムを崩す事に成功するが、まだ琉球のシュートタッチが当たってこない。

琉球はコーチチャレンジの間、再度作戦を確認する。デザインされたハイローのフォーメーションからカークがスラムダンク。反撃のきっかけにしたい琉球だったが、ニュータイペイはジェレミー・リンが鋭いベースラインドライブから得点。そしてジェレミー・リンからのパスで#31 Sani SAKAKINIがスラムダンクを叩きこみ、27-18。ホームチームの爆発にアリーナに大歓声がこだまする。琉球がタイムアウト。

勢いを止めたい琉球だったが、連続ターンオーバーから#55 Kenneth MANIGAULT JRに2発のスラムダンクを叩き込まれ、31−18と13点差に広がってしまう。

残り30秒、ジェレミー・リンの3ポイントが決まりニュータイペイのホームファンはスタンディングで喜びを爆発させる。2クォーター終了時のスコアは39-22でニュータイペイが17点リード。
琉球は3ポイント13本放って成功無し。得点に直結するターンオーバーも連発して、熱狂的なアウェーの雰囲気に飲み込まれてしまった。

 

3Q ホームの熱狂に乗せられるニュータイペイ

琉球のスタートは、岸本、脇、小野寺、ロー、クーリー。

最初のプレー、脇はジェレミー・リンを相手にベースラインドライブを仕掛けてシュートファウルを奪う。

ニュータイペイはジョセフのミドルジャンバー、Austin DAYEの3ポイントと連続得点で44-23と点差はここまでで最大の21点差まで開く。Austin DAYEはさらに左コーナーから3ポイントを決めて、残り8:06で47-23と24点差で琉球はタイムアウト。

タイムアウトあけに1ゴール返したい琉球だったが24秒バイオレーション。ジョセフのミドルジャンバー、Sani SAKAKINIのバスケットカウント、ジェレミー・リンのジャンパーが決まり、残り6分を切り54-23と31点差まで広がる。

完全に試合の主導権を握ったニュータイペイ。EASLグループリーグを突破するためにも、少しでも得失点を増やしたいニュータイペイは、大差がついた試合でもディフェンスでも手を緩める事無く、琉球オフェンスにプレッシャーをかけ続ける。

リズムを失った琉球はニュータイペイにオフェンスリバウンドも奪われ、自分たちのプレーを遂行出来ない。ローのフリースローやカークのシュートで得点するもアリーナの雰囲気を崩せず、逆にニュータイペイはプレー全てが上手くいき、ジェレミー・リンが連続で3ポイントを決めて64-32。

3クォーター終了直前、Austin DAYEがブザービーターで3ポイントを決め、3クォーター終了時のスコアは70-32。ニュータイペイのリードはここまでで最大の38点差となった。

 

4Q 36点差の大差で敗れる琉球

琉球のスタートは、平良、岸本、植松、ロー、カーク。

スタート直後、ローがAustin DAYEからスティールしたと思われた瞬間、両者が交錯して一触即発の雰囲気。ビデオレビューの結果、両者にアンスポーツマンライクファウルが宣告され、琉球ベンチにテクニカルファウルが宣告された。

異様な雰囲気の中、岸本がこの日チーム初の3ポイントを決める。さらに岸本はファウルを受けながらもう1本3ポイントを決めて4点プレー。

Kenneth MANIGAULT JRが3ポイントで返すが、ローがすぐにフローターショットを決めて残り8:34で74-41となりニュータイペイがタイムアウト。

タイムアウトあけ、岸本はアーリーオフェンスから3本目の3ポイントを決める。残り8分を切り76-44。岸本は連続3ポイントで約2分間で10得点を奪い、アウェーに駆けつけたキングスブースターも歓声を上げる。しかしニュータイペイはAustin DAYEの3ポイント、さらにジェレミー・リンが岸本の前からターンアラウンドジャンパーを決めて残り6:14で81-44。

ニュータイペイの勢いは止まる事は無く、Austin DAYE、Kenneth MANIGAULT JRが3ポイントを決めて、残り2:51で93-51となり琉球がタイムアウト。

琉球は脇の3ポイント、クーリーのバスケットカウントなどで得点するも、ニュータイペイは#72 LIN Li-Jenのコーナー3ポイントが決まり最後までホームアリーナの観客を沸かせ続けた。

琉球は残り26秒、特別指定の塚本が素早いドライビングレイアップで得点、そして台湾まで駆け付けた琉球ブースターのためにも最後までディフェンスプレッシャーを仕掛け続けた。最終スコアは99-63、ホームのニュータイペイが36点差で勝利した。

試合スタッツ:New Taipei Kings vs Ryukyu Golden Kings│East Asia Super League, EASL 24-25

 

 

桶谷HC 「自分たちが積み上げてきた事は間違っていない」

大差で敗れたEASLでのアウェー戦。琉球の桶谷大HCは「この負けは悔しいが、自分たちが積み重ねてやってきた事が間違っているわけでもない。それをもう一度思い出して再度良い部分を積み上げていこう」と試合終了後に選手たちに話した。

 

伊藤達哉は、「ニュータイペイが40分間通して素晴らしいバスケットをしてきた。僕らにとってアウェーは難しい試合になることは分かっていたが、それでも相手に好きなようにやらせてしまった」とEASLでの初敗戦を悔やんだ。

 

キャプテンの小野寺祥太は、「試合スタートからシュートが入らずディフェンスでのミスが続き、それを後半まで引きずってしまったのが敗因」と語った。36点差での敗戦に「大差がついた試合は(10月の)島根戦もあったが、チームとしてバスケットが出来たかと言うとそうではなかったと思う。僕も含めてコミュニケーションが足りなかった。そこを改善しないとプレーオフに入った時に10点差をつけられたら挽回するのが難しくなる。顔を上げてポジティブに戦っていきたい」と、前を向いた。

 

この日28得点をあげたニュータイペイのジェレミー・リンは、昨季から4度目の対戦となった琉球というチームに「大いなるリスペクトを持って戦った」と語り、4クォーターに連続10得点を奪った岸本隆一に対して「本当に岸本にリスペクトを払っている。彼は(12月の)今季初対決で僕らを叩きのめした。今夜は彼にとって難しい夜になっただろうが、僕らはそれだけ彼に集中していたんだ。それが彼に対するリスペクトの証だ」と、琉球のエースを止める事が大事だったと語った。

 

この日の試合を終えて、EASLグループBは琉球が4勝1敗でグループ首位。ニュータイペイは2勝2敗でメラルコ・ボルツ(フィリピン)と勝敗数で並ぶも得失点差でグループ2位に浮上した。

それぞれのEASL次戦は、琉球は1月22日にアウェーでメラルコ・ボルツとグループリーグ最終戦を戦う。ニュータイペイは1月21日にアウェーで釜山KCC (韓国)と、さらに2月12日にホームでメラルコ・ボルツと対戦する。琉球はグループリーグ突破は決めているものの、ニュータイペイの結果次第では逆転でグループ首位を明け渡す可能性が残っている。3月のEASLファイナル4に向けてまだ目が離せない。

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