1月5日(日)、琉球ゴールデンキングス vs 茨城ロボッツ GAME2が沖縄アリーナで行われ、91-66でキングスが勝利した。
キングスのスターティングメンバーは、#4 ヴィック・ロー、#14 岸本 隆一、#18 脇 真大、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。
茨城のスターティングメンバーは、#0 ロバート・フランクス、#13 中村 功平、#14 久岡 幸太郎 、#20 ジェハイヴ・フロイド 、#29 鶴巻 啓太。
登録メンバー全員出場でGAME1を快勝したキングスはスターティングメンバーの変更は無く、一矢を報いたい茨城は#14久岡 幸太郎を起用しGAME2に臨んだ。
1Q 琉球29-21茨城
ジャンプボールを回収した茨城は、スタメン起用の久岡が24秒時間いっぱいで3ポイントを沈め、幸先よく先制する。
キングスは脇がシュートファールを誘い、フリースローで1点を返すと、さらに小野寺のスティールからローの豪快なダンクで同点とする。
茨城はパスがつながらずポゼッションを失うと、キングスはローの3ポイントで逆転に成功。このクオーターはローが絶好調。オフェンスリバウンドをプットバック、さらに1対1からジャンプシュートを沈め連続9得点でチームを引っ張る。好調のローに続き、岸本が連続3ポイントを決め、リードを広げる。
茨城は、フランクス、フロイドのレイアップなどで追い上げる。彼らの持ち味であるスピートを活かし、縦に勝負を仕掛けると徐々に茨城にリズムが生まれ、残り2分半で20-19と1点差まで詰め寄る。
キングスは#3 伊藤 達哉がコートイン、最初のオフェンスでジャンプシュート、続くオフェンスでもドライブからバンクシュートをきっちりと沈める。さらに終了間際には#10 荒川 颯の3ポイントをお膳立てし、29-21とリードを8点に広げ1クォーターを終了した。
2Q 琉球19-10茨城
伊藤が茨城ディフェンスをかき回す。#12 ケヴェ・アルマのハンドオフスクリーンを利用しペイントに侵入すると、そのまま鮮やかなリバースレイアップ。さらに左手で技ありのスクープショットを成功させる。また、速攻からゴール下のカークにパスを通し、両手ダンクをお膳立て。キングスが35-23とリードを広げると、たまらず茨城はタイムアウトを請求。
なんとか立て直したい茨城だが、要所でのシュートは決まらず、ターンオーバーを重ねてしまう。キングスは、#8 植松 義也と#47 平良 彰吾がコートに立つ。平良はしつこいディフェンスとハッスルバックで茨城の速攻を封じるなど、連日にわたりディフェンスで会場を湧かせる。オフェンスではクーリーがリバウンドをもぎ取り、ゴール下での得点を重ねる。茨城はファウルがかさみ、キングスはフリースローで点差を広げた。各選手が持ち味を発揮したキングスが、48-31と17点差にリードを広げ前半を終了した。
3Q 琉球18-21茨城
岸本のレイアップで後半もキングスが先手をとる。茨城は久岡が3ポイントを決め返す。茨城はインサイドの要であるフロイドが4つ目のファウルをコールされベンチに退く。茨城にとっては厳しい状況となり、そこに追い打ちをかけるように脇のレイアップ、岸本の3ポイントなどでキングスは20点差以上にリードを広げる。
粘りたい茨城は#11チェハーレス・タプスコットのフリースロー、フランクスのゴール下、速攻からのレイアップで58-44、6-0のランで巻き返す。キングスはタイムアウトで立て直しを図るが、茨城は久岡のドライブから岸本のファウルを誘いつつジャンプシュートを沈め、3点プレイを成功させ、残り4分で58-47と11点差まで詰め寄る。
1桁点差にしたい茨城に対し、キングスはアルマやローの1対1からペイントにアタック。ショートレンジからのジャンプシュートで再び点差を広げる。キングスはインサイドを効果的に攻め、ファウルで得たフリースローで局面を打開した。66対52と14点差で3クォーターを終了した。
4Q 琉球25-14茨城
キングスボールで始まった最終クオーター、きっちりとデザインされたプレーから荒川がトップの位置から3ポイントを決める。そしてここまで得点の無かった#15松脇 圭志がスライドステップから3ポイントを決める。アウトサイドシュートが決まり出したキングスは攻撃の勢いが増す。カークがオフェンスリバウンドからフリースロー、ゴール下シュートで連続得点。さらに松脇の2本目の3ポイントなどで再び20点差以上にリードを広げる。
茨城はキングスのディフェンスを攻めあぐね、思うように得点を伸ばすことができない。キングスはアルマ、松脇の3ポイントが決まり、試合の大勢が決する。
残り1分20秒にはGAME1に続き、キングスユース育成特別枠の#77 佐取 龍之介がコートに立つ。佐取はクーリーのスクリーンを利用しマークマンを振り切りパスを受けると、一旦クーリーにボールを預け、ハンドオフで受けると3ポイントシュートを放った。シュートは惜しくもリングに弾かれるが、続くオフェンスでもゴール下でボールを受け、果敢にシュートを狙った。このシュートもリングに弾かれたが、積極的にアタックする姿勢を後押しする観客からは歓声が送られた。佐取はさらにオフェンスリバウンドを奪い、そのセカンドチャンスではポンプフェイクで巧みにシュートファウルを誘い、3本のフリースローを得る。
佐取は落ち着いて3本のフリースローを沈め、正月ゲーム2連戦を締めくくった。最終スコアは91-66でキングスが連勝を飾った。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2025/01/05 琉球 VS 茨城 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
伊藤達哉「チームの『潤滑油』になれるように」
この日ゲームMVPに選ばれた伊藤 達哉は「全員がインテンシティ高いディフェンスで流れを作り、全員で掴んだ勝利」と語った。
全員が戻ってきたキングスにおいて、伊藤の役割は大きい。「全員が100%の力を出し切れているのが勝利につながっている。まず僕がシュートを狙う姿勢を見せないと相手も怖くない。ただ僕が毎試合20得点するわけでもないので、自分でシュートを狙えるタイミングは積極的に狙って、味方を使える時はパスを出して、チームの『潤滑油』になれるように心がけている」
ケヴェ・アルマもゲームをコントロールする伊藤への信頼を語った。「タツ(伊藤 達哉)と一緒にプレーするのは楽しいよ。僕らはペースの遅いチームの一つだけど、タツはいつもボールをプッシュするし、ボールをシェアして皆をゲームに巻き込んでくれるから僕自身もアグレッシブになれる。彼はグッドリーダーだよ」
今季キングスに加入した伊藤は、自身初タイトルへ獲得への思いが強い。「タイトルを狙えるチャンスは僕の今後のキャリアでもどれだけあるか分からない。チャンスを逃さないように目の前の1試合を全力で頑張っていきたい」
桶谷HC 「今の時期に全員が成長して欲しい」
キングスの桶谷ヘッドコーチは「今日は終始エネルギーのあるバスケットが出来た。3クォーターでボールプッシュが弱くなったり、シュートを打てる場面でも打たずに重い展開になった時間帯はあったものの、それ以外の時間帯では皆がエナジー持ってプレーしてくれました」と2日連続で全員出場で勝利したチームに及第点を与えた。
この試合はGAME1で課題の見られたセカンドユニットが躍動した。セカンドユニットのポイントガードを務める伊藤 達哉が8得点、自身出場中の得失点差を示すプラスマイナス値が+25、ケヴェ・アルマも7得点ながらプラスマイナスが+20だった。
桶谷ヘッドコーチは「昨日もスタートメンバーが良すぎたからセカンドユニットが比較的悪く見えただけでめちゃくちゃ悪いという訳ではなかった。今日はボールムーブメントも良く、伊藤をはじめディフェンス面で全員で圧力をかけられたのが良かった」とセカンドユニットの働きを高く評価した。
桶谷ヘッドコーチは『この先』を見据えて語った。「中盤戦に差し掛かる今の時期に、全員に出場時間を与えられたのはチームとして良い傾向。試合に出て成長すべきシチュエーションはあったわけだから、あとは成長するかどうかはその選手次第だと僕は思っている。正直いまプレーオフになって、選手全員を使えるかと問われたら僕は使えない。ひとつのリズムが狂うと10点差がすぐ無くなってしまうようなプレーオフの舞台。だから僕は今この時期にこそ選手それぞれが成長して欲しい」
この日は西地区2位の島根スサノオマジックが敗れ、西地区首位のキングスとのゲーム差が今季最大の4ゲーム差になった。キングスは島根との直接対決を3試合残しているとはいえ、少しずつ西地区の順位争いが気になる時期だ。さらに1月25日(土)、26日(日)は東地区首位の宇都宮ブレックスとのホーム戦、2月1日(土)、2日(日)には中地区2位のアルバルク東京とのアウェー戦という中盤戦の山場が控えている。
しかし桶谷ヘッドコーチは、あくまでも目の前の勝利に意味を見出す。「本当に重要なのは次の水曜(1月8日)のEASLニュー・タイペイ・キングスとのアウェー戦ですね。ここで勝利してEASLグループ首位を決めてしまうことで、その流れを宇都宮戦やA東京戦に持っていけると思っている。EASLのアウェー戦も2試合あり、色々なものを同時に追い求めていかなければいけないけど、それも含めて実は目の前のEASLがめちゃくちゃ大事」
キングスはあくまで今季獲れる全てのタイトルを目指す。キングスの次戦は1月8日(水)、台湾で行われるEASLニュー・タイペイ・キングス戦だ。