2025年1月4日(土)、琉球ゴールデンキングス vs 茨城ロボッツGAME1が沖縄アリーナで行われ、82-67でキングスが2025年最初のゲームを勝利で飾った。
キングスのスターティングメンバーは、#4 ヴィック・ロー、#14 岸本 隆一、#18 脇 真大、#34 小野寺 祥太、#45 ジャック・クーリー。
茨城のスターティングメンバーは、#0 ロバート・フランクス、#13 中村 功平、#17 駒沢 颯 、#20 ジェハイブ・フロイド 、#29 鶴巻啓太。
続出していたけが人が回復し、ロスター全員が揃ったキングス。2025年最初のホームゲームには、安定したパフォーマンスを発揮して『連勝』を期待するファンたちで溢れかえった。この日の沖縄アリーナの観客数は、レギュラーシーズン過去最高となる 8635人を記録した。
1Q 琉球23-14茨城
キングスは立ち上がりからインテンシティの高いディフェンスで茨城にゴールを許さない。オフェンスでは岸本のフローターシュートで幸先よく先制する。脇からパスを受けたローがインサイドでの連続得点を決めるなど、積極的にリングに向かってアタックを続けたキングスが終始リードを保つ展開となった。
茨城は、#34遠藤 善がディープスリー、そして立て続けにレイアップを決める。さらに遠藤は1クォーター残り10秒で3ポイントを決め、ベンチスタートながら1クォーターだけで10得点と気を吐いた。
残り10秒、キングスはローと#3伊藤達哉のパス交換からローがブザービーターの3ポイントを決めて、23-14とキングス9点リードで1クォーターを終了した。
2Q 琉球19-16茨城
茨城は遠藤のフリースローで先手を取るが、キングスは#47 平良 彰吾のアシストから#53 アレックス・カークのミドルシュート、さらにファストブレイクからカークの両手ダンクで流れを渡さない。茨城は#11 チェハーレス・タプスコット、#21 エリック・ジェイコブセンの連続3ポイントで追い上げる。
キングスは#8 植松 義也のオフェンスリバウンド、さらにスティールで会場を湧かせるが、オフェンスではシュートを決めきれない。逆に茨城は速攻から #13 中村 功平が3ポイントを決め31-26と5点差に詰めオフィシャルタイムアウトに。
オフィシャルタイムアウト後、ヴィック・ローがタプスコットのパスをインターセプト、そのままレイアップでファウルを誘う。きっちりと2本のフリースローを沈めリードを広げる。
茨城は速攻から駒沢のレイアップや、セカンドチャンスからタプスコットのシュートなどで喰らいつく。
キングスは岸本がドライブ、カークがダイブで合わせてレイアップを沈める。さらにキングスはフリースローでじりじりと点差を広げた。終了間際には脇がオフェンスリバウンドをもぎ取り、ゴール下シュートで42-30と12点差にリードを広げ2クォーターを終了した。
3Q 琉球27-21茨城
後半はヴィック・ローのレイアップでキングスが先行。さらに岸本のフローターシュート、速攻から脇のゴール下と開始2分で6-2ランでリードを広げた。茨城はタイムアウトで立て直しを図るも、キングスの勢いは止まらない。
クーリーとの2メンゲームから岸本の3ポイント、小野寺のゴール下で53-32とキングスのリードはこの試合最大の21点。茨城は遠藤の3ポイント、フランクスのゴール下や3ポイントなどで応戦するも、キングスは#15 松脇 圭志の3ポイント、さらにカークの連続得点でリードを保つ。69-51とキングスが18点リードして3クォーターを終了した。
4Q 琉球13-16茨城
3ポイントラインの外側でパスを受けた#12ケヴェ・アルマが、ゴール下のカークにパスを通しアリウープを完成させ、キングスが20点差にリードを広げる。さらに#10 荒川 颯のペネトレイトからパスを受けたカークの両手ダンク。そして荒川がブリッツをかわし、ハイポストに上がったカークがパスを受けると、ノーマークの伊藤にパスを落とし、ゴール下シュートで加点した。
茨城は中村の3ポイントやレイアップなどで追い上げ、一時は77-63と14点差まで縮めるが、最後はクーリーのゴール下、平良の3ポイントで再び点差が広がった。
残り1分には、キングスのユース育成特別枠 #77 佐取 龍之介が2試合ぶりにコートに立つ。2試合続けての得点を期待された佐取だが、クーリーのスクリーンを利用しトップでボールを受けるも、マッチアップした駒沢にボールを弾かれターンオーバー。続くオフェンスでもボールを受けるが、今度はブロックショットに遭い、プロの洗礼を浴びる形となった。試合は82-67でキングスが勝利した。
キングスはロスター全員が出場し、盤石な試合運びでGame1を制した。スコアリーダーは20得点(FG10/12)のアレックス・カーク、ローが15得点、岸本が13得点と続いた。プレイタイムを偏りなく全員で分け合って戦えたことは、Game2につながるポジティブな点だろう。
一方、茨城はオフェンスの組み立て、ゲームコントロールにおける課題が露呈した。正ポイントガードの長谷川 暢の不在を、ガード陣を中心にチーム全員でカバーしていく必要がある。若手選手たちのステップアップに期待したい。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 B1リーグ戦 2025/01/04 琉球 VS 茨城 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
岸本「選手全員が揃い『正しい競争』が活発になっている」
キングスの桶谷 大ヘッドコーチは、全員出場で快勝した試合にも課題を口にした。「スタートメンバーの試合出だしは良かったが、セカンドユニットがはまらなかった。茨城の遠藤選手にシュートを決められたり、後半も上手くいかなかったのは課題が残った。僕らは『チームでバスケットをする』という点にもう一度立ち戻らないといけない」
しかし怪我人が戻ってきて選手全員で試合に挑めたのはやはり好材料だ。その点は桶谷ヘッドコーチも手応えを感じている。「全員がエナジーを持って試合に挑めているのは凄く良い状況です。選手ももっと試合に出たいというくらいの気持ちじゃないですかね。アレックスなんかコート上でかなり頑張って走ってたのに、交代したらベンチに座らず置いているエアロバイク漕ぎ出したり。僕に対する当てつけかな(笑)」
エナジーはみなぎっていても、それでシュートが入り続けるかどうかはまた別問題だ。1か月ぶりに水曜ゲームが無い1週間を過ごしたキングスは、やはりシュートのリズムに苦労した様子で3ポイント成功率はチームで19.0%(4/21)だった。桶谷ヘッドコーチは「シュートが入らない時にどうやって勝つか。今日はそれを表現できた試合だった」と語った。
この試合シーズンハイ20得点を記録したアレックス・カークは「チームメイトが僕に良いパスを回し続けてくれた結果」とチームプレーでの勝利だと語った。今季を通してカークのコンディションは上がってきている。「昨季は悔しい思いをしたので、天皇杯、EASL、リーグタイトル、すべてを獲得しようという高いモチベーションを持っています」と全てのタイトルを狙うと誓った。
この試合13得点の岸本隆一は「自分たちのディフェンスが機能して、最後まで有利に試合を進められた」と話した。岸本もやはりチーム全員が揃ったことに手応えを感じている様子だった。「プレー出来る選手が揃っている状況は『正しい競争』が活発になっている事を実感している。どうしても選手が揃っていないとインテンシティが低くなったり、連戦の疲れも出てきて、全員に少しずつズレが生まれてしまう。その意味では(全員が揃えば)フラットに試合の内容に対して反省が出来る。それが今の本当の強みだと思います。やはりそれが僕らのスタイルで、チームの土台が出来上がりつつあると感じています」
キングスの次戦は1月5日(日)、同じく沖縄アリーナで茨城ロボッツとのGAME2を戦う。