キングス、猛追及ばず三河に敗北 雪辱を許し1勝1敗の痛み分け [2026.01.04]

1月4日(日)、琉球ゴールデンキングス vs シーホース三河 GAME2が沖縄サントリーアリーナで行われ、65-75でアウェーの三河が勝利した。

長いレギュラーシーズンの前半を締めくくる30試合目となるこの試合、西地区4位のキングスと3位の三河が激突する、順位を左右する重要な直接対決となった。前日に快勝し、連勝での折り返しを目指すキングスと、新年最初の勝利を挙げ、前日の雪辱を期す三河。

三河は試合を通じてチームのアイデンティティである堅守を貫き、要所で効果的に得点を重ねて主導権を掌握。対するキングスは、エースのヴィック・ローがGAME1に引き続き欠場。オフェンスリバウンドで圧倒的な強さを見せるなど最後まで粘り強く戦ったものの、オープンな状況でのシュートも決めきれず、アウトサイドの精度に苦しんだ。この結果、新年最初のホーム2連戦は1勝1敗の痛み分けに終わった。

目次

第1クォーター:互角の立ち上がり、三河が一歩リード (キングス 13-15 三河)

試合は序盤から両チームともに高いインテンシティのディフェンスを展開し、引き締まった立ち上がりとなった。三河は、インサイドの要である#54 ダバンテ・ガードナーがこのクォーターだけで9得点を挙げる活躍を見せ、攻撃を牽引。対するキングスも、オフェンスリバウンドで粘りを見せるも、なかなか得点に繋げきれない。一進一退の攻防の末、三河が13-15とわずかにリードして最初の10分を終えた。

第2クォーター:三河が主導権を握り、点差を広げる (キングス 21 – 27 三河)

第2クォーター、試合の主導権を握ったのは三河だった。#11 久保田義章が3ポイントシュートを決めると、帰化選手の#1 トーマス・ケネディもこのクォーターだけで11得点を重ねるなど、ベンチメンバーの活躍が光った。対照的にキングスはオフェンスのリズムを掴めず、特に3ポイントシュートが前半終了時点で1/15と極度の不振に陥る。じわじわと点差を広げた三河が、34-42と8点差をつけて前半を折り返した。

第3クォーター:キングスオフェンスが沈黙、三河がリードを維持 (キングス 9-13 三河)

試合の決定的な局面はこの第3クォーターにあった。キングスのオフェンスは完全に沈黙し、このクォーターでの得点はわずか9点。厳しいディフェンスの前に攻め手を欠き、苦しい時間が続いた。一方の三河は、#10 ジェイク・レイマンが値千金の3ポイントシュートを2本成功させて、この連続得点でキングスに流れを渡さなかった。キングスにとって数少ない光明となったのは、#53 アレックス・カークがダンクを決め、B1個人通算500ダンクという偉業を達成した瞬間だった。アリーナは大きく沸いたが、チーム全体の流れを変えるまでには至らず、43-55で最終クォーターへ向かった。

第4クォーター:キングスの猛追及ばず、三河が逃げ切り (キングス 22-20 三河)

最終クォーター、キングスが意地を見せる。反撃の狼煙を上げたのは#17 崎濱秀斗だった。勝負どころで3ポイントシュートを沈め、果敢なアタックで得点を重ねると、チームのディフェンスも激しさを増し、三河のミスを誘発。しかし、三河は慌てなかった。#54 ガードナーと#19 西田優大が冷静にゲームをコントロールすると、最後は#10 レイマンが試合を決定づける3本目の3ポイントシュートを沈め、最終スコア65-75でキングスの追撃を振り切った。

試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2026/01/04 琉球 VS 三河 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

主要選手のパフォーマンス

琉球ゴールデンキングス

#53 アレックス・カーク: 12得点、10リバウンドのダブルダブルを記録し、インサイドでの確かな存在感を示した。B1通算500ダンク達成という金字塔は、常にペイントエリアで身体を張り続けた証である。

#17 崎濱秀斗: 第4クォーターでの起爆剤としての働きが光った。勝負どころで2本の3ポイントシュートを含む8得点を挙げ、チームで最も高い+11のプラスマイナスを記録。そのエネルギッシュなプレーは、最後まで諦めないチームの姿勢を体現していた。

#21 デイミアン・ドットソン: チームトップの13得点を記録したものの、最大の武器である3ポイントシュートが8本中0本成功と、本来の精度を欠いた。彼のシュートが決まっていれば、試合展開は大きく変わっていた可能性があり、オフェンス停滞の一因となったことは否めない。

#14 岸本隆一: 前日GAME1に6本の3ポイントシュートを沈める圧巻のパフォーマンスを見せたのとは対照的に、この日は3ポイントシュート5本全てを外し、得点面で苦しんだ。しかし、試合終盤には連続得点を見せ、4アシストを記録するなど、最後まで戦う姿勢を示した。

シーホース三河

#54 ダバンテ・ガードナー: 両チーム最多の25得点を叩き出し、三河のオフェンスを牽引。インサイドでの圧倒的なパワープレーに加え、広いシュートレンジから3ポイントシュートも2本決めてキングスディフェンスを翻弄し、支配的なパフォーマンスを見せた。

#19 西田優大: 17得点、5アシストというスタッツ以上に、試合への影響力の大きさが際立った。リッチマンHCが「プラスマイナス(選手がコートにいる間のチームの得失点差)で+22という素晴らしい数字」と称賛した通り、攻守両面における貢献度は絶大。エースとしてチームを勝利に導くリーダーシップを発揮した。

#10 ジェイク・レイマン: 後半に重要な3ポイントシュートを3本すべて成功させ、キングスが追い上げようとする流れを断ち切った。前日は不発だった彼のアウトサイドシュートが決まり始めたことで、キングスのディフェンスはインサイドのガードナーだけに集中することができなくなり、的を絞らせなかった。

勝敗を分けたキーファクター

3ポイントシュート成功率の差

最大の要因は、アウトサイドシュートの精度にあった。三河が27.3% (9/33)だったのに対し、キングスは10.7% (3/28)と極度の不振に陥った。桶谷HCも言及したように、キングスはオープンなシュートチャンスを多く作り出したが、それを決めきれなかった。外角から得点を奪えなかったことで、三河のディフェンスはインサイドを固めることに集中しやすくなった。逆に三河は、#10 レイマンらが効果的な3ポイントシュートでリードを広げ、試合を決定づけた。

三河のディフェンス遂行力とゲームコントロール

三河のライアン・リッチマンHCは試合後、「自分たちのスタイルに近いバスケットができた」と語った。その言葉通り、チームのアイデンティティである「ディフェンス」を前日の反省を活かして40分間遂行。キングスの総得点を65点に抑え込んだ。特に、キングスの猛追を受けた試合終盤でも慌てず、時間を使いながら確実に得点を重ねた落ち着いたゲーム運びが、勝利を確実なものとした。

オフェンスリバウンドとセカンドチャンスポイント

キングスはオフェンスリバウンドを20本獲得し、この点では三河を圧倒した。しかし、リッチマンHCが会見で指摘したように、三河ディフェンスはそこからのセカンドチャンスポイントをわずか14点に抑え込んだ。これは、「リバウンドは取られても、得点は与えなかった」という三河の守備の粘り強さを示している。キングスの最大の強みの一つを無力化したことが、決定的な勝因の一つとなった。

ヘッドコーチ・選手会見の要約

琉球ゴールデンキングス

桶谷大HC: 敗戦にもかかわらず「下を向く内容ではなかった」と選手の奮闘を称えた。特にディフェンスの質が向上している点をポジティブに捉えた。今週、天皇杯の準々決勝で再び戦う可能性がある三河に対して「レギュラーシーズンでは現在負け越しているので、あと2つ(天皇杯とシーズン最後の対戦)は絶対に勝ちたい。我々の方がメンタル的には良い状態で入れると思っています。まずは初戦の横浜エクセレンス戦で足元をすくわれないよう集中し、その上で三河と再戦したいです」と再戦での勝利を誓った。

レギュラーシーズン30試合終了時点で18勝12敗西地区4位という現状に「正直な心境としては『ただでは終わらんぞ』という気持ちでいっぱいです。たとえ負けても、その試合で誰かを成長させるというモードに入っています。極端な話、明日クビだと言われても自分が納得して終われるような、そんな戦いを続けています。キングスのカルチャーを次に繋ぐこと、そしてバスケットボールを一つの『産業』として地域に根付かせることを常に考えています。崎濱のような華のある選手が次の世代の憧れになるよう、成長を見守りながら指揮をしています」と指揮官として、そして日本バスケ界全体を引っ張る指導者としての決意を語った。

#8 佐土原遼: 「自分たちが狙いたい場所はちゃんと狙い続けながらプレーできた。あと一本、二本3ポイントが入っていれば流れは変わっていたはず」とポジティブに捉えた。年末の連敗後から気持ちを切り替えたきっかけとして「1月1日に行ったたった1日のチーム練習が非常に良かったです。改めて『キングスとは何か』『キングスのディフェンスとは』という部分を再確認する作業を行いました」と語った。

東海大学の先輩である西田優大との対戦について「ユウダイとは1学年違いで3年間一緒にプレーしました。東海大学には『ビッグファミリー』という教えがあり、上下関係を作りすぎず全員が家族のように相談し合い、高め合う文化があります。その影響で、学年が被っていない石井 (講祐)さんや須田(侑太郎)さん、他チームの先輩後輩たちとも非常に仲が良く、試合前にも他愛ない話ができる素晴らしい関係値が築けています」と、同じカレッジで過ごした仲間との強い絆を感じさせた。

#17 崎濱秀斗: 徐々にプレータイムが伸びて第4クォーターの重要な場面での起用も増えるものの「個人としての変化よりも、まずは勝ちに繋がっていないことが一番の課題だと思っています。第4クォーターでも、追いつきそうな場面でシュートを落としてしまったり、守備のミスで決められてしまったりと、自分の甘さを痛感しました。シュート1本の重み、そして守備で1本止めることの大切さを改めて感じたゲームでした」と悔しそうに語った。

「自分のプレーに手応えは感じていますが、今は正直『オフェンスマインド』ではなく『相手に嫌がられるディフェンダーになること』が自分にとって最も大切だと思っています。前から激しくプレッシャーをかけ、体をぶつけて戦うことがチームにプラスをもたらし、結果としてオフェンスにも良いリズムを生むと考えています」とオフェンスでの活躍以上にディフェンスへの強い意識を示した。

シーホース三河

ライアン・リッチマンHC: 「自分たちのスタイルに近いバスケットができた」と勝利を高く評価。特に、前日の敗戦から修正したディフェンスの遂行度を最大の勝因として挙げた。また、#19 西田優大の攻守にわたるオールラウンドな活躍を「素晴らしい選手」と絶賛した。

#19 西田優大: 勝利の要因を「我慢強くディフェンスからリバウンドを取り切れたこと」と分析。前日の敗戦を受け、「ディフェンスとハードワーク」というチームのアイデンティティを取り戻せたことが、この勝利に繋がったと強調した。

次戦への展望

西地区上位を争うライバル同士の直接対決は1勝1敗で幕を閉じたが、両チームの戦いはすぐに次のステージへと移る。

奇しくも両チームは、1月6日より開催される天皇杯で順当に勝ち進んだ場合、1月8日の準々決勝で再び相見える可能性がある。天皇杯では外国籍選手のオンザコートが「1」となる特別なレギュレーションが採用される。これはリーグ戦とは全く異なる試合の様相を生み出す可能性があり、今回の2連戦とは違った戦略が求められるだろう。このレギュレーション下では、#8 佐土原遼をはじめとする日本人ビッグマンの役割がより一層重要となる。その意味で、今回の激しい2連戦は、来るべき一発勝負の決戦に向けた重要な試金石となったと言える。西地区の順位争い、そして天皇杯のタイトルをかけた両チームのライバル関係は、この先さらに激しさを増していくに違いない。

(取材:金谷康平、写真・構成:湧川太陽)

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