1月3日(土)、琉球ゴールデンキングス vs シーホース三河 GAME1が沖縄サントリーアリーナで行われ、86-65でホームのキングスが勝利して、連敗を3でストップした。
年末のホーム3連敗という苦しいトンネルを抜け、琉球ゴールデンキングスが2026年の初戦で躍動した。インサイドを支配した#53 アレックス・カークと#45 ジャック・クーリーの両輪、そして完全復活を告げる#14 岸本隆一の3ポイントシュートを原動力に、攻守で三河を圧倒。勝ち星という結果以上に、チームが攻守にわたって本来の姿を取り戻した。チームが見失いかけていた「インサイドの強さ。セカンドチャンスポイント。ディフェンスのチームであるというプライド」という原点を思い出し、新年を最高の形でスタートさせた。


第1クォーター:互角の攻防、エースが牽引 (キングス 25 – 21 三河)
立ち上がりから両チームのエースが火花を散らした。三河は#19 西田優大が個人技で得点を重ね、このクォーターだけで8得点を挙げる活躍。対するキングスは、#45 ジャック・クーリーのインサイドプレーと、#14 岸本隆一が幸先よく2本の3ポイントシュートを沈めて応戦した。お互いに持ち味を発揮し、一進一退の攻防が続く中、キングスが25-21とわずかにリードしてクォーターを終えた。

第2クォーター:キングスがディフェンスから流れを掴む (キングス 20 – 12 三河)
試合のターニングポイントとなったのが、この第2クォーターだった。キングスはディフェンスで三河をわずか12点に封じ込め、自らは20点を挙げて試合の主導権を握った。#34 小野寺祥太のスティールを皮切りに三河のオフェンスを停滞させ、奪ったボールを速攻に繋げる「キングスらしい」展開で、完全に流れを引き寄せた。
オフェンスでは#53 アレックス・カークがインサイドで躍動。前半だけで16得点を叩き出し、キングスの2ポイント成功率は前半終了時点で93.8%(15/16)という驚異的な数字を記録した。内外のバランスが機能したキングスが、前半を45-33の12点リードで折り返した。


第3クォーター:キングス、主導権を渡さずリードを維持 (キングス 19 – 13 三河)
後半、反撃したい三河は立ち上がりに#19 西田優大がディープスリーを沈めて反撃の狼煙を上げる。しかし、キングスは慌てなかった。すぐさま#14 岸本隆一と#21 デイミアン・ドットソンが3ポイントシュートで応酬し、相手に流れを渡さない。
その後もインサイドの優位性を保ち、#45 クーリーと#53 カークが着実に得点を重ねた。三河はゾーンディフェンスを試みるも、キングスは落ち着いてボールを回し、効果的に攻め続けた。クォーター終了時点で64-46と、キングスはさらにリードを広げ、勝利を大きく手繰り寄せた。


第4クォーター:岸本が試合を決定づけ、キングス快勝 (キングス 22 – 19 三河)
勝負の最終クォーター、試合を決定づけたのは #14 岸本隆一。このクォーターだけでさらに2本の3ポイントシュートを成功させ、不調からの完全復活をアリーナのファンに印象付けた。特に、コート中央ロゴ付近から放たれ、美しい放物線を描いた6本目の成功は、満員の観客の熱狂を最高潮に達させ、「ミスターキングス」の真骨頂を見せつけるプレーだった。
また、このクォーターでは#53 アレックス・カークがB1個人通算500アシストを達成する記念すべき場面も見られた。最後まで攻撃の手を緩めなかったキングスが、最終スコア86-65で快勝。カークとクーリーのインサイド支配、そして岸本の復活劇。これらの個々の輝きは、桶谷大ヘッドコーチが周到に準備した、ある一つの戦術的決断によって見事に結実した。
試合スタッツ:りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦 2026/01/03 琉球 VS 三河 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト



主要選手のパフォーマンス
琉球ゴールデンキングス
#53 アレックス・カーク: チームトップの22得点を記録。インサイドでのシュート効率は驚異的で、キングスの攻撃プランの核としてチームを牽引した。また、この試合でB1個人通算500アシストを達成し、自らの記録に華を添えた。

#14 岸本隆一: 「ミスターキングスの帰還」を告げる圧巻のパフォーマンス。バイウィーク明けには3ポイント成功率が17.3%まで落ち込むなど深刻な不振に苦しんでいたが、この試合では3ポイント11本中6本成功(成功率54.5%)で18得点を記録。その一本一本が、単なる得点以上に、チームとファンに絶大な勇気と信頼感を与えた。

#45 ジャック・クーリー: 17得点、13リバウンドのダブルダブルを達成し、攻守に渡る大黒柱としての役割を全うした。特筆すべきは、チームの総数12本のうち7本を一人で記録したオフェンスリバウンド。そこから生まれたセカンドチャンスポイントは、キングス本来の強さを再確認させるものだった。

#34 小野寺祥太: スタッツ以上のインパクトを残した「ディフェンスのキーマン」。第2クォーターに見せた値千金のスティールからの速攻は、試合の流れをキングスへと大きく引き寄せたターニングポイントであり、チームが掲げる「ディフェンスのチーム」というアイデンティティを体現した。

シーホース三河
#19 西田優大: チームトップの16得点を挙げ、エースとして孤軍奮闘。キングスの厳しいマークに遭いながらも、個の力で得点を重ねる姿はさすがの一言だった。

#54 ダバンテ・ガードナー: 三河の最大の得点源が、この日はわずか6得点に封じられた。キングスの徹底したゲームプランの前に沈黙したことが、試合の趨勢を決定づけた最大の要因の一つとなった。


勝敗を分けたキーファクター
キングスの徹底したインサイド戦略
最大の勝因は、キングスが#54 ダバンテ・ガードナーを狙うという明確なゲームプランを持ち、それを高い精度で遂行したことにある。試合後、桶谷大HCは勝利の要因を尋ねられると、迷いなくその戦術的狙いを明かした。
「オフェンスに関しては、もう徹底してダバンテ選手のところを狙うというところがプラン通りはまったと思います」 — 桶谷大HC
この言葉通り、#53 カークと#45 クーリーは執拗にペイントエリアを攻め立てた。三河のリッチマンHCが「前半にキングスのペイント内得点率が92%を超えていた」と語ったように、この戦略は三河のディフェンスを機能不全に陥らせるのに十分すぎる威力を持っていた。

「キングスらしさ」の体現 – 激しいディフェンスとセカンドチャンス
連敗中に見失いかけていた「ディフェンスのチーム」というアイデンティティを取り戻したことも、勝利に不可欠だった。#34 小野寺祥太のスティールに象徴されるように、選手たちはディフェンスからオフェンスへの速い切り替えを実践。オフェンスリバウンドでも12本を記録し、そこから13点のセカンドチャンスポイントをもぎ取った。この粘り強さこそが、キングス本来の姿である。

オフェンスの起爆剤:#14 岸本隆一の完全復活
#14 岸本隆一が沈めた6本の3ポイントシュートは、18点という数字以上の価値を持っていた。彼の高確率なアウトサイドシュートは、インサイドに偏りがちだったキングスのオフェンスに奥行きと多様性をもたらした。何よりも、連敗で沈みがちだったチームの雰囲気を一変させ、オフェンス全体を活性化させる「起爆剤」としての役割を果たした。ミスター・キングスの復活が、チームに勝利への確信を与えた。


ヘッドコーチ・選手会見の要約
琉球ゴールデンキングス
桶谷大HC: 「コーチ陣が作ったゲームプランを選手たちがしっかり遂行してくれた」と、チームの遂行力を高く評価。特に、#54 ガードナーを狙った攻撃プランと、ファンダメンタルを徹底した守備が機能した点に大きな満足感を示した。
#14 岸本隆一: 年末の不振から「気持ちを切り替えるしかなかった」と率直に語った。特に、桶谷HCとの対話を通じて精神的にリセットできたことが、この日の爆発的なパフォーマンスに繋がったと明かし、「バスケットを楽しむ」という原点に立ち返れたことが好結果の要因であると分析した。
#53 アレックス・カーク: チーム全体の「フォーカスとインテンシティ(集中力と強度)が非常に高かった」と試合を振り返った。自身の活躍については、ガード陣が良い状況でインサイドにボールを供給してくれたことへの感謝を述べ、チームプレーの成果であることを強調した。

シーホース三河
ライアン・リッチンHC: 「ディフェンスが十分に機能していなかった」「オフェンスに“圧力(force)”が足りなかった」と厳しい自己評価を下した。特に、前半にキングスのペイント内得点率が92%を超えた点を最大の課題として挙げ、守備の修正が急務であることを認めた。一方で、キングスを「チャンピオンのDNAが流れているチーム」と、その強さを讃えた。

次戦への展望
琉球ゴールデンキングスにとっては、この勝利で得た自信と勢いを維持できるかが鍵となる。今回見事に機能した「インサイドアウト」のバスケットを継続できるか。そして、桶谷HCが指摘した若手選手たちが、戦術理解度という課題をどう克服し、チームの勝利に貢献していくのかが注目される。
一方のシーホース三河は、リッチマンHCが言及したディフェンスの修正、特に崩壊したペイントエリアの守備をどう立て直してくるかが最大の焦点だ。オフェンス面では、#19 西田優大以外の選手がいかに得点に絡み、攻撃のバリエーションを増やせるかがリベンジの必須条件となるだろう。
翌日のGAME2も同じ沖縄サントリーアリーナで両者は再び相見える。キングスが連勝で波に乗り、対戦相手に「チャンピオンのDNA」を改めて見せつけるのか。それとも三河が意地を見せるのか。両チームの修正力が試される、激戦が続く2026年の幕開けに相応しい、激しい戦いが繰り広げられるに違いない。


