ウインターカップ準優勝・京都東山へ進学
拡がる・多様化する選択肢① 変革期 部活動からクラブへ
部活でプレーするのか、クラブでプレーするのか選択を迫られた世代
中学から高校への進路選択はその後の人生を大きく左右する。それはバスケットボールを続ける人だけに限った話ではない。今回紹介するのは、ウインターカップ2020で準優勝した京都・東山高校へ4月から進学した伊計叶貴(いけいとうき)
彼の進路選択の背景あるバスケットボール界の変化を振り返りたい。2016年のBリーグ誕生を機に、それぞれのBリーグクラブは、U-15(中学生)のユースチームの保有が義務付けられた。沖縄県内では2018年4月から琉球ゴールデンキングスユースが誕生、それを皮切りに、沖縄でもいくつかの地域クラブが立ち上がった。
伊計も中学1年次には『北中城中』でプレーしていたが、2年次なるとそれまでも通っていたバスケットボールスクールARK(宜野湾市を拠点に活動)が『Beasty Club U-15』クラブを発足。所属を中学(部活)にするか、クラブにするのかの選択を迫られた。学校単位での活動が基本となる部活動には主要大会が2つあるが、整備がはじまったばかりのクラブには1つしかないなどというような課題を抱えながらも、「部活動からクラブ」へと育成年代の変革がはじまった。伊計の場合は通う中学もクラブもどちらも指導の行き届いたいわゆる強豪であったが、信頼するコーチのもとでの成長を求め、クラブでのプレーを決断した。
拡がる・多様化する選択肢② 苦労と功績 ARK
元プロ・岸本行央が沖縄で初めて立ち上げたバスケットボールスクール『ARK』
バスケットボールスクールARKは、bjリーグの高松ファイブアローズでプレーした元プロバスケットボール選手の岸本行央氏が2014年に立ち上げた。ミニバスケットボールや部活に励む子どもたちが、プロキャリアをもつコーチからスキルやマインドを学ぶ場所だ。本土では台頭しはじめていた事業モデルだが、当時の沖縄にはバスケットボールを学ぶことに対してお金を払う(投資する)という概念がなく、結果として沖縄の育成におけるバスケットボールは本土に比べて遅れている実情を岸本氏は鬱慮していた。それと同時に「部活動からクラブ」の潮目を読みビジネスとしても成長させてきた。
「3月頃にオリエンテーションをして、4月からはどっちにするのかに決める。その時は部活とクラブの両立はOKだったんです。叶貴たちも両立という形ではなくて、クラブでやってくれる子を募集し、それができない子はスクールの方へ案内していました。もともとみんなスクールにいたので。そしたらクラブを選んでくれて結構入ったんですけど、途中で辞める子もいましたね」
「彼らが一番難しかったんじゃないですかね。どこを選んだらいいのかと。やっていく中での難しさは常にありました。先が見えない部分もあり、こちらとしても呼んだ手前、大会がどれだけ出場できるのか不透明ななかで、(部活に所属する子は中体連を目指す中)クラブを選んだ子たちは練習のモチベーションを保つことも難しかったと思います。そういう意味でクラブを辞めたという彼らの決断は正しかったし、否定するべきものではなかったです。」
「僕らのこの生活は毎年毎年狙えるものだけど、子どもたちにとっては一生に一度なので。どのようにメンタルケアをしていくかは相当に考えました」
『Beasty Club U-15』

プロフィール
伊計叶貴(いけいとうき)
2005年度生。北中城小→北中城中→京都・東山高校へ
BEASTY CLUB U-15でプレー。

