2月17日(火)、Bリーグは『B.革新 初年度』 2026-27シーズンのカーディングを発表した。来季からスタートするB.LEAGUE PREMIER (以下、Bプレミア)のスタートを飾る開幕戦は、2026年9月22日(火)、アルバルク東京 vs 琉球ゴールデンキングスをトヨタアリーナ東京で行われることになった。
2016年9月の歴史的なBリーグ開幕戦、そして10年後の2026年9月にBプレミア開幕戦で、再び対戦するキングスとA東京。
キングスもA東京もこの10年間で大きく成長。特にキングスは10年前に「雑草軍団」と揶揄されながらも、そこからチームはB1西地区を7度制覇、Bリーグファイナルに4年連続出場、そして2022-23シーズンには悲願のBリーグ優勝を達成。クラブとしても「夢のアリーナ」と呼ばれる沖縄アリーナ(現 沖縄サントリーアリーナ)をホームアリーナとして、観客動員数も飛躍的に向上。実力と人気を兼ね備える球団へと成長した。
佐土原「キングスが築いてきた歴史に感謝」脇「中学生の頃テレビで開幕戦を見ていた」
記者会見会場で登壇した琉球ゴールデンキングスの佐土原遼は、「キングスが築いてきた歴史や積み重ねがあってこそ、B.革新という重要なタイミングで開幕戦の舞台に立てるのだと感じている。この選出を当たり前のことだとは思わず、関わってきた人々への感謝の気持ちを忘れずにプレーしたい」と、クラブが積み重ねてきた歴史への感謝と決意を語った。

2016年のBリーグ開幕戦当時は13歳だったという脇真大はテレビで観戦していたと話し、「当時画面の中で見ていた、岸本隆一選手やアンソニー・マクヘンリー(現 キングスAC)と、今こうして同じチームで同じコートに立てていることを不思議に思うと同時に、感慨深く感じている」と年月を経て自分が大舞台に立つ事への期待を語った。

9月22日、23日の歴史的なBプレミア開幕戦は、キングスの新時代の号砲にふさわしい「再戦」となる。

レギュラーシーズンの構造改革:平日開催の拡大とコンディショニング
「B.革新」による最大の変化は、Bプレミアのレギュラーシーズン日程に現れる。のべ開催日数は従来の約60日から116日へと倍増し、長期分散型のカーディングが採用される。
この構造改革の大きな特徴は「平日開催の増加」である。Bリーグ島田チェアマンは「メディア露出を特定の週末に集中させず、週を通じて分散させることで、日常のニュースサイクルにバスケットボールを定着させる戦略」と説明した。各クラブの集客戦略も、現在のファミリー層などの週末に絞った集客だけではなく、平日の仕事終わりなどに試合を観戦するような「プロ野球型」のファン層への拡大も求められる。

一方で、競技現場にとっては「コンディショニング」に取って大きな変化が考えられる。シーズン期間が長期化する一方で、依然として16試合ものバック・トゥ・バック(連戦)が組まれている点は見逃せない。特に、飛行機での移動距離が極めて長い琉球ゴールデンキングスにとっては、この分散された日程が必ずしも負担軽減に直結するわけではない。脇真大は「キングスは日頃から飛行機移動が多いので、アウェー連戦でのコンディショニングが本当に大切になる」と語り、佐土原遼は「長期のアウェー連戦が増える可能性もあるが、他チームと比べて、キングスは飛行機移動には少し慣れているかもしれない」とも話した。キングスにとって平日分散開催がメリットとなるのかデメリットになるのか、年間を通じてのコンディショニング計画が成否を分けることになりそうだ。
参考:『シン・バスケ』2026.9.22 開幕 | りそなグループ B.LEAGUE 2026-27 SEASON 日程 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト
キングスのホームゲームは、平日14試合、土日16試合
琉球ゴールデンキングスの2026-27レギュラーシーズンは、9月22日(火)のアウェー開幕戦からスタート。ホーム開幕戦は10月8日(木)の滋賀レイクス戦となる。レギュラーシーズンは全60試合を行い、最終戦は2027年5月2日(日)のホーム仙台89ERS戦となる。
キングスのレギュラーシーズン日程を分析すると、月曜日~木曜日までが27試合 (HOME12試合、AWAY15試合)、金曜日が7試合 (HOME2試合、AWAY5試合)、土曜日が12試合 (HOME8試合、AWAY4試合)、日曜日が14試合 (HOME8試合、AWAT6試合)となる。
また、Back to Back(2連戦)が18試合 (HOME10試合、AWAY8試合)組まれており、リーグ開幕戦を除くそのすべてが土日開催だ。※9月22日、23日ともに祝日
チームコンディションに大きな影響を与えそうなアウェー長期連戦は、1/22(金)茨城、1/25(月)北海道、1/27(水)三遠の3連戦と、3/6(土)三河、3/7(日)三河、3/10(水)神戸の3連戦。そして4/9(金)大阪、4/11(日)大阪、4/14(水)信州の3連戦だ。レギュラーシーズンだけを見れば、Bプレミアのカーディングでも現在より極端にアウェー連戦が増えることはなさそうだ。しかしここにEASLや天皇杯、日本代表戦が重なってくる場合は、より負担度が増えるかもしれない。










カーディング発表会見 質疑応答
Q. 平日開催が増えることで集客への不安はあるか?またシミュレーションはしているか?
A. (島田チェアマン) 確かに当初、平日(水曜)開催は集客が苦戦しましたが、各クラブの努力により、現在では週末と変わらない数字を作るクラブも出てきています。 平日開催が増えることは乗り越えなければならない課題です。週末はファミリー層が中心ですが、平日は仕事帰りのビジネス層が中心となるため、顧客層が変わります。この新しい層をしっかり取り込むことで、Bリーグがもう一段階成長できると考えています。選手には良いプレーを、クラブは集客努力を行い、プロ野球のナイターのような「平日に観戦する文化」を作っていきたいです。
Q. 連戦(Back to Back)が減ることは、Bリーグ設立理念の一つである「日本代表強化」の加速につながるか?
A. (島田チェアマン) その通りです。毎日どこかで試合があるという事業的な「露出拡大」の側面もありますが、連戦を減らすことで選手のコンディション調整や試合強度の維持・向上を図るという競技的な観点も、今回の決定には大きく含まれています。
Q. 今季は怪我人が続出しているが、今回の日程変更(連戦減)には「選手の怪我防止」という意図はどの程度含まれているのか?
A. (島田チェアマン) 「選手の負担軽減」は当初から前提にありました。今季怪我が多いから急に変えたわけではなく、2年前から決めていた方向性です。リーグでは怪我の発生率や復帰までの期間などのデータを定点観測しており、それらも考慮しています。 ただし、日程編成は非常に複雑なバランスの上に成り立っています。アウェイツーリズムの観点でいえば、土日連戦の方が、遠征するファンにとっては1回の交通費で2試合観られるためメリットがあり、地域への経済効果も高い。アリーナ稼働の観点でいうと、土日をBリーグで埋め尽くさず、コンサート等を入れる方がアリーナ経営としてプラスになる場合がある。 これらの「選手のコンディション」「ファンの利便性」「アリーナビジネス」といった多様な変数を検討し、網の目を縫うようにして導き出したのが今回のスケジュールです。
Q. 三遠ネオフェニックスのホーム開幕だけ12月と遅いが、理由は?
A. (島田チェアマン・事務局) アジア競技大会およびアジアパラ競技大会の影響によるアリーナの使用状況(空き状況)と、バイウィーク(休止期間)の兼ね合いによるものです。
Q. 選手としてチーム数が増えることについてどう思うか?
A. (A東京・テーブス海 選手) これまで対戦機会が少なかったチーム(B2から昇格するチームなど)と戦えるのは新しい経験であり楽しみです。個人的には神戸など、行ったことのない土地で試合ができることを楽しみにしています。
A. (琉球・佐土原遼 選手) チーム数が増えることで、様々な地域で自分たちのバスケットを見てもらえる機会が増えるのは嬉しいことです。キングスは「沖縄を世界へ」を掲げており、まずは日本全国にファンを増やしていくという意味でも良いことだと感じています。
Q. 「土日連戦」から「分散開催(単発)」に変わることで、勝敗や試合内容にどのような影響が出ると考えるか?
A. (A東京・テーブス海 選手) 現在の土日連戦で「1勝1敗」が多いのは、メンタル的な理由(土曜に負けたチームが日曜に危機感を持って臨むため)が大きいと感じています。単発開催になれば、リカバリーの時間が取れ、常に万全なコンディションで試合ができるため、選手としては非常に助かります。
A. (琉球・佐土原遼 選手) 現在は土曜の試合結果を受けてスカウティング(対策)を行い、日曜に修正してくるため、土曜に通用したことが日曜に通じなくなることがよくあります。 平日開催などで単発になれば、相手に詳細な対策をする時間を与えないため、より純粋な「力比べ(地力勝負)」になると思います。そのため、実力差によっては連勝が続くケースもあれば、拮抗した戦いになるケースもあるかもしれません。
Q. (トークセッション中に)サラリーキャップを現在の8億円から将来的に上げていきたいという発言があったが、具体的な計画があるのか?
A. (島田チェアマン) 日常的に議論しており、具体的な計画として考えています。 B.革新によって各クラブの経営力(アリーナ収益やオーナーの資金力など)が高まってきています。経営の健全性を保ちつつ、選手の年俸や待遇を引き上げていくことは既定路線です。 「どのタイミングで、いくらに上げるか」については実行委員会等で常に議論しています。来シーズンすぐにといわけではありませんが、そう遠くない将来に変更することになると思います。
(文・構成:湧川太陽)


